作品タイトル不明
183話 精霊王、謝罪する【後編】
「アスナ……知ってたの?」
ルルイエは目を剥く。
そう……彼女はエレンと結ばれ、そして子をなしたのだ。
「ううん。けど……貴女の顔を見ていればわかるわ。母の顔をしている」
エレンとの子を産んだことで、さらに、彼女は他者の命への理解を深めた。
人間というか弱い存在を認めた。
だから謝罪をしたのだ。
「随分赤ちゃんできるの早いのね」
「人間とは色々違うからね」
「そっか。きっと可愛い子ね」
「うん、女の子1人と、男の子3人。皆可愛いよ」
「そ、そっか……」
予想以上に子だくさんであり、アスナは当惑する。
一方でカルラは、ゲラゲラと笑っていた。
「んだよぉ、来るのおっせーなぁって思ったら、やりまくってたのかよ!」
「い、いいじゃないかっ!」
カルラは微笑む。
そして、ルルイエの頭をなでた。
「良かったじゃん」
それは、仲直りできたことや、子供ができたこと。
それらすべてにたいする、褒め言葉だった。
「カルラ……君にも、迷惑かけたね」
「んなもんいちいち気にすんな。あたしら、ダチだろ?」
「……ああ。一番の友達だよ。だから、ここで消えるなんてなしだからね」
ルルイエから力を注がれた結果、カルラは消滅を免れた。
だが、動ける状態ではない。
「あとは僕たちに任せて」
「おう。ぶちかましてこい。てめえの兄貴に」
カルラはグッ、と拳を突き出す。
ルルイエはそこに拳を合わせ、飛び立つ。
いざ向かわん、戦場へ。
愛する夫とともに、愛する人のいるこの世界を、守るため。