軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

42.大天使ステラちゃん、選択

「ステラ?」

パパの声に、ハッとした。

なぜだかデイヴィスを見てぼうっとしちゃってたみたい。

そんな私を見て、パパは小さく首を傾げる。

私もパパを見て、同じように首を傾げた。

パパが笑う。

私も笑った。

「ステラ、私やデイヴィス様に分かるよう、“虎さんの隠された秘密”のことを教えてくれるかい?」

「うん、パパ!」

私は元気よくお返事して、それから話し始めた。

パパとデイヴィスがお話をするために場所を移すことになった後に起きたことを。

パパたちがお話をしに行ってしまったあの時、私は二人を待つ時間をどう過ごそうかと、手持ち無沙汰に悩んでいた。

私は、歌を聞いていてくれた子たちを見回して、“鶏とヒヨコ”をしようと思った。

シドたちに教えてもらって、今日初めてやってみてから、私はすっかり“鶏とヒヨコ”の虜だ。

そうして誘おうと思ったんだけど、「ねぇ、みんなで“鶏と」まで言ったところで「本! 本読んで! いいでしょお願い!」「わー僕ステラにご本読んでほしいなあ!」と、私より小さい子たちみんなに囲まれてしまった。

まるで突然スイッチが入ったように、わっと動き出したみんなに驚き、必死にも見えてしまいそうなその様子に、私はよっぽどご本が好きなんだなあと思って「いいよー」とお返事した。

私は、字を読むのはまだ苦手。

でもだからこそ、同い年のソラがいつも読み聞かせをしてあげてることを思い出して、頑張ってみることにした。

絵本のある場所には、私でも読めそうな絵がたくさんのご本が十冊くらい置いてある。

そこにあった本たちを見て、私は喜びの声を上げた。

「すごい! 虎さんのご本が全部ある!」

「ステラも好きなの?」

「好き!」

「面白いよね!」

「うん! 最高なの! 特に三巻の──」

そこまで言ったところで、血相を変えた子どもたちみんなから「ダメ!!」と大絶叫をもらってしまった。

その時は驚き、目をパチクリとしてしまったけど、話を聞けばそれは納得だった。

むしろ、私がお話をしないように止めてくれてよかったとすら思う。

虎さんのご本がシリーズ揃ってここへ来たのは最近で、まだソラの読み聞かせでも二巻の途中までしか進んでいないらしい。

三巻のお話を先に話してしまうところだったことに気づいたとき、私はなんて危険なことをしそうになっていたんだって恐れおののいた。

それから、みんなからの強いリクエストを受けて、ソラが読み聞かせをしていた続き、もう終盤だった二巻の残りを読むことになった。

読み始めてしばらく、私はご本のページをみんなに見えるよう広げたまま、そこに書かれた文章を読み上げていく。

物語終わりのそのページには、光の中、笑顔で立つ虎さんの姿が描かれていた。

『七まおうのぶか、百しょうぐんのひとりをついにうちたおしたトラさん。ネズミさんも、えがおをまんかいにしてトラさんへとかけよります』

私は、すでに何度も読んだことのある二巻のラストを思い出していた。

この先、残りはたった一ページ。

本当に最後のそのページに書かれているのは、虎さんのご本の中でも、とんでもない衝撃の展開だったはずだ。

実際、寝る前にと虎さんのご本を読んでもらっていた当時の私は、初めてそのラストを知ったとき、あまりの衝撃に眠りに落ちかけていた意識がはっきり覚醒してしまった。

続きが気になって寝付けなくなってしまった私に、女性の使用人さんのレイチェルが大急ぎで三巻を持ってきてくれたのを覚えている。

いよいよ最後のページ。

私は震えそうになる手をそっとご本に伸ばし、最後のページをめくった。

全員からの視線が注がれる中、現れた二巻の最終ページには、先ほど百将軍の一人に勝る力を虎さんへと与えた、死んだはずの虎さんのお母さんの姿が描かれている。

添えられた文章は、羽を舞わせ、淡く光る虎さんのお母さんの台詞。

それを、私は自分自身の声で読み上げる。

少しだけ、その声が震えた。

『つぎのあいてはわたしです。いとしいわがこ』

ひゅっ、と、息をのむ音がした。

+ + +

「それでね! 二巻の感想を話し合いながら、続きの三巻を読むかどうかをみんなで話したりしていてね!」

私は、みんなと一緒に、デイヴィスとパパに説明を続けていた。

虎さんのご本を読んだことがないというデイヴィスには、みんなで待ってるから、実際に読んでみてほしいと頼んだ。

そうして虎さんのご本の一・二巻を渡したんだけど、デイヴィスはあっという間に読み終わってしまった。

それには孤児院のみんなも驚く。

私よりも四つ上のデイヴィスは、ご本を読むのがとっても得意みたい。

もしかしたら、お医者の先生にお勉強を習ってご本をたくさん読んでいるダニーよりも、ご本を読むのが速いかもしれない。

虎さんのご本を読んだデイヴィスは「その、なんというか、“多い”ね」と何かに苦笑いしてから、「しかし、とても面白いと思う。僕が子どもの頃読んでいた絵本よりよほど読みごたえがある」と笑顔で言ってくれた。

夢中になるのも当然、とまで言われて、みんなでワッと盛り上がる。

そして、私はデイヴィスすら気づかなかったらしい、私たちが見つけた“核心”を告げることにした。

「……最初に気づいたのはファウストだったの」

ファウスト、の名前にパパとデイヴィスが周囲を見回す。

子どもたちの中、唯一私よりも年上のお兄さんな男の子がすっと手を挙げて自分のことだと主張した。

先ほど、デイヴィスが虎さんのご本を知らないことにざわついたみんなを収めてくれた子だ。

私は、ファウストに発言を譲る。

「ステラに二巻を読んでもらって、三巻も読んでくれると言ってくれたのを、断ったんだ。みんなこの先は、ここまで読んでくれたソラと一緒に見届けたいって」

ファウストは話を進める。

みんな、寝てしまったレミと一緒にいるためにここにはいない、ソラがいるときに一緒に読むと言った。

二巻のラストを知って、その先を我慢できるなんて、なんてすごいんだって、私はとにかくみんなのことを尊敬してしまった。

「そしたら、ステラが、『じゃあ一巻と二巻をもっと読もう!』って言い出して、最初はよくわかんなかったんだけど……」

そう。私は三巻を我慢すると言うみんなを尊敬して、それから提案した。

三巻がまだ読めないなら、もっと二巻までのお話を読んだほうが面白くなるって思ったから。

前に、ご本を読むときに思いついたことを、礼儀作法の家庭教師の先生に伝えて盛り上がったことがあった。

それは、書いていない部分を想像してみる遊び。

はっきりとは書かれていないことを、ご本の世界を想像しながら、きっとこうなんじゃないかって予想するの。

礼儀作法の先生も「行間にこそ、世界観の広がりがあるのですね!」って、そのときとても喜んでくれていたから、きっとみんなも楽しめると思ったんだ。

説明をしていたファウストは、“核心”に迫る。

それを言っていいものか少し悩むように黙り、周囲の子どもたち、そして私へ視線をやった。

私たちは、そんな彼へ自信を持って頷く。

ファウストは、意を決して口を開いた。

「みんなで想像しながら読んでみて、思ったんだ。もしかして、二巻は一巻よりも前のお話なんじゃないかって」

「ふむ」

「ほう」

パパとデイヴィスは、思わずといったように声を上げた。

私も、勢いづいて話を引き継ぐ。

「これ、一巻と二巻に出てきた数字!」

「なるほど、検証もしたんだね」

「そうなのパパ!」

私が数字を書いたメモをパパに差し出すと、パパはそれを左から右へと数度辿って頷いた。

メモには、一巻と二巻に出てきた数字、特に同じ出来事を指して「〇年前」と時期を現すものや、季節やカレンダーの表記を書き出してある。

「……いくつか齟齬がありそうなのが不思議だね」

「そご?」

「食い違いだよ。かみ合わない部分がある」

「そ! そうなのパパ!」

パパのするどい指摘に、私は大きく声を上げた。

まさにその話がしたかったのだ。

周囲の子たちも、メモを数秒見ただけでそれに気づいたパパに、尊敬のまなざしを送っている。

「すげえ」

誰かがこぼした声に、私は誇らしくて嬉しくて、たまらなくなる。

パパ大好きメーター急上昇だ。

「こちらの数字と物語の展開から、一巻より後の時系列のように思えるね。けれどたしかに、他の数字を見ると、二年前、いや、三年前にも見えるな」

パパの考察に、私たちは顔を紅潮させてウンウンとうなずく。

「パパ、私はね、この、百将軍の部下の人のビームで過去に飛ばされたんじゃないかと思うんだけど」

私が気づいた“もしかして”の話を振れば、パパには「それだとこっちで矛盾するだろう?」と優しく指摘された。

それはファウストにも言われたことだった。

それから、私も、ファウストも、パパも、みんなもとにかく盛り上がって、議論を交わした。

デイヴィスは、はっきり書かれていない部分を想像するのが実は苦手だったみたいで、ずっと難しそうに頭をひねって、最後には「修行不足だ」って大きく息をついた。

「なんでも気づいたことでいいんだよう。デイヴィスの言ったことが間違いなら他の子が教えてくれるよ」

「どうやら僕は考え出すと、辻褄が合うまで一人で考える癖があるらしい。それに……」

「それに?」

デイヴィスは難しそうに目をつぶってそう言って、私の顔色を 窺(うかが) うように続けた。

「多くてな、選択肢が」

「多い?」

「国の英雄である騎士が十二人、そして国を代表する賢者が八十八人いるんだろう? そのうえ、魔王が七人、その腹心の部下である将軍が百人、その将軍の部下たちがまだまだいるし──」

デイヴィスの眉毛はハの字だ。

デイヴィスは続ける。

「登場人物紹介ではみんな別の特技があるし、個性も立っているから分からなくなることはないんだが」

苦笑いなデイヴィスに、私は素直に感心した。

「十二騎士も八十八賢者も大魔王のせいでいなくなっちゃったし、七魔王のうちの六人は大魔王に怒られて動けなくなっているから、そんなでもないよう」

「えっ」

デイヴィスは驚いて、それから一巻をもう一度パラパラめくった。

「あ!」

ひとつのページで動きを止めたデイヴィスは、驚いている。

それから、「こんな、大事なことを一ページで……」と力なくつぶやいた。

大魔王が怒って大暴れしたページを読み飛ばしてしまっていたみたい。

デイヴィスはご本を閉じると、すっかり脱力しきって言った。

「突然みんないなくなって、国は立ち行くのか?」

「だから虎さんが頑張ってるのよう」

そうして私が笑うと、デイヴィスも笑った。

+ + +

みんなであーでもないこーでもないって盛り上がって、気づけばずいぶん時間が経っていた。

「坊、そろそろ」

アヤドさんが小声でデイヴィスに声をかけたのは、パパもデイヴィスもみんなも輪になって座って、『虎さんの見る夢の中の出来事説』を唱え始めている最中のことだった。

「もうそんな時間か」

アヤドさんの声にデイヴィスは驚き、それから窓から入る日を見て納得した。

「楽しかった」

「うん、楽しかったね」

デイヴィスが思わずという風に言って、それに私も重ねる。

輪の中からも口々に「楽しかった!」「三巻も楽しみ!」「話し足りない!」ってたくさん声が上がった。

それから、デイヴィスを見送ってから私たちも帰ることになり、相変わらず忙しそうなシスター・ファウスティナさんにご挨拶した。

孤児院の出入り口の扉を開けると、救護院へと続く中庭に、デイヴィスが乗り込むのであろう馬車が乗りつけてあった。

「お馬さんだ!」

私の声に反応して、お馬さんは視線は正面に据えたままにブルッと小さく鳴いてくれた。

前に街で乗った乗り合い馬車のお馬さんより、大人しくって品がある感じだ。

ブン、ブンと振られるしっぽを見ていると、一歩進み出たデイヴィスが振り返って私に向き直った。

「ステラ」

デイヴィスの金の髪が風になびく。

日中は少し暑いくらいだったけど、今はもうお外に立っていても風が気持ちいいくらいだ。

デイヴィスのすぐ隣にいたアヤドさんが、一歩下がる。

まるで私とデイヴィスだけ、二人きりにするように、パパやチャーリーも一歩距離を取ったのが分かった。

「デイヴィス?」

「ステラ、僕と結婚するのは、嫌かい?」

言葉を選ぶように言ったデイヴィスの言葉を、私はすぐには理解できない。

「結婚?」

「そう、結婚」

「パパとママみたいに?」

「そう、ステラのご両親や、うちの両親みたいに。僕とステラがそうなるのは嫌かな?」

言われて、想像してみる。

ママのピアノの発表会で会ったデイヴィスのご両親、バード様とサラ様は、パパとママみたいに、お揃いの輝く指輪を身に着けていた。

二人ともとても上品で、シンプルだけど質のいいスーツとドレスに身を包んでいたのが思い出された。

まるで騎士様のようなバード様と、優し気で上品な、お姫様のようなサラ様。

素敵だと思う。

「私とデイヴィスが、お揃いの指輪をするの?」

「そうだよ。それから、ずっと一緒にいるんだ」

「ずっと、一緒」

結婚っていうのが具体的にどういうものなのか、私はまだ分からない。

けど、デイヴィスとずっと一緒なのは別に嫌じゃないなあと思った。

「嫌じゃないよ」

「本当!? じゃあ、僕と結婚してもいいって思う!?」

デイヴィスは、とっても嬉しそうだ。

こんなに喜んでくれるなら、結婚してもいいかもなあなんて、私が考えていた時だった。

離れていたはずのパパが、隣にいた。

「そうか、ステラはデイヴィス様と結婚したいんだね」

「パパ?」

「素直に、思ったことを言っていいよ」

「……デイヴィスが喜ぶならいいかなって思うかなあ」

言った私に、パパは顎に手をやって何か考えているみたい。

正面にいるデイヴィスがめちゃくちゃ笑顔でパパをじーっと見始めたのが気になったけど、パパの言葉を待つ。

「チャーリー」

「はい」

パパは、突然チャーリーを呼んだ。

パパはチャーリーのいるほうには振り返らず、何かお考え事をするみたいにウーンと言っている。

それから。

「ステラ付きを別の者と交代してもらおうか」

「…………はい」

「え」

どうして。

状況が分からない私を置いて、パパはデイヴィスに話を振る。

「デイヴィス様、大変光栄なお話を、誠にありがとうございます。娘も乗り気ということであれば、こちらとしても願ってもないことでございます。つきましては、貴族令嬢ではない娘に必要な教育を施せる、 女(・) 性(・) の(・) 使用人の手配をお願いいたします」

「随分性急ではあるが、まあ、そう、だな。今後のことを考えても、近く手配はさせてもらうことになるだろうが」

「えっえっ」

置いてきぼりで進み始めた話に、私は慌てた。

後ろを振り返れば、一歩下がったままのチャーリーが両手をこぶしに握り、俯いて立っていた。

うまく声が出ない。

「ちゃ、ちゃーり……」

「お嬢、さま……」

名前を呼ぶと、チャーリーはお顔を上げてくれたけど、その表情はくしゃっとなってて、とっても悲しそう。

最近、大人っぽく見えていたチャーリーだけど、そのお顔はまるで泣きそうな小さな子どもみたいだ。

「えっ、やだ、パパ、なんで」

「ステラ」

私まで、涙声になる。

お鼻の奥がツンとした。

どうして、パパ。

どうして急にチャーリーと一緒にいられなくなるの。

そんな私の気持ちを知っているみたいに、パパは私に話しかける。

目線を合わせるように、パパは片膝をついてしゃがみ、私の目をまっすぐ見た。

「貴族であるデイヴィス様と結婚するというのは、そういうことだ。男性の使用人はいつまでも共にはいられない。将来を考えても、今のうちから女性の使用人に任せることになる」

「それって、それって」

私はうまく言葉が出せない。

パパとチャーリーを交互に見る。

「お、落ち着いて、ステラ」

デイヴィスの声にも、今はお返事できない。

「パパ、だめ、パパ」

「落ち着きなさい、ステラ。まずは考えて。どうしたらいいと思う?」

「……」

ぐるぐると、頭が混乱してうまく考えられない。

えっと、えっとと、何を言うべきかも分からず視線をさまよわせた私はやっぱり、助けを求めて彼を見た。

「ステラお嬢様……」

目が合ったチャーリーの、その声が弱々しくて、今までまとまらなかったはずの頭がパーンと晴れた。

「結婚、しない!」

「ステラ!?」

驚いたデイヴィスが私を呼ぶけど、私は止まらない。

チャーリーに向けていた顔をデイヴィスに向けると、両足で地面に踏ん張る。

両手をグーにして、大きな声で言った。

「やだ! チャーリーと離ればなれになるなら、結婚しない!」

「よく言ったステラ!」

「ゲイリー殿!?」

私はフンッと鼻息荒くすごんだ。

目をこれ以上なく開いたデイヴィスは、お口もパカッと開いている。

パパが後ろから私の脇に両手を差し入れ、ぐいっと持ち上げた。

体ごとぐんっと引き上げられる。

「パパ!」

「ステラ! ああ、私の天使!」

そのままぐるりと回られて、私はパパを下に、お空に飛び立つみたいにキャーって叫ぶ。

良かった、正解だったんだ。

チャーリーと離ればなれになるしかないなら、私はデイヴィスとは結婚したくないもん。

見れば、チャーリーがこちらを見上げていた。

その口は、唇を巻き込むようにギュッと結ばれ、うるうると潤んだ目は力強く、私を見つめている。

「チャーリー!」

パパに持ち上げられたまま、両手をガバっと広げて見せれば。

「お嬢様!」

チャーリーも、声を震わせ、大きく叫んで両手を広げた。

私を持ち上げるパパに、チャーリーの腕の中へと降ろしてもらう。

ギュッと、今までで一番力強く抱きしめられた。

「チャーリー」

苦しいよ、と言おうとして、チャーリーがなにかを堪えるように私の首元に顔をうずめたのを感じて言葉を止めた。

チャーリーは普段よりもずっと体温が高い。

「むぎゅむぎゅだ」

「す、すみませんステラお嬢様」

私の声が詰まるみたいだったからか、強すぎたと気づいたチャーリーは慌てたように顔を上げたけど、私は逆にもっとひっつくみたいに、チャーリーのお顔にすり寄った。

「むぎゅむぎゅだよ〜」

「ステラお嬢様」

チャーリーの声は、泣きそうなままだけど、嬉しそう。

私もとっても幸せ。

そんな私の脇には、ずっとパパの両手が差し入れられたままだった。

時々それに引っ張るように力が入るのも、今の私には気にならない。

その度キュッと、チャーリーが抱きしめる力を強めてくれるのが嬉しかった。

気づけば、デイヴィスたちはすでに馬車に乗りこんでおり、出発するところだった。