軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第205話 ホントは黒///

カエデちゃんとアルクが風呂場に行ったので、俺は一度、自室に戻り、服を脱いでエレノアさんにチェンジした。

そして、ジャージを着ると、リビングに戻り、スマホを取り出す。

すると、タイミングよくクレアからの着信が来ていた。

「あなたねー、少しは待ちなさいよ。しつこいっての」

ナナポンもだったが、出ないんだったら折り返しを待てよ。

『いや! それどころじゃなくない!? あなた、何をしてんのよ!?』

クレアのうるさい声がスマホから聞こえてくる。

「いつものあっと驚くオークションじゃないの」

『限度ってもんがあるでしょうが! おかげでプレジデントから直で電話がかかってきたわよ!』

相変わらず、働き者のフレンドだぜ。

「私ももう少し、時間をかけてオークションを開催する予定だったんだけど、私とフロンティアのことがリークされちゃったんだもん。予定を前倒ししたの」

『その辺を詳しく聞きたいわね。前にあなたが言っていた黄金を見せてやるってこれのこと?』

ん?

「いつ言ったっけ?」

『ほら、地下遺跡がどうちゃらこうちゃら言ってたじゃない』

あー、金の延べ棒のことか。

「それは別。地下遺跡にある金の延べ棒を取りに行ったの」

『金の延べ棒!? 何よそれ!?』

「落ちてたから拾っただけ。悪いけど、これはあなたには売れないわ。ギルドに売ることになってる。あと、私の観賞用」

カエデちゃんとワイングラスを手に鑑賞しながら飲むのだ。

『金なんか私の店じゃ売れないわよ! クソッ! 無理やりにでもついていけばよかったわ』

いや、無理だろ。

さすがに外国人は例の調査は参加できない。

「まあ、金の延べ棒はどうでもいいのよ。あなた達が聞きたいのはフロンティアのエリアでしょ?」

『そうよ! それ! どうなってんの!?』

「王様にもらった」

『…………ねえ、あなたって本当にフロンティアの王女じゃないわよね?』

さっきまでまくし立てていたクレアが低いトーンで聞いてくる。

「違うわよ。私がそう思われているって本物の王女様に言ったらめちゃくちゃ嫌な顔をされたわ」

アルクめ!

『は? 王女様?』

「フロンティアで王族に会ったからね」

今も俺の家にいるよ。

『なんで!?』

「色々とあったのよ。詳しくは言えないわねー。まあ、色々あって、フロンティアのエリアをもらった」

『そんなに簡単にくれるもんじゃなくない!?』

簡単ではなかったからだよ。

王族の大事だもん。

「別にその辺はいいじゃないの。言えるのは本物のフロンティアのエリアよ。金やレアメタル、他にも色々採掘できるらしいからオークションに参加するように私の友達に言っといて」

『本当にオークションをやるつもり?』

「そっちの方が高くなるもの」

『とんでもない額になるわよ』

「ありがたいわー」

世界一の金持ちになれそうだ。

『ウチに売る気はない?』

「同じことを他の国も言いそうねー」

日本は言うだろうな。

『まあ、わかってたことだけど、ダメなようね』

そら、そうだろ。

抜け駆けは良くない。

「最悪は売ってあげるわー。オークションがダメになるとかねー」

『絶対に開催されるわね。問題は方法』

「その辺は今後ね」

『あと、あなたに確認しておきたいんだけど、会見で言っていた最後のオークションっていうのは?』

やはりクレアはその辺が気になるか。

「少し、目立ちすぎたようだし、当分は雲隠れするってこと。でも、安心しなさい。あなたとの契約は続けるし、ちゃんとポーションやアイテム袋の売買は任せるから」

『それを聞いて安心したわ。あなたが完全に消えると思ったもの。プレジデントなんかはフロンティアに帰る気かって言ってたわ』

「あんなところは嫌ね。というか、フロンティア人じゃないっての」

クレアには正直に言っているというのにまったく信じてくれない。

『まあ、その辺はいいわ。とにかく、私としてはこれ以降も回復ポーションやアイテム袋の売買が行われるのなら問題ない』

「じゃあ、いいわね。あとは国の問題。ロシアや中国、ゲートを閉じられた国に負けないように頑張んなさい」

『プレジデントにそう伝えておくわ』

そうしなさい。

「じゃあ、切るわよ。一応、電話をかけてもいいけど、折り返しを待ちなさいね。うざいから」

『ちょっと待って! 最後に一つだけ』

まだあんのかい……

「何よ? 今日のパンツは白よ」

『あんたのパンツの色なんか興味ないわ!』

冗談も通じないな。

「じゃあ、何よ?」

『もし、オークションをウチの国が落札したとして、そのゲートをウチの国だけでなく、他所の国にも繋げることはできるかしら?』

よー、そんなことを考えるな。

要は共同借地を考えているわけだ。

「なーに? どっかの同盟国と共有するつもり?」

『あくまでも可能性の話よ』

「うーん、まあいっかー…………私としてはお金が入ればいいわけだし。でも、ケンカになるわよ」

『その辺は上手くやる自信があるんじゃない? ベストフレンドは文句を言ってこないし』

こりゃ、日本だな。

「お好きにどうぞ。お友達っていい言葉ね」

『本当にそうよ。というわけでこの話は聞かなかったことにしてね、マイフレンド』

この方法を他所の国には言うなってことか。

「いいけど、私の友達に伝えてくれる? 明日にでもオークションの参加を表明するようにって。あと、ギルドが認めないならアメリカ主催でのオークションを許可するって」

『ギルドへの圧力ね?』

「そんなところ。遅くなるのは嫌よ」

絶対に協議で長引く。

めんどくせーわ。

『了解』

「じゃあ、お願い。私は寝るわ。ぐっなーい」

『相変わらず、下手くそな英語ね』

「うっさい」

俺は電話を切った。

「終わりました?」

声をした方を振り向くと、カエデちゃんが立っていた。

「うん。アルクは風呂?」

「はい。はしゃいでいました」

子供だなー。

まあ、俺とヨシノさんもあっちに行った時ははしゃいでいたけど。

「アルクが上がったらカエデちゃんが入ってよ。俺はちょっとポーションを作る」

持ち越しとなった王様からの依頼品を用意しないといけない。

「わかりました。じゃあ、お先にいただきます」

「んー。上がったら教えて」

俺はそう言うと、立ち上がり、ポーションを作るために自室に戻った。