軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第57話 三者三様

モアフルの初収穫から約二週間が経った。

この二週間はかなり激動の二週間であり、私もシーラさんも一番働いた二週間だったと思う。

何があったのかを説明する前に、まずはシーアステラとブライトボイスの売却額についてが先だろう。

ピンクっぽい色をしたシーアステラは、実るまでに6日かかり利益は45NP。

モアフルよりも実るまで1日長いのに、利益が5NPしか変わらないのは魅力に大きく欠ける。

実自体が唐辛子ほどと小さいため、収穫が楽という利点もあるのだけど……モアフルでいいというのが今の結論。

そして、色々と問題なのがブライトボイス。

実るまでシーアステラと同じく6日もかかるのに、利益は38NPとモアフルよりも低いのだ。

更に実自体も栗のようにトゲトゲしていて、収穫がしづらいという散々な作物。

……ただ、モアフルもシーアステラも根菜ではないため、害虫や鳥からの被害が結構出てしまっている。

私とシーラさんがこの二週間忙しかったのも、この害虫、害鳥対策に追われていたせいであり、色々な策を施してきたけど効果はあまりなかった。

そして、そこで重要になってくるのが、ブライトボイスの収穫しづらいトゲトゲとした実の形状。

この実のお陰で、害鳥はもちろん害虫も近寄らないため、被害がほぼゼロで収穫できるという大きな利点があるのだ。

私も最初は二度と育てることはないと思っていたのだけど、被害を抑えられていない今ではかなり心が揺らいでいる状態。

害虫、害鳥対策を行うのを諦めるのであれば、正直育てるのはブライトボイス一択になるだろう。

「佐藤さん……。カカシも効果がありませんでした」

私が頭を悩ませている中、外から戻ってきたシーラさんが落ち込んだ声音でそう報告してきた。

荒らしにくる鳥に模したカカシを作ったんだけど、それも効果なしだったか。

「試せることは試しましたが駄目でしたか。悔しいですが、今はブライトボイスを育てるしかなさそうですね」

「あー……本当に悔しいです! ここまで順調だっただけに、手詰まるのがこんなに悔しいとは思ってみませんでした」

「私も同じく悔しいですね。絶対にリベンジはしましょう」

当面の目標はブライトボイスを育ててNPを貯め、害鳥対策となる魔物を仲間にする。

人手を増やしたいと思っていたけど、それよりも先に対策するべきことができてしまった。

目先だけを考えるなら必要ないかもしれないけど、先を見据えた場合は絶対に直面する壁なのは間違いない。

どうせ対策しなくてはならないのであれば、早めに対策するに越したことはないからな。

「それにしても……利益がでないのに育てる人なんかいないと思っていましたが、ちゃんと考えられていたのですね」

「私も二度と育てないと思っていました。手のひらの上で転がされている感じがして、少し悔しいです」

「ふふ、完全に思惑通りに動かされていますね。悔しいですが、この悔しさも楽しいです」

シーラさんの言わんとすることも分かる。

順調なのも楽しかったけど、試行錯誤していたこの二週間も本当に楽しかった。

これが成功していれば、もっと楽しかったのは間違いないと思うけど。

「この悔しさを糧に頑張りましょう。あと、害獣、害虫対策として、新たに従魔を増やそうと思っているので、よければまた相談に乗ってくれますか?」

「もちろんです。私も色々と候補を考えておきますね」

「ありがとうございます。よろしくお願いします」

こうして、今後の方針はブライトボイスを育てる――で決まった。

色々と悔しさも残る結果だったけど、この悔しさのお陰で更に頑張れる気がする。

後はシーラさんと相談しつつ、害虫と害鳥の対策できる魔物を探しも近々行わないといけない。

害虫に関しては農薬を使えれば、一発で解決すると思うんだけど……。

農薬を購入するのに、かなりの費用がかかってしまうからな。

値段が約30倍なのが非常に厄介で、この部分も含めて本当に考えられた能力だと私は改めて感じたのだった。