作品タイトル不明
第196話 ガズゥたちへのお土産
今日も訓練を兼ねた魔物狩りに、エイデンが子供たちを連れて出かけていった。
キャサリンたちがいなくなった立ち枯れの拠点は、鳥の鳴き声と風の音しかしない。
「一気に静かになっちゃったなぁ」
そう思いながら、立ち枯れの畑の野菜やハーブ類の水やりをする。土の精霊たちのお陰で、いい感じに成長している。そう、いい感じに。
ログハウス周辺のような、馬鹿早い成長具合ではない。ちなみに、果樹園あたりは、若干、ログハウス寄りに成長速度が早い。ブルーベリーと桑の実以外は、まだ実を生らせてはいないけれど、近々、それなりになるんじゃないかなぁ、と予想はしている(遠い目)。
水やりをしながら、ガズゥたちへのお土産、何がいいのか、悩んでいた。
基本はキャサリンたちと同じものは最低でも用意して上げたい。となると、リュックは作るでしょ。あ、ミサンガはあと1本残っている。お菓子とドライフルーツはもうないから買い出しに行かないとダメか。
「あ、ジャムもない」
あんなにあったブルーベリーも、なんだかんだと食べつくしてしまってた。美味しかったしね。
「そうだ。こんなにハーブがモリモリに育ってきたし、ハーブを使った何かできないかしら」
目の前に並ぶ鉢植えのハーブに目を向ける。地植えしているローズマリーと比べると、やや成長は遅いものの、けっこう大きくなっている。
ラベンダーはドライフラワーにし始めたばかりだけれど、他のハーブ(オレガノやタイム、ローズマリー等)も乾燥させて、何かにできないだろうか。
「うーん、ハーブソルトとかどうかな。あの子たち、お肉好きだし……そうだ、お肉、ハムとか燻製ってできないかな」
村まで帰るのに必要な食料とかって、ある程度用意してあげといてもいいかもしれない。そういえば、お湯で戻すアルファ米とかって、手作りできるって何かで見たな。
「公爵たちみたいに、宿に泊まったりしないで野営とかしそうだしなぁ」
これは単純に私のイメージだけど。キャンプ道具みたいなのを一式渡すのもいいかもしれない。そういえば、ガズゥに渡したナイフ、そのままだ。私はほとんど使っていないから、いいんだけど。私よりも上手に使ってそうだし。
「テオとマルにも、小さな万能ナイフでもあげてもいいかもしれない」
どちらにしても、一度、あちらに買い出しに行かないとダメだね。ついでに、稲荷さんにもキャサリンたちが帰ったことを報告しておかないとだろうし。
でも、これからあちらに行くには、ちょっと遅い。きっと1日がかりになるだろうし。
「うん、じゃあ今日はドライハーブ作りに勤しみますかね」
私は『収納』に如雨露をしまって、代わりにガーデニング用のハサミを取り出すと、モリモリに茂ったローズマリーへと目を向けるのであった。