軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第215話 子供の成長を報告

アルクの転移を使い、フロンティアにやって来ると、そこは前にも来た食堂であり、王様とミーアが立って待っていた。

最初はアルクの部屋か客室だと思っていたので意外に思った。

「あら、こんにちは」

俺は王様に挨拶をする。

「ああ、よく来てくれた。初めての人がいるな。その者がお前の妻か?」

王様が俺の愛する妻(予定)を見た。

「そういうことにしておいて」

正式には違う。

いや、普通に違うか。

「まあよい。さすがに透視持ちの子は無理だが、そうでないなら2人も3人も変わらんからな。だが、他言無用で頼む」

王様がカエデちゃんに言う。

「はい。朝倉カエデと言います。冒険者のエレノアさんやヨシノさんとは違い、ギルドの職員をしています」

「うむ。アルクが世話になったそうで感謝する。また、歓迎しよう」

「こちらこそありがとうございます」

うーん、カエデちゃん、大人ー。

「さて、立ったまま話していると文句を言う魔女がいるからな。座ってくれ。ただ、エレノア、お前は私の部屋に来てほしい」

王様がさり気に俺をディスり、部屋に誘ってくる。

「あなたの部屋?」

「そうだ。少し話がしたい」

話ねー。

アルクのことかな?

「いいでしょう」

「うむ。アルク、ミーア、客人を頼むぞ…………では」

王様がそう指示をすると、一瞬にして、俺の視界が変わった。

さっきまでいた食堂から本棚と机しかない部屋に移動している。

もちろん、この部屋にいるのは俺と王様だけだ。

「ここは?」

相変わらず窓がないし、缶詰部屋っぽい。

「私の執務室だ」

「あなた達って本当にここで生活しているのね」

「もちろん、外に出ることはあるぞ」

そら、そうだろうけど、ほぼもぐらだな。

「まあ、好きにしたらいいわ。それで話って? 納品はいいの?」

「物はアルクに渡しただろう? あとで確認し、確認が終わり次第、代金を払おう。少し時間がかかると思うから今日は滞在していくといい」

まあ、言われるまでもなく、泊まる気満々だったからそれは構わない。

「そうするわ。それで話って?」

「まずはアルクのことを感謝する」

王様が頭を下げた。

「TSポーションのこと?」

「それはもちろんだが、面倒を見てもらって助かっている」

「まあ、お客様だし、弟子だしね」

かわいいもんよ。

「本当に弟子にする気か?」

「別に何かを教えるわけではないわよ。そもそも私は人に何かを教えられるほど賢くないし、アルクには錬金術も剣術も教えられそうにない。ただ、面倒くらいは見るわ。私、子供が好きだし」

あと、恩を売っておきたいし。

「そうか。まあ、好きにしてくれ。アルクとしても今後、どうするかはわからないが、フィーレに知り合いがいるというのは良いことではある」

「そうね。フィーレ人を見極めてちょうだい」

「ロクなのがいないって愚痴ってたぞ」

あのガキはホントにケンカを売ってくるな。

「ちょっと個性的な人が多かっただけよ」

「まあ、そうだろうな。似たような者が集まるのはよくあることだ」

類は友を呼ぶ。

言っておくが、アルクもだぞ。

「一応、テレビやネットを見たり、外に出歩いているからちゃんと視察的なことはしてるわよ」

「そう聞いているが、クソ魔女のせいで話題がそればっかりと言っていたぞ。お前、相当なことをやらかしていたようだな」

「別に物を売っていただけよ。あとは世間が勝手に騒いでいるだけ。まあ、フロンティアのエリアをオークションにかけたのは自分でもやりすぎだなとは思うけど」

どうせ最後だしと思い、はっちゃけちゃった。

「エメラルダス山脈か…………売れそうか?」

「多分ね。でも、一応、借地にしといたわ。くれるって言ってたけど、そっちがいいでしょ」

「まあ、どっちでもいいな。エメラルダス山脈は僻地だし、活用方法がないんだ。フィーレ人が好きそうな鉱物は採れると思うが…………」

こいつらは最悪、ゲートを閉じてさようならすればいいからな。

当分使わない土地はいらないんだろう。

「借地契約は100年ごとに更新っていうことにしてあるから100年後に交渉して」

「私は絶対に生きておらんな。文書にでも残しておき、記録しておこう」

「フロンティア人の寿命は?」

「100年前後だな。記録では150年生きた人間もいたらしいが、例外だ」

150年はすごいけど、俺らと変わらんな。

「ふーん、一緒ね」

「我々に大きな違いはないからな」

同じ人なのだろうか?

「まあいいや。エメラルダス山脈の件はオークションの準備を進め中だから決まったら報告するわ」

「わかった。それと性転換ポーションの件なんだが…………」

王様が言い淀む。

「何? どうしたの?」

「アルクはこっちでは男子として過ごし、フィーレでは女子で過ごすと言っていたんだが、女子のままだなと思ってな。やはり性別を変えるのに抵抗があるのだろうか?」

あっ……

「王様、アルクはあれでも変わっているらしいわよ」

「ん? まったく変わっているようには見えんが?」

そこは完全に同意。

「私の目の前でTSポーションを飲んだけど、まったく変わっていなかったわ。でも、アルクは変わったと言っていた。まあ、本人はわかるわよね。明らかに今までなかったものが下半身にあるんだから」

俺はなくなった!

「そうなのか…………わからん。しかし、お前は別人と思うくらいに変わっているだろう」

「それなんだけど、私の考察では本人の願望が反映されるんじゃないかと思っている。私は沖田君から離れた人物になりたかったし、アルクはあまり変わらないでほしいと願った」

「なるほど…………確かにありえるな」

王様が考え込みながら頷く。

「王様も飲んでみる?」

「いやいい。正直、自分の女の姿を想像できんし、抵抗がある」

どいつもこいつも嫌がるな。

まったく抵抗なく飲んだ俺が変人みたいじゃないか。

「とにかく、アルクは男の子になっているらしいわよ」

「うーむ、親だが、まったくわからんな」

「それは私も思うわ。だから確認しようと思ったんだけど、嫌がられちゃった」

「ん?」

王様の動きが止まった。

「ん?」

どうしたの?

「いや待て。確認ってなんだ?」

「そりゃ、ちゃんと変わったかの確認よ。アルクに配慮して他の人に外してもらったから剥こうかと思ったんだけど、めちゃくちゃ抵抗された」

「お前、配慮っていう意味を知らんのか? アルクは一応、女子だぞ」

「男になったわよ」

いや、待て。

だからか…………

あの時、俺はエレノアさんだった。

同性の沖田君の方が良かったかもしれん

確かにうぶな男の子が美人なお姉さんに剥こうとされたら抵抗するか…………いや、するか?

しなくね?

「思春期だからなー……」

「ユニークスキル持ちは怖いな…………アルクがクソ魔女呼ばわりしてることも頷ける」

クソだなんて下品な王女(子)様だよ、ホント。

「まあ、私のことは置いておいても、あれでも変わっているらしいから変にツッコんじゃダメよ」

「そんなことはせんわ。お前も親になればわかるが、あのぐらいの年頃は難しいんだ」

覚えておこう。

俺、子供が欲しいし。