軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第123話 お休みの日は実験!

俺は生命の水のことをカエデちゃんに報告し終えたので次の話題に進むことにした。

「じゃあ、カエデちゃん、お楽しみの実験の時間だよ」

「実験?」

「じゃーん!」

俺はソファーに置いておいたカバンからポーションを取り出す。

「ポーション? でも、赤いですね? 初めて見ます」

まあ、昨日の夜に作ったばかりだしね。

「これは攻撃力が上がる強化ポーションなのだ!」

「へー……ってことはキラキラ草が見つかったんですか?」

「そうそう。リンさんに教えてもらったんだけど、ミレイユ街道に普通に生えてた。何でも朝しか見つからないらしい」

「朝顔みたいなものですかね?」

…………朝顔ってそういうものなの?

花はわかんない。

「まあ、そんな感じかな? それでサラサラ草は夜に生えるらしい」

「フロンティアはさっきの煙になることといい、よくわからないことが多いですよね」

それは今さらだろう。

俺的にはレベルだったり、スキルだったりがよくわからん。

もっと言えば、ステータスカードって何だよ……

「その辺は考えても仕方がないだろうね。それよりさ、採取の依頼はできる?」

「キラキラ草は大丈夫だとは思いますが、サラサラ草は情報が少ないですね…………一応、出してはみますよ。ただ、お金はかかるかもです」

キラキラ草は目立つし、採取してくれるかもだけど、サラサラ草は微妙だなー。

夜だし、特徴がわかんないもん。

「お金はいくらかかってもいいよ。とにかく、出してみて」

「了解です」

強化ポーションは売りものじゃなくて保険だし、入手できればでいいかもしれない。

ナナポンのために万が一を考えてのことだし、危険を犯すようなことをしなければいい。

「では、攻撃力が上がるというこの強化ポーションを試してみようか」

「どうするんです?」

「カエデちゃん、俺を引っぱたいてみようか」

「えー……先輩をですかー?」

カエデちゃんはやっぱり嫌そうだ。

「じゃあ、シチュエーションを足そうか」

「シチュエーション? 先輩が痴漢でもするんですか?」

なんでやねん…………と言えない。

おもっきし、そう思っていたからだ。

「いいから普通に叩いてみてよ」

「あ、この人、マジで痴漢する気だったんだ」

こらこらー。

「日頃のストレスをぶつけてよ。あ、俺じゃなくて仕事ね」

「先輩の変態って言って、叩こうかと思ってたんですけど…………」

否定できないのが悔しいぜ。

「なんでもいいから叩いてみてよ」

「じゃあ、えいっ」

えいっというかわいい声とは裏腹に結構な力で頬をぶたれた……

親父にも…………いや、殴られたことあるわ。

「ちょっと痛いけど、まあいいか…………じゃあ、カエデちゃん、これを飲んで」

俺はカエデちゃんに強化ポーション(力)を渡す。

「先輩を叩くのは気が引けるなー……」

「大丈夫だよ。そんなに嫌じゃないから」

「引くわー。気じゃなくて先輩に引くわー」

そういう意味じゃねーよ。

「悪意がないから大丈夫って意味だよ!」

「さっきの痴漢のくだりがなかったらそのまま飲み込めるんですけどねー」

カエデちゃんはそう言いながら強化ポーション(力)をごくごくと飲む。

「今日はカエデちゃんからの評価が下がる日だわ」

「大丈夫ですよ。まったく下がってませんので」

それは良い意味かい?

悪い意味かい?

「よーし! カエデちゃん、さっきと同じくらいで頼む」

「えーっと、このくらいかな? えいっ」

またしてもカエデちゃんがかわいい声と共に殴ってきたが、さっきと変わらない気がした。

どっちも微妙に痛いだけだ。

「あれー?」

「どうでした?」

「よくわかんない」

「ハァ? 殴り損ですか?」

いや、俺の殴られ損だよ。

「うーん、防御力アップのポーションが攻撃に反応したからこれもかと思ったんだけど、違うのかな?」

「計測できればいいんですけどね」

「そうだねー。じゃあ、これを使うか……」

俺はカバンから事前に用意しておいた握力計を取り出した。

「最初からそれを使えばいいじゃないですか……」

「実験だから。他にも鉄アレイとかある」

「ふーん」

「じゃあ、まずは握ってみるわ」

俺は右手で握力計をギューッと握る。

「んー! んー!! んー?」

「そんなに頑張らなくてもいいですよ」

「いや、まだいけるって」

「先輩、そういうところですよ。あなたの握力がいくらだろうと、私の好感度は上下しません」

じゃあ、もういいや。

「えーっと、60キロか…………今思ったらこれが高いのか低いのかがわからん」

「高いんじゃないです? すごいですね」

うーん、ホントに好感度が上下してない……

力なんかどうでも良さそうだ。

「ちなみに、カエデちゃんも握ってみてよ」

俺は握力計をカエデちゃんに渡す。

「どれどれ……いきまーす! んー! んー!!」

カエデちゃんはかわいい声を出しながら握力計をギューッと握っている。

「そんなに頑張らなくてもいいって」

「いや、まだいけます! これからです!」

カエデちゃんの握力とかどうでもいいんだけどな。

ああ、さっきのカエデちゃんの気持ちはこれか……

「もういいんじゃね? 女の子は弱い方がモテるよ」

「じゃあ、やめます」

カエデちゃんはあっさり力を込めるをやめた。

「えーっと、33キロですね。先輩の半分です」

「男女の差かね?」

「さあ? というか、私は強化ポーションを飲んでいますからね。よくわかりません」

まあね。

「じゃあ、次は俺が飲んでからやってみるわ」

俺はカバンから強化ポーション(力)を取り出し、ゴクゴクと一気飲みする。

「よーし! 俺の真のパワーを見せてやるぜ」

「ドーピングですからものすごくかっこわるいセリフになってますね」

ホントだわ。

だっせー……

「いくぞー! えーい!」

俺は先ほどと同様に全力で握力計を握っていく。

「先輩、がんばれー」

俺はカエデちゃんの応援を力にし、握力計を握ると、限界がきたので離した。

「あー、疲れた。えーっと、66キロか……6キロ増えたな」

「1割ってところでしょうか?」

1割、か……

微妙だなー。

「ないよりかはマシかね?」

「よくわかんないです」

まあ、少なくともナナポンにはいらないだろう。

「とりあえず、冒険の時に飲んでおくわ」

「防御力アップポーションは飲むんでしょうし、そこに攻撃力アップポーションも飲んだらお腹がタプタプになりません?」

なるね。

「強敵の時に使うか……」

ボスっているのかね?

いても危ないから戦わないと思うけど。

「依頼はどうします?」

「一応、おねがい。何があるかわかんないし」

アイテム袋があるから保存には困らないし、一応、作っておこうかね。

「了解です。明日、依頼を出しておきますよ…………あー、仕事辞めたい」

気持ちはものすごくわかるわ。

「辞めてもいいよ?」

「少なくとも、先輩が冒険者を辞める時までは続けます。心配なんで」

愛だね。

これが愛だね。

「…………不安とも言います」

愛?

お母さんの愛みたいだな……