作品タイトル不明
第343話 ドワーフたちの家族
話を聞いてみると、仕事が増えて忙しいとか、そういうことではないらしく……単純に、ドワーフたちの身内を呼び寄せてもいいか、という話だった。
「家族がいるんだったら、呼んだらいいじゃないですか」
「いや、まぁ、そうなんだが……こちらは、間借りしている身だし」
ヘンリックさんの言葉に、ドワーフたちが皆、コクコクと頷く。
呼び寄せたい身内の話を詳しく聞いてみると、思っていたよりも多くはなかった。
そもそも彼らの半数は、すでに近しい身内はいないということで、若手のメンバーの方の家族を、という話だった。
8人いるドワーフたち。皆、似たような風貌なので、目の前に並ばれると、リーダーのヘンリックさん以外は、名前と顔を一致させるのが難しかったりする。
獣人たちは、匂いでわかるらしいけど、私には無理だ。
ちなみに年の順に名前を並べてみる。
ヘンリックさん
イエルンさん
エトムントさん
ヨハンさん
ハンネスさん
アルブレヒトさん
ベルントさん
アルバンさん
中でも最年少2人が、見習いだそうだ。全然、名前、覚えられない……。
それに、皆髭面の見た目じゃ、ドワーフの年齢が全然わかんない。それでも、エルフほどではないにしても、長寿な種族なんだそうだ。
「家族を呼びたいっていうのは、ハンネスとアルブレヒト、後は見習いの2人だ」
ハンネスさんは、年の離れた妹さん。アルブレヒトさんは、両親。見習いの2人は、弟たちが孤児院に残っているらしい。孤児院にいるっていう時点で、だいぶ小さい子をイメージするけれど、見習い2人、もしかしてかなり若かったのかしら?
国を離れてからは、エルフの行商人を経由して連絡をとってはいたものの、あまり頻繁というわけにもいかなかったらしい。
最後にいつ連絡とったのかを確認したら、アルブレヒトさんが2年前にとったきりだとか。その間、ずっと放浪しているようなモノだったということか。
「やっと、ここでの生活も落ち着いてきたこともあって……呼び寄せられるなら、呼び寄せてやりたいんですわ」
「うん、いいんじゃない?」
私は、あんまり家族運はよくなかったけれど、皆が皆、そういうわけではない。
仲のいい家族だったなら、一緒に暮らせるようになるなら、その方がいい。
「家の方の準備とかは、お任せでいいですよね……そういえば、どうやって連絡とるつもりなんです?」
次にいつエルフの行商人が来るかはわからない。
そろそろ来てもいい頃じゃない? と内心は思ってはいる。
「ネドリ様にご相談して、村の冒険者の方にお願いしようかと、思っとります」
彼らと一緒に、見習いのアルバンさんが同行して、彼が不在中は、なんとオースくんが手伝いに入るらしい。
ドワーフたちの国は、帝国の先、あのラインハルトくんの住んでいたジェアーノ王国の先にあるそうだ。移動だけで、どれくらい時間がかかるかしれない。
……それだったら、エイデンにお願いしちゃった方が早くない?