軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第226話 どの国もユニークスキル持ちを抱えているっぽい ★

魔女の後にゲートをくぐると、そこは草木が生えてない広場だった。

そして、数百メートル先には高い山脈が見えている。

「あれがエメラルダス山脈か…………」

私は高い山脈を眺めながらつぶやく。

「そうよ。あれが今回の商品。あの山とその周囲2キロは好きにしていい。例によって、それ以上はダメ。侵犯は問答無用でゲートを閉じられるわ」

まあ、それはどこのエリアでも同じことだ。

だから冒険者達が勝手に侵犯しないように各国の軍が警備をしている。

「かなり広いな……」

具体的な広さはわからないが、私が知っているエリアの中でも相当、上の方のだろう。

「広さがあるからいいと思うかもだけど、逆に言うと、管理が大変ね。警備隊も相当の数がいるし」

まあ、そうだろうな。

だが、そこに予算をつぎ込んでもおつりがくるだろう。

「ここがセーフティーエリアと考えていいのかね?」

私は後ろを振り向き、ゲートを見上げる。

実はゲートが置かれている場所は極端にモンスターが出ないと言われている。

それゆえにゲート前はセーフティーエリアと呼ばれているのだ。

「王様に聞いたんだけど、ゲートには魔よけ的な効果があるらしいわ。とはいえ、絶対ではないっぽい」

なるほど。

安全な場所にゲートを置いているわけではなく、ゲートを置いた場所が安全になるのか。

「では、モンスターは出ないか……」

見てみたいという気持ちもあるが、身の安全の方が大事だ。

「絶対ではないし、もしかしたら出るかもだけど、このメンツなら問題ないわ。各国の護衛もいるしね」

「どんなモンスターが出るんだ?」

「その辺は他の人達が来たら一緒に説明するわ。いちいち面倒だしね」

「わかった。ボイスレコーダーで録音していいかね? 後で議事録というか、説明資料を作るのに必要なんだが……」

正直、私も歳が歳だし……

「どうぞ。後で言った言わないで揉めるのは嫌だし、きちんとお願いするわ」

「ああ、後日、今日の説明会の議事録と説明資料を送るから確認してくれ」

「はいはい…………さて、そろそろ時間ね」

魔女はスマホで時間を確認すると、ゲートを見る。

すると、ゲートの中から2人の男性が現れた。

「止まりなさい」

魔女が2人の男を止めた。

「な、何かね?」

2人の男のうち、恰幅の良い男性が少し動揺しながら魔女に尋ねる。

「どこの国の人?」

「ドイツだが?」

「ふーん…………」

魔女がリディアという弟子を見た。

「問題ありません。その人は初めてフロンティアに来たようですね。ステータスカードが出てきています」

リディアがそう言うと、皆が恰幅の良い男性を見る。

すると、恰幅の良い男性が自分の後ろを見た。

「おー! これがステータスカードか! どれどれ?」

恰幅の良い男性は上機嫌で自分のステータスカードを見る。

「ほうほう! スキルが3つもあるぞ!」

どうやらスキルがあったらしい。

「大臣、最初から3つあるのはすごいですよ」

どうやら大臣らしい。

「そうかね! いやー、これだけでも来て良かった!」

大臣は本当に嬉しそうだ。

「暗器類もなしか…………大臣さん、悪いけど、あっちの方で待機してもらえるかしら?」

魔女がゲートの右側を指差す。

「ん? そうかね?」

ドイツの大臣とその護衛は素直に聞き、上機嫌で右の方に歩いていった。

「ドイツは問題なしね」

魔女がそう言うと、またもやゲートから2人の男性が出てきた。

「んー? 見たことがあるような、ないような…………」

魔女が首を傾げた。

「エレノア、日本の外務大臣だ。ニュースを見ろ」

桜井が魔女に教える。

「ああ……あの失言する人」

「それそれ」

こいつら、自国の外務大臣に厳しいな。

いや、どこの国民も自国の政治家には厳しいか……

「たいしたことは言ってないぞ」

魔女と桜井の会話を聞いていた外務大臣が文句を言った。

「こら、ダメだわ。反省の色なし」

「総理大臣にはなれそうにないな」

「ホントねー…………リディアちゃん」

魔女が再び、弟子を見る。

「問題ありません」

「よろしい。大臣さん、黙ってあっちに行きなさい」

魔女は今度は左の方向を指差す。

すると、日本の外務大臣は不満そうな顔をしながらも大人しく歩いていく。

その後もそれぞれの国の代表が護衛と共にやってくるが、これまで来た国はルールを犯してはいなかった。

「意外と皆、ルールを守ってくれるのかしら?」

やってきた国の代表が10を超えたあたりで魔女が桜井を見る。

「どうかなー?」

桜井が首を傾げて答えると、次の国の代表がゲートから出てきた。

その国の代表は初老の男性と若い男性の組み合わせだった。

「エレノア様、若い方の男性はユニークスキルである信頼度上昇を持っています」

弟子のリディアが魔女に報告する。

「信頼度上昇? アルク、知ってる?」

「知ってるよ。まあ、そのまんまだね。それを持っていると信頼されやすくなるし、言葉を信じやすくなる。地味だけど、非常に危険で強力なスキルだよ」

これまで一言も発してなかったショートカットの弟子が説明した。

「き、君達は何を言ってるのかね!?」

魔女と弟子達の会話を聞いていた初老の男性が怒った。

だが、私の目から見ても動揺が見える。

「…………エレノアさん、靴に武器も仕込んでます。アウトかと…………」

横川らしき弟子は魔女の背中に隠れ、小声で言った。

「ふーん……」

やはり、こいつら、見えないものが見えている……

おそらく、リディアという弟子が人を鑑定する能力で横川は透視だろう。

「もういいわ。面倒だし、消えてもらいましょう」

「な、何を言って――」

初老の男性が抗議しようと一歩踏み出すと、初老の男性は護衛と思われる男と共に一瞬にして消えた。

「消えた……殺したのかね?」

そんな風に見えないこともない。

「そんな物騒なことをするわけないじゃない。普通にお帰り頂いただけ。元のゲートに戻っているわよ」

そう言われても不気味な魔女なら殺すこともあり得る。

「ならいい…………次が来たぞ」

ゲートに次の国の代表が来たのが見えたので、それを伝えると、魔女と魔女の弟子達がゲートの方を見た。

「エレノア様、またです……」

「ハァ…………退場」

どうやらまたもやユニークスキル持ちが来たらしい。