作品タイトル不明
第199話 燻製とアルファ米
なんかガズゥたちが、かなり頑張っている。
エイデンとの訓練もそうだけど、魔物狩りが熱いらしい。
この前の猪……あれ、やっぱりフォレストボアだったらしい。肉の塊は見慣れたが、毛皮付きのアレをまともに見たのは初めてかもしれない。いつもならエイデンが解体した後の肉をくれるのに、ガズゥたちが解体前の状態を、私に見せたかったらしい。
いや、肉になっているのを見て、今までだってかなりデカいんだろうなぁ、とは思ったよ。牛みたいなデカさは私でもわかったけど、アレはデカすぎ。
毎回思う、これが異世界仕様か。
でも!
ホワイトウルフたちへのお裾分けをしても余るくらいって、どうなのよ!
おかげで、燻製肉、作りまくりではあるんだけど。
しかし、所詮、5千円の燻製器。あんな量はこなせない。
ログハウスの前にミニテーブルを置いて、ガスコンロの上に燻製器をセット。その横で焚き火もしながら、フライパンも稼働。それでも中々減らない肉。一応、塩漬け状態のままジッパー付きのビニール袋で保存中。
貯蔵庫が暑くなってきてもかなり低温なおかげで、そこにどんどん山積みになっている。大きいサイズの袋を買っておいて正解。
「うーん! この香り、たまんないね」
一応、燻製用のチップは一番身近にある桜だ。モリモリに育っている桜の枝をガズゥたちに切ってもらい、サクッと風の精霊に乾燥をお任せ。その上、サンプルを見せたら、同じように細かくしてくれた。今、道具小屋の中には、桜のチップが山積みされている。
ここまでくると、燻製小屋でも作ったほうがよかったのかも、とか思ってしまった。
さすがにフライパンでやるのにも飽きたので、他は燻製器にお任せ。
その間に、今度はアルファ米だ。
土鍋で少し硬めに炊いたお米を、水洗い。フライパンで水を飛ばして乾燥させれば出来上がり。最初だけ、焚き火での火力が強すぎたせいか、焦げてしまったけど、それ以降は、うまく出来たと思う。
桜の木の枝を集め終えたガズゥたち。何をしているのか気になったのか、様子を見に来た。中でもテオが興味津々のようで、ついには私の代わりにフライパンをふりだした。なかなか上手い。
「ああ、そうだ。すもも、食べる?」
多めに買ってきても、子供らの食欲の前には、あっという間になくなっていく果物たち。桃はすでに完食。すももも、これで終わりだ。
残った種は、苗木になるようにと、しっかり黒いポットに埋める。ガズゥたちが食べたヤツには結界機能がつかない可能性はあるものの、それとは別に、普通に食べたいので、ちゃんと育ってくれるといいな。
『ねぇ、さつき?』
「うん?」
風の精霊が声をかけてきた。
『このおこめ? わたしたちでもかんそうできるよ?』
「あ」
……相変わらず、私はポンコツな模様。