作品タイトル不明
第136話 山の防衛
けっこう本気で、山の防衛を考えねば! と、思ってしまった私。
防衛だなんて、大袈裟な、と言われそうだが、チラッと見ただけだけど、十分に物騒な感じの大男だったのだ。大袈裟くらいが、ちょうどいい気がする。
立ち枯れの拠点からの道幅を広げるのは、後にすることにした。それよりも、山の敷地全体を囲うような結界を作らないと。立ち枯れの拠点周辺だけに限らず、今の状態って、入ってこようと思えば、どこからでも入ってこられる。隙間だらけだ。
「でも、急いで作るとなると、結界が張れるような果樹の苗木の在庫はないし……あの山裾に、これと同じ柵を作るのも違和感ありそうだしなぁ……」
今は板張りで向こう側は完全に見えない状態の柵になっている。高さも、私だったら足元に台でも置かない限り、見えない。あの大男だったら手をかけて登ってきそうだけど……結界があるから大丈夫……だと思いたい。
そもそも、木材の在庫が足りるか、怪しい。
「材料少なめの柵でも、結界の機能ってあるかなぁ……」
私は今、立ち枯れの拠点へ向かう分かれ道でタブレット片手に考えている。左手に行けば 立ち枯れの拠点、右手に行けばトンネルに向かう道だ。
バラの苗木は入口近くにしか植えていないので、この辺は雑木林のままだ
さすがに、あの男がすぐに戻ってくるとは思わないけれど、今はまだ、瘴気の跡地近くの山裾に行く勇気はない。
例えば、ひざ丈くらいの、ガーデンフェンスみたいなのはどうだろう。先の尖った細い板を縦に並べたヤツ。小さいタイプのものだったら、100均なんかでも売っていた記憶がある。
「まずは、試しに作ってみなきゃわかんないわね……そもそも、『タテルクン』のメニューになきゃ、話にならないんだけど……お、あった!」
道から1mくらい離れたあたりを、ざっくりと草刈りをして、一つ目のガーデンフェンスを建ててみた。高さは私の腰くらい、幅はだいたい2mくらいだろうか。木目調のはっきりしたガーデンフェンスは、周囲の木々の中にあっても違和感はない。
「悪くないんじゃない?」
念のため『鑑定』をしてみて、ちゃんとこれにも結界機能付きなのも確認出来た。
それを道の両脇にドンドン建てていき、なんとかトンネルのところまで繋げることができた。
「はぁ、ここからログハウスまで戻るのかぁ」
『五月様』
「うぉっ!? ビ、ビャクヤ!?」
『お呼びとのことでしたので』
「やだ、ナイスタイミング! 助かったぁ!」
ハクたちにビャクヤを呼びに行かせたのを忘れていた。
「そうそう、ちょっと、相談したかったの……ついでに、ログハウスまで乗せてってくれない?」
『かまいませんよ』
私はログハウスへと戻る間、ビャクヤに男との遭遇について話し、これからのことを相談するのであった。