軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第267話 サンドドラゴン

俺は走り出すと、まっすぐリディアちゃんがエアガンで撃ったサンドドラゴンに向かう。

他のサンドドラゴンはまだ丸まったままだし、まずは動き出しているあれを仕留めようと思ったからだ。

サンドドラゴンは完全に俺を認識しており、こちらに向かってきている。

だが、そのスピードは遅く、スケルトンと大差ない。

一方で俺の方は速く、もう10メートル以内にまで近づいてきていた。

すると、サンドドラゴンが口を開ける。

「遅いっ!」

サンドドラゴンが口を開け、タイミングを合わせて、俺に噛みつこうとするが、それよりも速く俺が接近し、飛び上がった。

そして、サンドドラゴンの噛みつきを躱すと同時にサンドドラゴンの首に向かって剣を振る。

手の感触的には確かに硬かったが、鉄をも切れる俺の前には普通のトカゲと変わらない。

俺の剣はサンドドラゴンの首に食い込み、そのまま刎ねた。

サンドドラゴンは首が地面に落ちると同時にどしんと胴体を落とし、そのまま煙となって消えていく。

「雑魚ね、雑魚」

「エ、エ、エレノアさん! こっちに来てるんですけどー!?」

慌てるナナポンの声が聞こえてきたので通路の方を見ると、2匹のサンドドラゴンが通路に向かってゆっくりと進んでいた。

「こら、トカゲ! 私の弟子に近づくんじゃないわよ!」

そう叫ぶと、2匹のサンドドラゴンの動きが止まり、こちらを振り向く。

「おー! さすがは挑発レベル7です!」

リディアちゃんが手を合わせて感心するがレベルを言ってほしくなかった。

「7!? あいつ、バカじゃないの!?」

「そこまで行きましたかー……」

ほら……

「うるさいわね! ほら、雑魚トカゲ、来なさい!」

2匹のトカゲに向かってそう言うと、ばっちしヘイトを買うことができ、トカゲが左右に分かれてこちらに向かってくる。

というか、よく周りを見渡すと、他のトカゲもすべて俺を見ていた。

「数が集まれば勝てると思ってるのかしら? 図体だけで頭の中身は空っぽね」

所詮はトカゲ。

「まだ高みを目指すみたいですね」

「レベル10になりたいんでしょ」

「さすが師匠」

うるせーよ!

何、仲良くなってんだ!

「静かになさい。挑発ではなく、私の華麗なる剣技を見せてあげるわ」

そう言いながら剣を構えた。

そして、1匹のトカゲに向かって駆けていく。

「秘剣、ドラゴン斬り!」

サンドドラゴンに接近すると、今度は大口を開けているサンドドラゴンの横に回り、ドラゴン斬りという名の振り下ろしをお見舞いする。

すると、今度も首が落ち、煙となって消えていった。

「エレノアさん、後ろです!」

ナナポンが教えてくれるが、気配察知のスキルがある俺はわかっている。

その場でくるっと一回転しながら横に剣を振り、サンドドラゴンの口を斬った。

すると、サンドドラゴンが横に顔を仰け反らしたのでガラ空きの首に剣を振る。

またもや、首が落ち、煙となって消えていった。

「エレノアさーん、首を落とすのはやめましょう。怖いでーす」

「師匠、悪い癖が出てますよー」

「あんた、なんでいつも笑うの? 前世は殺人鬼でしょ」

余裕があるのは良いことだが、ありすぎるのも問題だな。

うるせー。

「称賛しなさい、弟子共。何のための弟子なの?」

俺が欲しいのはそっち。

「エレノアさん、かっこいい!」

「師匠すごーい!」

素直にそう言ってりゃいいんだよ。

「え? 弟子の役目ってこれ?」

お前は…………別にいいや。

俺はその後もサンドドラゴンを狩っていく。

もちろん、弟子達の要望に応え、首は刈らずに確実に仕留めていった。

そして、最後の一匹が大口を開けて突っ込んできたので飛び上がって躱し、胴体に剣を突き刺した。

サンドドラゴンは仰け反り、震えていたが、そのままどしんという音と共に地に伏し、煙となって消える。

俺は剣を振り、血を飛ばすと、そのままフードの中にしまった。

「私に勝とうなんざ100年早いわ」

ふっ……

まさかこのセリフを言う日がくることになるとは……

「エレノアさん、つよーい!」

「さすがは我が師! 剣の腕は右に出るものがいませんね。全然、学ぶ気はないですが」

「うーん……前に見た時も強いなと思ったけど、ここまでか……あんなに硬いサンドドラゴンが全部一撃……」

ふはは!

見たか!

これが剣術レベル6だ!

もう7になってもおかしくないだろう!

「ほら、有象無象共、ドロップ品のドラゴンの鱗を拾いなさい。山分けするわよ」

通路の3人にそう言うと、3人はドロップ品であるドラゴンの鱗を集め始める。

俺が上機嫌になっていると、3人がドラゴンの鱗を拾い終え、渡してきた。

「11枚ね。あんたらに2枚ずつあげましょう」

そう言って、一人一人にドラゴンの鱗を2枚ずつ渡していく。

「良いんですか?」

「別にそんなに欲しくないし」

鱗なんかいらんわ。

売ったら金になるかもしれんが、もう金はいらないし、おみやげに皆に配るだけだ。

カエデちゃん、アルク、ミーア、ヨシノさん、サツキさんに渡すから5枚でいい。

「じゃあ、貰います」

「お父様に自慢しよ」

「売ろ。持つべきは友ね」

そうだろう、そうだろう。

あ、ハリーの分……

まあいいか。

今度、すぐ美味しいすごく美味しいラーメンでも渡してやろう。