軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第55話 ライムの友達

農業を再開し、徐々に体も農作業に慣れ始めてきたある日の朝。

朝食後に体を擦りながら、外に出ると外にライムと……見知らぬスライムが3体跳ねていた。

一瞬、ライムが襲われているのかと思ったが、どうやらそんな感じではない。

どちらかというと、ライムの真似をして跳ねているようにも見えるし、もしかしたらライムの友達なのかもしれない。

従魔ではない魔物は人間を見るなり襲い掛かってくるというし、実際に裏山やダンジョンで出会った魔物は息をつく暇もなく襲い掛かってきた。

そのため、できれば野生の魔物を連れてきて欲しくないのだけど……ライムも友達が欲しいだろうし、無暗に反対するのは可哀想と思ってしまう。

私とシーラさんを見て、問答無用で襲い掛かってきたらお帰り頂いて、ライムにはなるべく敷地の外で会うように言いつけよう。

そう心の中で決めてから、私はゆっくりとライムとライムの近くにいる3匹のスライムに近づいた。

「ライム、そのスライムは友達ですか?」

私がそう声を掛けると、スライムは一斉に跳ねるのを止めて臨戦態勢を取った。

シーラさんも有無を言わずに拳を構え、完全にやる気満々である。

「シーラさん、手は出さないでください。向こうも襲いかかってきている訳ではありませんので」

「分かりました。ただ、攻撃してきたら殺さない程度に反撃はします」

「……はい。お願い致します」

ライムも臨戦態勢を取ったスライムたちを宥めているようで、何やら会話をしているようにも見える。

もちろん私達が理解できる言葉ではないため、何を伝えているのか分からないけど。

「あっ、スライムたちが戦う姿勢を取るのを止めましたね。ライムが何か言ったんでしょうか?」

「……私にもちょっと分かりません。野生の魔物が攻撃してこないなんて、初めての経験ですので」

「シーラさんでも初めてなんですか。従えているようにも見えますし、ライムがこのスライムたちの上に立っているということかもしれませんね」

ダークスライムに進化しているし、進化してからもかなりの数の魔力塊を食べている。

それに模擬戦で強さを見せたのはもちろん、ダンジョンでも大活躍だったし、いつの間にかに野生のスライムたちから慕われる存在になったのかもしれない。

「落ち着いてくれたみたいで良かったです。それで……ライムはそのスライムたちをどうしたいのですか?」

私はライムにそう問いかけると、体をプルプルとさせながらついてきてと言わんばかりにどこかへ向かい始めた。

ライムが向かった先は、農地にしている平原の先にある川。

裏山から流れ出ている小川で、ライムのアクションを見ていると、どうやら三匹のスライムたちはこの小川で暮らしていたらしい。

小川の近くには穴のようなものも掘られており、夜はあの穴をねぐらにしていた様子。

「ここで暮らしているところを偶然ライムが見かけて知り合った――って感じででしょうか? ……まだ要領が見えないのですが、ライムはその3匹のスライムと一緒に暮らしたいということですか?」

私の問い掛けに体を上下に揺らして、ライムはイエスの返答をしてきた。

最初の感じからしても、トラブルが起こりそうな感じがして本心は嫌なのだが、ライムの意思も無碍にはできない。

スライムならば何かあれば対処できるだろうし、ここは受け入れてあげようか。

「……分かりました。その代わり、スライムたちの面倒はライムがしっかりと見て下さいね。何か問題を起こしましたら、すぐに追い出しますから」

激しく体を振り、喜びを全面的に表しているライム。

スライムたちもライムから話を聞いたのか、私とシーラさんに何度も頭を下げるように体を揺らしている。

「無害っぽくはありますが……佐藤さん、受け入れて大丈夫だったのですか?」

「そこはライムを信じます。でも、襲ってきた場合はシーラさんが守ってくれますか?」

「もちろんです。私がお守りします」

「ありがとうございます。なら大丈夫だと思います」

こうして急なことではあったけど、新たに3匹のスライムが仲間に加わった。

私の従魔になった――ということではなさそうだけど、私の従魔のライムの下につくって感じのため、実質的に従魔が増えたと思っていいはず。

それに、ゴミを処理してくれる魔物を近々増やしたいとも考えていたところだったし、タイミング的にはバッチリと言える。

とりあえず……このスライムたちとも仲良くしていけたらいいな。