軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第405話 お貴族様ってキラキラしてるのね

どんだけ磨いてるの? って思うくらい、ピカーッと光るハゲ頭に、思わず目を瞑ってしまう。

薄っすらと目を開けると、ハゲロ司祭も私に気付いたのか……顔が青ざめ、視線は……私というよりも、エイデンの方に向いてる気がする。

隣のエイデンを見上げてみると、ニッコリ笑っている彼と目が合った。

――絶対、なんかやったでしょ。

何を仕掛けたかはわからないけど、今は目の前のハゲロ司祭に集中しよう。

「……司祭様、お久しぶりです」

「う、うむ」

「ゲレロ司祭様……いかがしましたか」

ハゲロ……じゃなくて、ゲレロ司祭の視線がキョロキョロと落ち着かない様子に、生意気な男の子が、じろりと私を睨んでくる。

私、何も悪いことしてないのに。

「な、なんでもないぞ、うむ、む、娘よ、わ、我は王家の方々を案内するために来ただけである。早々に戻るゆえ、気にするでない」

「は、はぁ……」

道案内だけしに来たの?

キャサリンの家の御者……サリーちゃんのおじさんだったっけ……がいれば、なんとなく場所とかわかりそうだと思ったんだけど。

「ゲレロ司祭、その者は」

後続の馬車についていた護衛っぽい人が追いついたようだ。

すごい長身の金髪碧眼の美男子登場。年齢的には、私とそうかわらないだろうか。

まるで某女性歌劇団の舞台にでも出てきそうな、キラキラした格好でやってきた。

「クロンメリン様!」

今度は顔を赤くしたゲレロ司祭が慌てて、護衛の人のところに向かってペコペコしている。

「……ほお」

エイデンの感嘆の声。

「何?」

「あの者の肩を見てみるといい」

「え?……おー」

彼の肩のあたりに、かなりしっかりと人の形をとった精霊の姿があった。色は濃い水色。

この山にいる精霊たちは人の形をしているけど、獣王国の魔の森に行った時にみかけた精霊たちはうすぼんやりとした光の玉のもののほうが多かった。

「よっぽど、あの男と相性がいいのだろうな」

「へぇ……」

そんな会話をしている私たちの元に、その濃い水色の精霊がぴゅーんと飛んできた。

『いとしごさま、おはつにおめにかかります!』

テンション高めの挨拶が始まった。うわー、目がキラキラしてる。

『まさか、アレなるやどぬし、アーサー・クロンメリンがむかうさきに、いとしごさまがいらっしゃるとは! なんたるぎょうこう!』

まるで騎士のように片膝ついて挨拶する姿に、びっくり。

その上、この口上。宿主って言われているクロンメリンさんの影響だろうか、と予想する。

「失礼」

私たちが精霊と挨拶をしているところに、その宿主登場。

彼には、精霊は見えていないようだ。

「貴女が、モチヂュキ殿か」

思わず、プッと吹き出しそうになる。『モチヂュキ』って何! そんなに発音しづらい?

「は、はい。望月は私です」

「モ、モチ ズ(・) キ、殿だな。失礼した」

……微妙に違う気がするが、敢えてスルー。だって、ちょっと恥ずかしそうに顔を赤らめているんだもの、見逃してあげようって気にもなる。

「私は、コントリア王国近衛師団副団長のアーサー・クロンメリンと言う。今回、殿下たちの視察の護衛として同行している。短い間だが世話になる。ところで、殿下たちの馬車を中に入れたいのだが、馬車を置けるような、空いている場所などはあるだろうか」

「ああ、はい。ネドリ、お任せしてもいい?」

「はい……クロンメリン様、どうぞ、こちらに」

「うむ、すまんな」

二コリと笑うクロンメリン様に、思わず、ほへーっとなる。

イケメンの笑顔、プライスレス。

……じゃなくて! 偉い人そうなのに、いい人っぽく見える。

「……五月」

ツンツンと私の肩をつつくエイデンの顔を見上げると、ちょっとだけ拗ねているように見えて……ちょっとめんどくさいって思ったのは内緒だ。