軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第485話 ぼろが出る

確信に迫ってもはぐらかされるだけなのは目に見えているため、雑談ベースでナハスさんと話そう。

自ら遊びに来てくれたと言ってくれたわけだしね。

「そうだったんですか? ナハスさんは仮装パーティーについてをどこで知ったんでしょうか?」

「え? えーっと……噂?」

「噂ですか? 天使界でも噂になっていたんですか?」

「そ、そうだ! 噂を聞いて面白そうだと思った」

「それで参加してくれようと思ったんですね。来てくださって、ありがとうございます。ちなみにですが、他の噂はありましたか?」

「他は特にない! 仮装パーティーだけだ」

「ん? 黙っていようと思ったが、色々とおかしいな! 佐藤のところの仮装パーティーは聞いたことがなかったが、他の祭りのことは我の耳にも届いておったぞ」

ナハスさんに色々と質問をしていたところ、発言に引っかかったのであろうクリカラさんが突っ込んでくれた。

ボロを出しまくりとはいえ、ありがたすぎるアシスト。

爽やかな天使の男性も非常に渋い表情になっている。

「天使は仮装が好きなのですよ。それで、仮装パーティーについては噂になるんです。――ですよね? ナハスさん」

「あ、ああ。そうだ!」

「うーん……。仮装が好きという割には、ナハスさんは仮装をしていなかったと記憶しているんですが……」

「そ、それは…………。あ、あのときは――。……あー、もうめんどくさい!! ヴェレスのことを調べに行ってたに決まってんだろ!」

無理な言い訳を考えるのがめんどうくさくなったのか、怒鳴りながら投げやりにそう答えたナハスさん。

そして、ベランダへとドカドカと歩くと、外に出て葉巻を吸い始めた。

爽やかな天使の男性はベランダへ出たナハスさんを睨みつつも、呆れた表情で頭を抱えている。

「はぁー。戦闘能力が高いとはいえ、これだからナハスを連れてくるのは嫌だったのです」

「ということは、ナハスさんの言っていたことは本当ですか?」

「ええ。まぁ佐藤さんもお気づきになられていたでしょう? バレてしまったら誤魔化しようがありませんね。……私の名前はハラリエルと申します。何でも聞いてください」

「ハラリエルさんですね。何でも答えてもらえるんですか?」

「ええ。さすがに倶利伽羅龍王は敵に回せませんから」

クリカラさんがいなければ、すぐにでも攻撃してきそうな表情であり、少し背筋が寒くなったけど……。

逆を言えば、この状況であれば安全かつ情報も貰えるということ。

「そういうことであれば、遠慮なく聞かせてもらいます。ヴェレスさんを抹消するために動いているんですか?」

「ええ、数日後にでも先遣隊を送る予定でした。ただ、ヴェレスの力を図る目的なので、被害を出すつもりはありませんでしたよ」

「やはりそうだったんですね。先遣隊を送ることをやめるのは不可能なのですか?」

「いえ。もう送るつもりはありません」

開き直った態度もあったため、ダメ元で尋ねてみたのだが、返ってきたのは意外な言葉だった。

「えっ? 送らずにいてくれるんですか?」

「倶利伽羅龍王を出されては簡単に手出しできませんので。さすがにヴェレスと龍族を同時に敵に回すほどアホではありませんよ。……ただ、先遣隊を送らないだけであり、ヴェレス抹消の計画がなくなったわけではありませんので」

「そういうことですか。少し先送りになっただけなんですね。……なら、もう一つ聞かせてください。ヴェレスさんを抹消する理由というのは、同族を殺した罪からですか?」

「いえ、違いますよ。同族殺しの罪に対する処罰は、追放という形で済んでいます。今回抹消することが決まったのは、怪しい動きを見せ、天使に仇なすと判断したためです」

正直、同族殺しによる罪で動いているのだとしたら、私にはヴェレスさんを逃がすことしかできなかったけど……。

天使に仇なす危険性ありと捉えられて動こうとしているのであれば、説得のしようはある。

「そのことでしたら、最初にも言いましたが誤解なんです。ヴェレスさんに危険はないということを伝えるため、今回こうして話し合いの場を設けさせてもらったんですよ」

「倶利伽羅龍王に一目置かれているということも含め、佐藤さんの言っていることを信じないということではないのですが……残念ながら、他の天使族を説得するに足るほどの理由にはなっていませんね」

「うーん……。一度会っていただければ、ヴェレスさんが危険ではないことは分かってもらえると思います。信じられないというのであれば、ヴェレスさんも交えた話し合いの場を設けさせてくれませんか?」

今のヴェレスさんが危険ではないことは、会ってもらえたら分かるはず。

正直、ヴェレスさんは強すぎるくらいだし、私としては天使族にも無駄な怪我人や死者は出てほしくないと思っているからね。