軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第046話 新居探し

変な2人組にタクシーで攫われた翌日、ナナポンに今後の予定を確認するために電話をした。

その結果、ナナポンが今週は大学に行くと言うので、今週の冒険は休みとなった。

よく考えれば、あいつも大学生だから授業がある。

「あなた、授業をちゃんと受けてる?」

「テストは全部100点ですからね。休めるギリギリまでは休んでます」

これが昨日の電話での会話。

なお、俺がエレノアさんなのはそういう要望があったためだ。

最初は沖田君が電話した。

すると、すぐに『チェンジ! エレノアさんで!』と言われ、電話を切られた。

電話だけでなく、メッセージでも沖田君がやると、これを言う。

多分、俺、あいつに嫌われている。

ちょっとへこんだが、まあ、ちょっとだけ男性不信のナナポンだし、別にいっかと思った。

休みとなった俺は昨日の2人を始め、海外の冒険者や冒険事情について調べていた。

海外にも冒険者ギルドはあり、日本と同様にそこからゲートをくぐり、フロンティアに向かう。

そして、各国ごとに行けるフロンティアの場所は異なっている。

フロンティアは本当に色々な土地があり、砂漠もあれば海岸もあるらしい。

日本を含めた世界各国が借りている土地の面積は相当な広さのようで、フロンティアはかなり大きい惑星と想定されているようだ。

もしくは、フロンティア人の人口が少ない。

真偽は不明だが、色々な予想がされており、見ていると、時間を忘れてしまう。

俺が10年、20年前に学校で習ったことよりもかなり詳しくなっていたのだ。

「うーん、しかし、スキルの習得情報は微妙だなー……」

俺とナナポンはユニークスキルを除けば、スキルを1つしか持っていない。

俺が剣術でナナポンが火魔法だ。

俺達のレベルが低いのもあるだろうが、昨日の2人と比べると、随分と少ない。

さらに言えば、以前、池袋支部に所属している全員のステータスカードを見ているが、俺らと変わらないくらいのレベルでもスキルを3、4つ持っている冒険者もいた。

「今度、ナナポンとやってみるか……」

俺はネットで調べたスキル獲得方法をメモすることにした。

今度の冒険でスキルを獲得できるのかを検証しようと思う。

この日はそういう調べ物などで1日が終わり、ドキドキしながら布団で横になった。

何故なら、翌日はカエデちゃんと新居を探しにいくというデートだからだ。

そして、翌日、俺は昼前になると、準備をし、家を出る。

電車で待ち合わせの練馬駅まで行くと、カエデちゃんがすでに待っていた。

「お待たせー。遅れてごめんね」

俺はカエデちゃんに近づくと、先に来てなかったことを謝る。

「いえいえ。全然待ってませんし、先輩は遠いから仕方がないですよ」

カエデちゃんはまったく気にしてないようで、笑顔で手を横に振った。

「そう? じゃあ、行こうか」

俺はカエデちゃんにそう言って、一緒に駅を出ると、カエデちゃんのおすすめの店に行き、ランチを食べる。

そして、いい時間となったため、不動産屋に向かった。

不動産屋に行くと、この前来た時に対応してくれた人が待っていた。

俺とカエデちゃんはその人が探してくれた物件についての説明を聞く。

「以前はなかったんですが、急遽、キャンセルが出ましてね。こちらならお客様の希望に適うかと思います」

店員さんがそう言って見せてくれたのは3階建てのマンションだった。

ほぼ新築の2LDKであり、写真を見る限り、綺麗だし、立地も悪くない。

家賃は俺の社会人時代の月給が軽く消し飛ぶ値段だが、今は問題ない。

「カエデちゃん、俺は悪くないと思うよ。部屋も広いし」

というか、俺が今住んでいるところと比べると、天と地だ。

「そうですね。あのー、実際に見ることはできます?」

カエデちゃんが店員さんに聞く。

「ええ、大丈夫ですよ。ここから近いですし、今から行きましょうか」

「お願いします」

「わかりました。少々、お待ちください」

店員さんは立ち上がり、奥に引っ込んでいく。

そして、すぐに戻ってきたので不動産屋を出て、マンションに向かった。

道中、説明を聞いたり、雑談をしながら歩いていると、5分程度でマンションに到着した。

俺達は3階の部屋に入ると、カエデちゃんと2人で部屋の間取りを見ていく。

部屋は俺達が希望した2LDKであり、6畳程度の部屋が2部屋と広いリビングがあった。

俺達は各部屋やリビング、キッチン、お風呂等々を見ていく。

「どう?」

俺は1つの部屋の中でクローゼットを見ているカエデちゃんに聞いてみた。

「すごいですね。綺麗だし、私では絶対に住めない部屋です」

カエデちゃんの給料もかなり良いんだろうが、さすがにこのレベルは無理だろう。

「俺は良いと思う。2人ってことを考えれば広すぎず、狭すぎずってところ。それに去年できただけあって、やっぱり綺麗だわ」

「ですよね。立地もいいし、日当たりもいい。ここにします? もう少し、探してみても良いとは思いますけど」

違う不動産屋に行く手もある。

「うーん、俺は早く引っ越したいかな。寒い冬をあそこで過ごしたくない」

別に隙間風があるというわけではないが、なんとなく寒い。

カエデちゃんと温かく過ごしたい。

「そうですねー。先輩の病んだ心を癒すためには早い方が良さそうです。ここにしますか……」

病んだ心はだいぶ癒えたけどね。

やっぱり金とカエデちゃんのおかげ。

「そうしようぜ。ぶっちゃけ、後でどうしても嫌なことがあれば、また考えればいいし」

これが大富豪だ!

「まあ、そうですね。じゃあ、ここにしましょう。ちょっと店員さんに聞いてみます」

カエデちゃんはそう言って、店員さんがいるリビングに向かったため、俺もついていった。

「あのー、ここに決めようかと思うんですけど、いつから住めます?」

カエデちゃんがリビングで待っていた店員さんに聞く。

「空きなんでいつでも大丈夫ですよ」

「じゃあ、ここにします」

「わかりました。では、戻りましょうか」

俺達はマンションを出ると、不動産屋に戻り、詳しい説明や契約をした。

◆◇◆

説明と契約を終え、不動産屋をあとにすると、カエデちゃんと家具を見にいった。

まるで新婚みたいで楽しかったが、ほぼカエデちゃんに丸投げした。

そして、じっくりと家具やらなんやらを選定しているカエデちゃんを見ていると、良い時間になったため、カエデちゃんと飲みにいくことにする。

俺達はカエデちゃんのおすすめの個室がある居酒屋に行き、飲み始めた。

「ここ、美味しいね」

酒の味はわからんが、料理が美味い。

「でしょー。家からも近いし、最近は来てませんが、以前は友達とよく来てました」

ほうほう。

カエデちゃん家はここから近いのか。

「じゃあ、いっぱい飲んで潰れてもいいよ。送っていくから」

「いや、明日も仕事なんでそこまでは飲みませんよ」

そりゃそうか。

今日は有給で休みだけど、明日は仕事に出るよね。

「大変だねー」

「まあ、楽な仕事ですけどね。先輩が来ないと座ってるだけですもん」

そういえば、全然、客がいねーもんな。

「いつもあんな感じ? エレノアさんの影響で増えたりしないの?」

「あー、他所からの移籍の申請が殺到したんで制限がかかりましたね。元々、所属している人達もたまに昼に来られるケースも増えましたが、それでも少ないです」

エレノアさんって人気だなー。

「ふーん、退屈じゃない?」

「正直、そうですね。まあ、最近はオークションのことだったりとやることはあるんで」

そういや、オークションが来週開催される。

楽しみだな。

「高く売れるといいなー」

「ですねー。また、最終日に一緒に見ましょうよ」

「だね。どこにする? 新居?」

新居はいつでも住める。

家具も何もないけど。

「うーん、新居はまだ何もないですしねー。先輩の家にしますか」

カエデちゃんは頑なに自分の家に招いてくれないなー。

もう包丁でテーブルを斬るつもりはないのに。

「まあいいけどね。引っ越しの準備もほとんどないし」

「先輩の家は物がほとんどないですしねー」

「だね。それにアイテム袋に全部入れればいい」

「先輩は無限に作れますからね。家具や家電の処分等を考えなくてもいいのは本当にありがたいです」

新居に住む際、それらを一新することに決めている。

俺達が個人的に持っている物は全部、アイテム袋に入れておく予定。

「カエデちゃんの100キロで足りる? そういうのを入れる用に作ろうか?」

「あー、そうですね。ベッドは今の使ってるやつを使う予定ですが、冷蔵庫や洗濯機なんかを入れておきたいです」

「了解。じゃあ、1000キロを作っておくよ」

1トンも入れられれば十分だろ。

「すごいですねー。予想落札額が7億から8億と予想されている物をポンと作るんですから」

「所詮は輪ゴムが1000個だからね」

「勝ち組ですねー。よっ! フィクサー!」

「わはは!」

俺が自分で言ったんだけど、ホントにフィクサーって何だろうね?

多分、全然、違う気がする。

「先輩は明日以降はどうされるんです? ナナカちゃんとフロンティアです?」

「うんにゃ、あいつは大学に行くらしいから休み。明日はエレノアさんが本部に呼ばれている」

「本部? あー、例のレベル2の回復ポーションですか」

「そうそう。サツキさんが本部長と交渉してこいだって」

昨日の夜に電話があった。

レベル2の回復ポーションは池袋支部では需要がないため、本部で交渉した方が良いらしい。

「先輩! レベル2の回復ポーションの相場は300万円ですけど、400万、500万で交渉ですよ! ホントに希少なんです!」

「それ、サツキさんにも言われたわ」

めっちゃ高いなって思ったが、Aランクはそれでも買うらしい。

「儲けましょう! オークションの成功と共に新居でパーティーです!」

「だねー。高いワインでも買うか」

「先輩、ワインを飲むんです?」

「飲まないね。でも、お祝いだから」

こういう場合はなんとなくワインな気がする。

「まあ、何でもいいですしね」

「そうそう」

2人でも盛り上がれれば何でもいい。

「よーし! 飲むぞー。あ、先輩、おかわりいります?」

「いるいる」

「じゃあ、頼みまーす。先輩もやきとりの数を数えなくなりましたねー」

…………見ないようにしてただけだよ

カエデちゃん、マジで嫌そうなんだもん。