作品タイトル不明
第246話 ボーナスKP
エイデンによって間断なく木材が運び込まれてくる。
ケニーが伐採してくれる木材よりも、太さもあり、形も整ったものが多い。製材途中のものもあれば、まだ枝打ち前のモノもある。それら全てが帝国産なのは、もう仕方がないかな、と思うことにした。
一応、風の精霊に聞いてみたのだ。エイデンはどこから盗んできているのか。曰く。
『でぶでぶの~、でぶのとこの、わるいとこの~』
『う~ん? なんか、いやなかんじのたてものとか~』
『あははは、やつらのおこったかおの、おもしろかったこと~!』
『そういやぁ、はしがこわれてたとこの、やまづみしてたのもってきてたね~』
うん、わかんない。
この会話のどこから噂がわかるというのっ!
とりあえず悪そうなところからと、橋の修繕用に集めたモノなのは理解した。橋のところが気にかかるけれど、エイデンの判断を信じるしかない、と自分に言い聞かせてみる。
だって、ガズゥたちを狙ってるっていう国だもんね?
若干の罪悪感を感じつつも、私はログハウスを建てていく。今は8軒目が建ったところ。
「うん? あれ、なんか通知来てた……おおおっ!」
なんと、ボーナスKPが追加ですと! えと、えと……100万ですって!? 思わず二度見する。そして、桁を1から数える。うん、間違いないっ!
「イグノス様、太っ腹っ!」
何がボーナス対象になったのか、通知には書いていない。
間違いでした、とか言われたら嫌なので、さっさと使うことにした。
まずは、当然、『収納』のバージョンアップ。これでMAXになるはずだ。
「よっしゃー! 苦節(ほぼ) 1年、ついに、ついに、無限収納キター!」
これで、腐るとか、いっぱいで入れられないとかがなくなるっ!
まぁ、最近は十分に収納スペースがあったけれど、まだまだ村づくりのための資源を集める必要があるもんね。
「それと『翻訳アプリ』も追加っと」
会話はイヤーカフで通じてたけど、書類を渡されても読めなかったのが、タブレット経由ではあるものの、『翻訳』できるようになった。値段も値札があれば一々確認しなくてもいいのは助かる。
立て続けにアプリにKPをつぎ込んだけれど、まだまだ余裕のKPの残高。
「それじゃ、村の敷地、全部『整地』しちゃおう」
一応、石壁を建てる予定の範囲の中、獣人たちの家が建つ予定のところが、まだ浄化されていない状態だったのだ。梅の木か桜の木でも移植しようかと思っていたけれど、一気に村の範囲で『整地』できれば、それにこしたことはない。
「範囲指定して、はい、ぽちっとな」
ザザザッと一気に地面の状態が変わる。なんか、気持ちいいんですけどっ!
他に何をすべきか考えていると、再びエイデンが木材を持って戻ってきた。
「エイデンッ!」
『どうした、五月』
「あのね、木材も欲しいけど、石材も欲しいの。ほら、村を囲うようにしたいから」
『おう! わかった。待ってろ!』
私に頼まれたのが嬉しいのか、そのまま飛び立っていく。
「……また帝国のどこかが、破壊や盗難にあってるんだろうなぁ」
相変わらず、罪悪感は消えない。
――でも、帝国だしね。
ということでスルーすることにした。人間、諦めが肝心だよね。