作品タイトル不明
第172話 長屋モドキを作ってみた
子供たちはホワイトウルフたちとともに、山の方へと走っていった。さすがにキャサリンとサリーはゆっくり後をついていってるけど。
彼女たちのしっかり歩いていく後姿を見て、つくづく、ブルーベリーの偉大さを思い知らされた。つい、2、3日前は、起き上がれもしなかったのに。いや、これもまた異世界クオリティと言われたら、そうなのかー、としか言いようがないんだけど。
「さてと、私の方は家を作らないとね」
まずは、今ある小屋を出入り口近くのローリエの木の近くに移動させる。
そして小屋のあった場所に、『木造平屋』を選んで建てる。ログハウスよりも元となる素材の数が少ないので助かる。これ1つで1部屋しかないので、それを3つ並べる。まさに江戸時代の長屋状態だ。
「あー、これは冬場は寒いか」
ガラス素材を使わないで済んでラッキー、なんて思ったのだけれど、その代わりに、出入り口は下が板張りになっている障子の引き戸。紙の素材が木だからなのか。中も板の間で、畳とかではない。確実に底冷えするに違いない。
とりあえず、男女で別の部屋で寝起きしてもらって、最後の1つで食事とかをしてもらうのがベストかもしれない。
炊事場は長屋のそばに、東屋を建てる。ここなら雨の時でも作業できるし、焚き火台もここがいいかもしれない。食事の準備も出来るだろう。
「た、ただいま」
ガズゥとテオが、けっこう大きめの石を見つけてきてくれたらしく、山盛り持って帰ってきた。それと同時に、新しくできた建物を見て立ち止まっている。まぁ、いきなり別の建物が出来てたら驚くよね。
「あ、石はあっちね」
「は、はいっ」
慌ててユーカリの木の根元に石を置いたかと思ったら、私のところに駆け寄ってきた。
「さつき、もしかして、これって」
「うん、これが新しい家ね」
「す、すげぇ」
あまり喋らないテオがポカーンッと口開けて呟く。
「一時的なものだから、簡単なので悪いんだけど」
障子の引き戸を引いて中を見せる。
和風なだけあって、土足厳禁。ビーチサンダルは脱いで上がるように注意する。
「部屋は繋がってないんだけど、別にいいよね」
「じゅうぶんだよ」
しかし、障子のところからしか明かりが入ってこない。うん、暗いね。一応、各部屋に1個、LEDライトを置いておくか。ソーラーで充電できるやつだから、これの充電方法も教えておかないと。
「そうだ。トイレとお風呂までのところに、ガーデンライトも刺さなきゃ……ガズゥ、小屋から着替えとか、敷きマットとか運んじゃって」
「わかった!」
女の子組のは、私がまとめて持っていく。
一応、真ん中は空き部屋にして左右を男の子と女の子で分けた。
「お昼は真ん中の部屋で食べようか」
「うんっ!」
テーブルとかも用意しないと、と思ったら、やることがいっぱい、と少しゲッソリしたのは内緒だ。