軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第904話 二カ所目の野営地を作る

結局、大きなログハウス(二階建て)一軒と、小さなログハウス(二階建て)二軒建ててしまった。

大きい一軒にはドゴルくんたち『狼の咆哮』が、小さな一軒にはオババさんたちに使ってもらうことになった。

「じゃあ、私たちは、最後に紅葉を植えた場所まで向かおうか」

「エイデン様を待たなくていいの?」

「待たなくても、エイデンならわかるでしょ?」

「まぁね」

『私たちも一緒に行くわ~』

野営地に私たちが来たのに気付いた、ウノハナとシンジュが他のホワイトウルフたちを連れてやってきていたのだ。

ちなみにビャクヤとムクはユグドラシル周辺に向かっているらしい。露払いということだろうか。ありがたいことだ。

「ありがと。ウノハナたちに乗せてもらえたら、すぐに着くね」

『まかせてよ』

「ノワール、オババさんたちに声をかけてきてくれる? 私たち、もう行くって」

「わかったー」

スタタタ、と走っていくノワール。小さな子供の姿だけれど、あのスピードは子供らしさの欠片もない。(遠い目)

私がウノハナの背中に乗ると、マリンはシンジュの背中に乗った。

「じゃあ、ウノハナ、お願いね」

『行くよ~』

『は~い』

ウノハナたちが凄い勢いで走り出した。

私も何度か乗ったおかげで慣れたこともあって、低姿勢でウノハナにしがみついていたんだけれど。

『はい、到着~!』

「え、もう?」

ものの五分もせずに、紅葉を植えた最先端まで到着してしまった。

「さすが」

『えへへへ』

ウノハナから降りて周囲を見回す。

一応、紅葉の周りの木々は『伐採』してはあったものの、ログハウスを建てるほどのスペースはない。

「まずは敷地を広げないとダメだね」

『私たちがいるから、周りを気にしなくてもいいわよ』

『この辺りには、強い魔物はいないから(父様が狩ってたし)』

「そうなのね。じゃあ、『伐採』しちゃおう」

私はタブレットを手に『ヒロゲルクン』を立ち上げる。

「五月~、私も周りを見てきていい?」

「え、その姿で?」

シンジュの上に乗った可愛い格好の女の子の姿でマリンが声をかけてきたが、私の言葉で、しゅるんと飛び上がり、地上に降りたったのは聖獣バスティーラの姿に変わった。

『当然、こっちの姿よ』

出会った頃は子猫サイズだったのに、今では立派な黒豹サイズだ。

『シンジュたちと一緒に見てくるわ』

「まぁ、マリンだったら大丈夫か」

『やった! 行ってくる!』

『ちょっと、待ってよ~』

マリンとシンジュが仲良く一緒に勢いよく離れて行く後姿を見送ると、再びタブレットへ目を向ける。

「さぁ、『伐採』、『伐採』っと」

野営地ほどではないけれど、小さいログハウスくらいなら建てられそうなスペースが出来た。

紅葉を中心に、背の高いウッドフェンスでしっかり周囲を囲う。万が一、大柄なオークのような魔物が近づいて来ても、その姿が見えないくらいの高さにした。生きたアレは、早々、遭遇はしたくないから。

出入り口は二カ所。

大本の野営地のある場所の方向と、ユグドラシルへ向かう方向。

「じゃあ、門を作ってしまおうかな」

タブレットでメニューを見ていると。

「五月~!」

子供の姿のノワールが、土埃を巻き上げて物凄いスピードで走ってきた。

――ドラゴンの姿で飛んできた方が、早くない?

そう思った私は、おかしいだろうか(遠い目)。