軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第242話 レンガを作りたいんだけど

レンガは、正直、上手くできるか不安だった。

まずは、ちゃんと材料となる粘土や砂等々をちゃんと混ぜることができるのか。

最初に小屋にコンクリートを張るときに買ったプラスチック製の箱を、小屋から探し出してきて、そこで混ぜてみた。この山暮らしを始めて、それなりに体力はついてきたと思ったんだけど……結局途中から、ガズゥと土の精霊たちに混ぜてもらってしまった。

ネットで調べたところ、そこから2日ほど寝かせる、と書いてあった。

なので、そのまま立ち枯れの拠点の、元は長屋があったところに小屋を新たに作り、その中で、箱に入れたままの状態で放置した。

その間に、梯子のように4つの四角を持った木枠と、干しておくための台、乾燥させるための小屋を作った。台や木枠の方はケニーに手伝ってもらった。大物(建物とか)は無理でも、この手のモノは私なんかよりも、上手い。当たり前か。

そして肝心なのは窯だ。

さすがに『タテルクン』のメニューにある『ピザ窯』で焼くのはおかしいのは、私でもわかる。

今、目の前に並んでいるのは、まだ乾ききっていない四角く成形されているレンガ(の元)。試験的に作ったので、数はそれほど多くはない。

「むーん」

『どうしたの?』

『またまぜる?』

土の精霊たちが私の周りに集まってきた。水の精霊も興味津々で覗き込んでいる。

「混ぜない、混ぜない。これをね、乾燥させてから焼きたいんだけど、そのための窯を作らなきゃいけないなぁって」

『つくればいいじゃない?』

「うーん、そうね」

『かんそうさせるの?』

目の前のレンガ(の元)が一気に乾く。

「あ、ありがとね」

『なに、さつき、これをやくのか?』

風の精霊に礼を言っていると、今度は火の精霊がやってきた。

「え、あ、うん、焼きたいんだけど、高温で焼く必要があるんだって」

たぶん、木材も今以上に必要になる。いや、炭にした方がいい?

「なんか、レンガ作るのって大変ねぇ」

つい、愚痴っぽく言ってしまうのは仕方がないと思う。

こればっかりは、お金で解決したほうがいいかもしれない……とまで、考え始めていたのだけれど。

『さつき、やくことだったら、おれにまかせろっ!』

「うん?」

ボワッ!!!

「ギャッ!? あつっ!?」

いきなり目の前で、小屋よりも高い火柱があがった。

小屋に火が移る!?

『ご、ごめんっ!』

私の叫び声で、すぐに火は消えた。

「いきなりは危ないでしょ!」

『ご、ごめんなさい~』

そう言って火の精霊を叱っていると。

ドゴンッ!

「五月っ! 大丈夫かっ!」

凄い音と共に、エイデンが人間の姿のまま、空中の結界に張り付いていた。

うん、この残念イケメンぶり、もう、お約束って感じよね。

「大丈夫よ~」

エイデンへ手を振りながら、ふと、思った。

――もしかして、エイデンだったら、石窯作れるんじゃないの?

だって、いきなり自分のお城みたいのを作るぐらいだもの。

結界に張り付きながら、嬉しそうに手を振りかえしてくるエイデンに、私は満面の笑みで応えたのであった。