軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第390話 本と瓶と、ママチャリ

梅の実を手に入れた翌日、あちらに買い出しに向かう。

少し遠出して、大きなショッピングモールに入っている本屋で専門書を探すことにしたのだ。

最初はスマホでなんとか、と思ったけど、結局メモしたりなんだりとなるので、レシピ本みたいなのがあった方がいいかなぁ、と思ったのだ。

結果、表紙に黄色い梅がいっぱい写っている梅の専門書と、保存食について書かれているレシピ本を買った。

パラパラっと見たら、定番の梅酒や梅シロップの他にも知らないメニュー(しょうゆ漬けとか甘露煮とか)なんかもあって、ちょっと挑戦してみたいと思ったのだ。

それぞれ、大きさもB5サイズくらいで大きすぎない。

他にも気になる本はあったものの、あれもこれもと手を出してもやらないで終わりそうなので、とりあえず、この2冊だけにした。

帰りに、いつものように稲荷さんのところに顔を出す。

「今日も随分と買い込んできましたね」

「アハハ、なんか気が付いたら、買っちゃってました」

久々にショッピングモールになんて行ってしまったら、気になる物が多すぎて、止められなかったのは事実。

特にペットショップに入っちゃったら駄目だった。

自分が作ったマリン用のクッションに比べ、素敵な猫ベッドたちがずらりと並んでいて、その中でも、籐カゴでできた猫ベッドを見つけてしまったら、もう駄目。

冬場は私のクッションでも十分だったかもしれないが、これから暑くなってくるのを考えたら、ついつい……。

それにホワイトウルフたち用のブラシもまとめて購入。やっぱり素材の違いか、そもそも専用のブラシという考えがないのか、残念ながら、グルターレ商会の商品はイマイチだったのだ。

当然、梅用にも色々と買い足した。

まずは瓶。

果実酒用だったり、シロップ用だったり。元々持っている瓶もあるけれど、今年の梅の実が大きすぎて、それでは入りきらないのだ。

出来ればヘンリックさんたちドワーフがガラス製品を作る上での参考になればいいなと思って、サンプル用にと多めに買ってみた。

そして、氷砂糖やホワイトリカー、その他、色んなお酒も買った。これはドワーフたちにバレては駄目なヤツ。全部、飲まれてしまう。

瓶を見ていた時に、同じような並びで、ガラス製のドリンクサーバーが展示されてたのに一目ぼれ。ついつい買ってしまった。

ログハウスのカウンターに並べたら、ちょっと洒落た感じになりそうだったのもあるけど、梅ジュースが出来たら、それに入れて、寺子屋で子供たちが休憩の時に、飲むのにいいかなとも思ったので、うちのも含め、4台買ってしまったのだ……。

稲荷さんには、梅やサクランボ、びわが豊作なのを報告。荷台のほとんどが梅酒関係と知って興味津々の模様。

「梅酒、いいですねぇ」

「出来たらお裾分けしますか?」

「本当ですか!」

かなり嬉しそうな稲荷さん。

「ああ、そうだ。前に言われていたモノ、用意しときましたよ」

そう言って、稲荷さんが管理小屋の方から持ってきてくれたのは、中古の自転車。いわゆるママチャリだ。元々キャンプ場用にあった自転車らしく、お客さんの忘れ物らしい。本当に忘れ物なのかは怪しいけど。

「ありがとうございます!」

「しかし、あの子が色々ご迷惑をかけてるようで」

「アハハ」

稲荷さんの言う「あの子」は、ご存知のモリーナさんだ。

相変わらず、スーパーカブで村に向かうと、興味津々で立ち枯れの結界に張り付いてて恐いので、さすがにバイクというわけにもいかないので、代わりに自転車なんてどうか、と思った次第。

これで、異世界で自転車が流行りだすなんてことは……ありそうで、ちょっと怖い。