軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第45話 冬到来

二週間とちょっとが経った頃、辺り一帯に雪が積もり始めた。

ライムもマッシュも基本的に外で眠っていたのだが、雪が降り始めてからは流石に寒さに堪えたのか、別荘の中に入って生活をしている。

魔物を中に入れていいのかという問題は気になるものの、特に汚すわけでもないし大丈夫……なはず。

「佐藤さん、とうとう本格的に降り始めてしまいましたね。昨日の内に植えていた野菜は収穫し終えていますが……やはり今日から数ヶ月間は農業を行えないとなると寂しいです」

「確かにそうですね。完全に日常の一部になっていましたし、私も寂しい気持ちが強いです」

「なにより暇になりますもんね。ダンジョンへはいつ向かうのですか?」

「蓮さん達が迎えに来る手筈となっていまして、いつ来るかまでは分からない状態です」

「それまでは完全に暇ってことですか。この雪では裏山にも行けませんもんね。ちなみにですが、この期間は何をしていてもいいのですか?」

シーラさんは何かやりたいことでもあるのだろうか。

何もやることがないのであれば、新しいボードゲームでも購入しようと思っていたのだけど……無理に付き合わせたくはない。

「もちろんです。シーラさんは何をするんですか?」

「私はダンジョン攻略に向けて、少しでも鍛練をしておこうと思いまして。後は……マッシュとライムを洗ってあげたいですね」

「鍛練とお風呂ですか。私も少しでも剣を振っておいた方が良さそうですね」

「もし指導してほしいのであれば、私でよければいつでも教えますので言ってくださいね。それでは私は部屋に戻ります」

戦う表情で部屋に戻っていったシーラさん。

そんなシーラさんを見て、私も後で剣を振ることに決めたけど、今はもう少しゆっくりしたい。

ということで、ライムとマッシュと共にリビングでゆっくりしつつ、NPについてを考えるとしようかな。

私はタブレットを出し、現在の所持NPから確認する。

蓮さん達にピザを振る舞いはしたけど、それ以外の出費はなかったこともあり、現在の所持NPは40786。

どう使うかウキウキだっただけに、ここで冬を迎えたのはかなり悲しい。

10000NPはクリスマスパーティーに取っておき、もう15000NPは冬の期間の諸々の費用。

そうなると使えるNPは15000であり、どう扱うのか非常に悩ましい。

漫画も買いたいし、ゲームも買いたい。

来る春の時期に備えて畑の強化もしたいし、ダンジョン攻略のための魔物も買いたい。

とても15000NPでは賄うことはできず、どれか一つを選ぶしかないのが現状。

どれか一つとなったら、今は使わずに貯めるのが正解な気がしてきてしまう。

ウィンドウショッピングをしつつ、頭を悩ませていたが……結局買うものは決まらなかった。

最終的に妥協案の、海賊ものの漫画を1巻~5巻までを購入した。

とりあえずこの漫画は、シーラさんとベルベットさんに布教するとして、知っているであろう蓮さん達にも見てもらおう。

そんなことを考えつつ、私は購入した漫画を読み始めた。

漫画に加え、アニメも見ているはずなんだけど、記憶が薄れていただけに非常に面白い。

あっという間に5巻を読み終えてしまい、次の巻に手を出したくなるが、歯止めが効かなくなるのが目に見えているため我慢する。

漫画を読んだことで体も目覚めたため、私も剣を振るとしようかな。

外を見ると、先程まで降っていた雪が一時的に止んでいたため、ライムとマッシュに付き合ってもらおう。

まぁ、外に出たくなさそうであれば、私一人で剣を振るつもりだけど。

「マッシュ、ライム。外で私の剣の練習を――」

そこまでしか言っていないのだが、だらーとしていたライムとマッシュは飛び起きて、いの一番に外へと飛び出して行った。

提案した私の方が呆気に取られてしまったが、やる気満々なら好都合。

ライムとマッシュに手伝ってもらいながら、実戦形式の練習を行うとしよう。

私もすぐに着替えてから、後を追って外に出る。

雪は降っていないが、ジッとしていると震えるくらい寒い。

ただ、ここまでの一面の雪景色は生まれて初めての光景ということもあり、年甲斐もなくテンションが上がってしまう。

「交互に相手してほしいんです。私に勝ったら……いや。私に五勝したら、魔力塊を一つあげます」

蓮さんにもらった魔力塊を取っておいたままだったため、相手してくれるお礼として渡そう。

私が勝たないと、スレッドの分がなくなってしまうため、スレッドのためにも何勝かはもぎ取らないといけない。

「それでは始めましょう!」

そう意気込んで模擬戦を開始したのだが、何勝かもぎ取るどころか、一勝もすることができないまま、私はライムとマッシュに敗北し続けた。

あっという間に頂いた魔力塊はなくなり、最初に懸念していた通り、スレッドの分の魔力塊を残せなかった。

スレッドには本当に申し訳ないけど……連戦に次ぐ連戦のお陰で、戦い方が少しだけ分かってきた気がする。

とにかくコツのようなものを掴めた気がするし、このままダンジョン攻略まで練習を行うとしよう。