軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第074話 クソ! 目線が吸い込まれていく!

俺はその後もフワフワ草を採取し、とりあえず、30個ほどの強化ポーション(防)を作ると、レベル&ランク上げのためにスケルトンを狩ることにした。

そして、スケルトン狩り続け、昼前には昼食を食べるために、ぼろい建物に腰かけた。

「つまんねー……」

今日は沖田君だからエレノアさんのように人に囲まれることはない。

それが良いことだし、気楽にやれるのだが、如何せん、1人がつまらない。

ましてや、相手はスケルトンのみ。

ハイドスケルトンと合わせて、もう何体倒したかもわからない。

「まさかナナポンが恋しくなるとは……」

暗い鉱山の中で見えないスケルトンを狩るのは大変だ。

でも、たとえ、明るい場所で見える敵を倒していたとしても1人では飽きる。

ナナポンとペチャクチャしゃべりながらの冒険がいい。

しかも、スケルトンの剣は5000円なため、モチベーションも上がらない。

もっと言えば、レベルも上がらない。

結論、つまらない。

「5000円をしょぼいと思うくらいになったんだなー」

スケルトンみたいな雑魚で5000円を稼げる。

10体で5万円、50体も倒せば社会人時代の給料だ。

マジでぼろ儲けである。

だが、それをレベル上げの副産物と思えるくらいに稼いでいるのだ。

俺はもうちょっと早く冒険者を始めれば良かったと思いながらランチボックスを取り出し、開けてみる。

中身は昨日食べたピザが数枚入っており、その上には折りたたまれた紙が入っていた。

俺は紙を取り、開けて読んでみる。

【お仕事、頑張ってくださーい】

これがハートマーク付きの可愛らしい文字で書かれていた。

俺は愛妻弁当ってすごいなーと思いながら冷たくなったピザを食べる。

「ナナポンがいれば、温めることができたな」

火魔法で炙ればいい。

今度、やってみようかな?

俺は名案を思いついたと思いながらピザをもぐもぐと食べた。

ピザを食べ終え、スケルトン狩りを再開しようと思い、立ち上がると、前方から三枝さんが1人でこちらに向かって歩いているのが見える。

1人……か?

三枝さんはどう見ても1人だ。

リンさんも他の新人3人も見えない。

俺はどうしたんだろうと思いながらその場で三枝さんを待った。

「やあ、昼食は食べたかい?」

三枝さんは陽気に声をかけてくる。

「ええ、先ほど食べましたね。1人ですか? リンさんや新人は?」

「リンに新人指導を任せてきた。沖田君、ちょっといいかい?」

「いいですよ。何でしょう?」

デートの誘いだったらどうしよう?

「ウチに来ない?」

ん?

ウチ? 家?

マジ?

「いきなりですね……」

「そうかい? まあ、いきなりかもね」

「ちなみに、一人暮らしです?」

「…………ウチって家じゃないよ。カエデにメールしようか?」

げっ!

この人、カエデちゃんの連絡先を知ってんのか!?

「冗談ですよ。ウチってパーティーのことですよね?」

まあ、わかってはいた。

でも、ちょっと期待くらいはしてもいいじゃないか。

「そうだね。どう?」

「三枝さんのパーティーって女子しかいなかったりしません?」

「そうだね。実を言うと、私のパーティーって、サツキ姉さんのパーティーだった人達なんだよ」

「サツキさん? じゃあ、カエデちゃんもいたんです?」

そんなことは聞いていないんだが……

「サツキ姉さんから聞いてないのかい?」

「特には……カエデちゃんからサツキさんが引退した時に一緒に辞めて、ギルドに就職したことは聞いていますけど」

鑑定持ちだったからギルドに就職できたと言っていた。

「カエデは鑑定持ちだったし、戦闘タイプじゃなかったからね。サツキ姉さんと一緒に引退したんだよ。でも、別の人は現役続行を選択した。それで当時、リンとコンビだった私がサツキ姉さんに頼まれてパーティーを引き継いだんだよ」

えー……

「…………それなのに池袋から移籍したんです?」

パーティー丸ごと?

「だね……だからサツキ姉さんがキレた。おかげで顔を合わせられなくなっちゃった」

「移籍の理由はお金?」

「そうだね」

そら、金の亡者って呼ばれるわ。

「サツキさんのパーティーメンバーだった人は何も言わなかったです?」

「揉めたね。義理を通そうと言う人もいた」

「説得したんですか?」

「前に君も言っていたが、冒険者は長くやれる仕事じゃない。稼げるうちに稼がないといけない…………私は今の本部長にヘッドハンティングされてねー。結構なお金をもらっているんだ」

本部長の子飼いなことを自分から言うか……

いや、パーティーに誘っているんだから言うわな。

「それで皆さん、納得されたんですね」

「中にはサツキ姉さんに土下座した子もいるけどね。それでサツキ姉さんが折れた」

ひっでー話。

「ふーん、おかげで池袋ギルドは静かですよ」

俺的にはそっちの方が嬉しいけどね。

「いや、それは私達は関係ない。元からそうだった。サツキ姉さんの前のギルマスが冒険者の取り分を中抜きしててねー。それであそこの信用がなくなった」

そら、あかんわ。

別にどこからでもフロンティアに行けるんだからギルドはどこでもいい。

だったら信用できるところに行くわ。

俺もそれを知っていたら池袋ギルドには行かなかったな。

「なるほどねー。全然、知らなかった」

「カエデやサツキ姉さんに聞いてると思ったんだけどね」

「聞いてませんねー。まあ、言いにくいんでしょうよ」

それを聞いたら俺が移籍するかもしれないし。

まあ、カエデちゃんがいるし、エレノアさんのことがあるから絶対に移籍しないけど。

「かもね。それでどう? ウチに来ない?」

「あなた、またサツキさんにケンカを売るんです? 俺はまだEランクですけど、引き抜きは怒るんじゃないですか?」

「いや、さすがにそれはしない。別に所属が違ってもパーティーは組めるよ。どこからゲートをくぐっても同じところに行けるんだからね。中には北海道と九州で組んでいる人もいるらしいよ」

言われてみれば、そうだな。

遠距離恋愛に便利だわ。

フロンティアデートになるけど。

「ふーん……」

どうしようかねー?

この人のパーティーに入れば、午前中みたいに暇になることはないだろう。

でも、俺はエレノアさんのことがあるし、一応、ナナポンと組んでいる。

うん、ないな。