作品タイトル不明
第336話 久々の買い出し スーパー編(1)
「米、米、こ~め~♪」
大きなカートに10キロの米の袋を、1つ、2つと載せる。
米は、意外にも、獣人たちがアルファ米を気に入ってくれたので、ついつい作ってしまった。そのせいもあって、在庫があっという間になくなった物の一つだ。
もう1袋を載せて、合計30キロ分。すでにカートは十分に重い。
「ふぅ、これくらいあればいいか」
どこの飯屋だってくらいのお米に、自分でも苦笑い。
一人だったら10キロでも十分だと思ってたけど、この冬は気が付けば、ついつい村人たちに振舞ってしまったせいで、減りが早かった。
たぶん、これからも振舞っちゃいそうな自分が想像できる。大量にあったほうがいいなら、まとめ買いできるようにしたほうがいいのだろうか。
ふと、スーパーよりも、農協の直売所みたいな所の方が安いのでは、ということを思いつく。この辺りでは、どこにあるかわからないので、後で帰りに稲荷さんにでも聞いてみようと思った。
他にも、1キロもするパスタの乾麺も10袋。小麦粉も業務用(25キロ)があったので、それを載せる。たまにフライパンでちぎりパンを作ったりしていたので、小麦粉も何気に減りが早かったのだ。
他にも、インスタントの袋麺やカップラーメン、レトルト食品。非常食はいくらあっても困らないだろう。
あとは、あちらで手に入り難い乳製品は必須だ。
残念ながら、業務用サイズのバターはなかったので、まとめて買った。チーズや牛乳も忘れない。『収納』があるので、牛乳の保存がきくのがありがたい。
そういえば、あっちには牛みたいな生き物を見た覚えがないことを思い出す。
エルフの行商人が商品として持ってくるくらいだし、牧場のような物がどこかにあるんだろう。今度、その辺りのことも聞いてみてもいいかもしれない。
そしてアルコールも大事。
果実酒を作るのもそうだけど、ドワーフたちの嬉しそうな顔が頭に浮かぶ。自分じゃ飲まないウィスキーやら焼酎やらを積み込んでいく。缶ビールは箱買いだ。
ここまでで、すでにカート1台で足りなさそうだ。
調味料も忘れてはいけない。
前に行商人たちの品揃えを見たときに、砂糖や塩もあるにはあったけれど、量も質も、どうしても劣るし、高い。
味噌はそもそもなかったし。
「手作り味噌とか作るのは、スローライフの醍醐味かもしれないけど……そこまでやれるか? 私」
市販の味噌を手にしながら、考え込む。
……とりあえず、美味しいお味噌がいいので、素直に味噌をカートに載せた。
生鮮食品が悩ましい。
肉はこっちの方が慣れた味だし、すでに切ってある状態。料理するのは楽だったりする。
特に……オークを知ってしまってからは、あちらの肉には躊躇してしまう。美味しいとは、思うんだけど。ただの猪とかウサギ、鹿の肉(魔物も含む)だったら気にならないんだけれどなぁ。
そういえば、未だにあちらの魚は食べたことがないかも、と思ったのは、冷凍の鮭の切り身を手に取った時だ。
山の南に大きな川があるのは知っているし、見たこともあるけれど、さすがにそこで釣りをしたことがない。そういえば、獣人たちも川魚を食べないのか、彼らが食べている姿を見たことがないかもしれない(肉大好きだし)。
川魚は泥臭いというイメージがあるので食指が動かないが、山の中の清流とかには、イワナとかヤマメみたいなのがいたりするんだろうか。
うちの山のことだったら、ビャクヤたちホワイトウルフや、精霊たちに聞いたら、教えてくれるだろうか。
また買い出しに来ればいいことを忘れ、馬鹿みたいに冷凍の魚の切り身を買ったのは、言うまでもない。