軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

成長を実感するルディ

「ふわぁ〜、よく寝れたな〜。左腕が無くなる前の夢を見るなんてな……未練なんか無いと思っていたのにな」

連日のスライム狩りで、俺のレベルは三になっていた。

強さが変わったかはまだ分からないけど、スキル『スライム』に変化があった。

『スライム』

レベル①……スライムを呼べる、一心同体

レベル②……スキル蓄積

そうレベル②が追加されていた。スキル蓄積? 貯めておけるって事だよね。スキルをかな? どーゆー事だろうか。

『スライム』だってスキルだろうに……そしてスキル経験値増加で恩恵があるのは俺だけではなくアオイは、

【名前】アオイ

【レベル】6 ↑3UP

【年齢】1歳

【性別】メス

【種族】不定形族

【職業】ブルースライム

【色】青

【スキル】

・吸収

・分裂

・合体

・収納 【NEW】

・鑑定 【NEW】

やっぱりスキル経験値増加はスキルで呼び出したアオイにも効果があるみたい。

そして収納と鑑定だよ……転生ボーナスの代表的なスキルだよ。俺も欲しかったけど……

アオイに素晴らしいね〜って撫でてあげる。プルルルンと身体を震わせて、

「キュイ、キュイ」

と鳴いてくれた。一心同体で嬉しいって伝わってくるね。可愛いヤツめ〜。

俺もアオイに負けないように今日も特訓だな。

収納や鑑定も試したいし、今日はスライムだけでなく、もうワンランク上のツノウサギをターゲットにしてみようかな……

ツノウサギ……額の中央に十センチぐらいのツノがある。小型犬ぐらいの大きさが一般的な魔物。スライムよりはこのツノがある分、危険度が増す。

ツノウサギは肉は美味しく、ツノは薬の材料になるので売れる。村を出る時の資金稼ぎにもなりそう。

家か、外に出る為にリビングを通らなければならず、そうすると必ずコイツらと顔を合わせるワケで……

「フンッ、なんだいたのか。ウチの面汚しヤローが。お前がスライムなんてスキルだから、俺達がどれだけミジメな思いをしていると思ってやがる」

クソ親父がいきなり殴りかかってきた。おいおい、日本なら虐待で訴えられるぞ。児相さん〜こっちですよ〜。

……とか思えるくらいダメージが無い? イヤ、俺の防御力が上がっているのか?

ふむふむ。と考え込んでいたら……いつもは殴られて泣いていたルディ君が突然考え込むから、マルクスは調子が狂う。

そのまま、何事もなかったかのようにドアノブに手をかけて外に出た。不本意ではあるが防御力や耐久力が上がったのが分かった。コレで、レベル上げがムダではない事がわかったね。殴られたけど、ウキウキしながら森へ向かった。

森はいつもと同じなのだろうが俺の気分が高揚している為だろうか、吹き抜ける風が心地いい。

まるでこの世界に転生して、始めて歓迎されたかのような……

アハハ、自分で言ってて泣けてくるな。

さぁ、それよりも検証してみようかな。俺のスキル『スライム』はスキル蓄積……使い方が分からない。後回しかな。

アオイは収納と鑑定だよ。チートの予感がビンビンする。

その辺に生えている草を収納してみようかな……

「アオイ、その辺りの草を収納してみて」

アオイが自分の周りにある草を、その半透明な身体の中に入れていく。草が生えていた辺りが、まるで削られたかのように無くなっていく。

その姿に感動する……容量までは分からなかったけどアオイの身体の体積よりも多く収納出来た事から、亜空間的な所に収納しているのだろうね。

「アオイ、さっきの草は取り出せる?」

アオイは種類ごとに草を出した……種類ごと? 鑑定で分かったのかな?

やっぱり俺も使いたい……そうだ! 一心同体で俺も使えないかな? 試してみる価値はあるよ。

「アオイ、一心同体だよ」

アオイはミョ〜ンと伸びて俺の無くなってしまった左腕に……アオイが収まった。

そして左腕をゆっくりと草に伸ばす。

草は左腕に触れるとヒューンと無くなる。

「い〜、やったああぁぁ〜〜。収納が俺でも使えた。鑑定は?」

ん〜。良く分からないけど……収納した物が分かる?

アオイの内側に意識を向けると……

雑草……147

薬草……11

毒草……13

と頭の中に浮かんできた。ひょっとして収納した物を鑑定出来るのかな? 多分そうだよね。

一心同体でなら俺もアオイのスキルを使えるんだぁ〜。

これは大きなアドバンテージだよ。

『勇者』よりもスゴイかも……

俺はルンルン気分で、分裂したアオイを肩に乗せて森を歩いていた。魔物が出る森で気を抜いていたんだ。まだ、安全な日本での生活が抜けてなかった。その後悔は後からやって来るワケで……

気がついた時には、俺の右足には直径三センチ程の風穴が空いて血が吹き出した。

「ぐっ、いって〜〜」

そこには今日のターゲットにキメていたツノウサギ。

その頭の中央のツノからは俺の血だろうか、赤い雫が垂れていた。

「っ、コノヤロー」

俺は足を引きずりながら持っていた木の棒で払うが、ツノウサギは横に避けてさらにコチラに突っ込むような格好をした。

……ヤバい!

人間は本能的に頭をかばってしまうのだろう。両手で庇った頭を避けて……ツノウサギが腹に突っ込むのがまるでスローモーションのように庇った手の間から見えていた。

クソッ、油断したばかりに……