作品タイトル不明
第941話 ドゴールさんとマグノリアさんの結婚式
ドゴールさんとマグノリアさんの結婚式をすることになった。
最初、マグノリアさんは再婚だからと、そんな立派なことはしなくてもいい、と言っていたのだけれど、ハノエさんたちママ軍団が盛り上がってしまったのだ。
ボドルさん、リリスさん夫婦と、コントルさん、ケイトさん夫婦の時は、ただ村中で宴会しまくっただけだった。狼獣人の結婚式は村人たちに認められれば、それでOK、そんな感じでいいらしい。
しかし、ハノエさんたちママ軍団は、孤児院の女の子たちから人族の結婚式の話を聞いてしまった。
「教会で、ベールを被って」
「誓いのキス」
「花びらを撒くなんて」
「素敵じゃなーい!」
……いくつになっても、女性たちはロマンチックなことが大好きだ。
実際のところ、孤児院の子供たちの話は、少しばかり……いや、かなり盛っている。
平民たちの結婚は、確かに教会に行って、婚姻届けのようなものを書くらしいが、ベールは被らないし、誓いのキスもしないし、花びらも撒かない。いたって、事務的な感じらしい。
強いて言えば上等な服を着て教会に行くことと、夫となる人から花束を貰うくらいなのだとか。
なぜ、そんな話を孤児院の子たちが知っているかというと。
――私がした話だよねー。
ちょっと遠い目になるのは許してほしい。
実は以前、酒造り担当のドワーフのゲインズさんの孫娘、マリアンヌちゃんが来ていた時に、女の子たちが恋バナで盛り上がって、その際に結婚の話が出たのだ。
そこで、ちょろっと、 あちら(日本) での結婚式の話題になり、教会式はこんな感じ~、みたいに話したら、まぁ、見事に女の子たちのハートをつかんでしまった。
それをハノエさんたちママ軍団が聞いてしまったのだ。
「あー、でも、それはですね」
「マグノリアにもちゃんと話はしますわ」
「でも、私たちは」
「綺麗なマグノリアを見たいの!」
私が説明しようとしたところを、興奮しているハノエさんたちは止まらない。
まぁ、彼女たちが興奮するのもわかる気はする。
最近のマグノリアさんは、輝くような美貌に磨きがかかっているのだ。
元々、美人さんではあったけれど、子供を二人育てている苦労で、かなりやつれてはいた。でも、うちの村に来て、だいぶ改善されてきていたのだ。
華奢な身体に、輝くような金髪、白い肌も艶やかで。そこに、ドゴールさんとの恋愛をすることで、より一層、美しくなったというか。
――きっと、『女神』っていうのは、こういう人のことを言うんだろうなぁ。
と、思うくらいに綺麗になったのだ。
そんな彼女を、美しく着飾りたい、という気持ちにならないわけがない。
マグノリアさんのウェディングドレス姿、見たくないか。いや、見たい。
(そこにドゴールさんの姿はない)
――これは、一肌脱がねばなるまい。
私もママ軍団の熱に煽られて、ちょっとやる気になってしまった。