軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第461話 再び、巨人族の村

ロッゾさんたちに相談した日から、約1週間が経過した。

すぐに動いていてくれたため、優秀な人材が何人も見つけることができ、既に王都で働いてくれている。

特に活躍してくれたのは、意外にもブリタニーさんだった。

ロッゾさんやシッドさんは交流関係が広いものの、優秀な人が多いせいで、手が空いている人があまりいなかった。

その点、ブリタニーさんの知り合いは元冒険者が多く、性格に若干の難がある人が多いものの、暇を持て余している人が多かったのだ。

採用に関しては、一緒に働くレティシアさんに一任しており、最低でも十人は雇うように伝えてある。

人材の採用という仕事を増やしてしまったものの、レティシアさんの負担は大きく減るはず。

これで心置きなく、純粋な気持ちで漫画が大量に売れることを願うことができる。

ここ最近は王都のことで色々と忙しく、ようやく一息つくことができると思っていたんだけど……。

飛来してくる大きなドラゴンの姿が見えた。

一難去って、また一難。

ヤトさんが来たとなると騒がしくなるだろうが……意外と久しぶりの来訪だし、嬉しさが大きく勝っている。

「佐藤! 遊びに来たのじゃ!」

「ヤトさん、お久しぶりです。今日は1人で来たんですか?」

珍しく後ろには誰もついておらず、背中にも誰も乗っていない。

ヤトさんが1人で来る時はあまりいいイメージはないんだけど、昔のように家出をしてきたなんてことはないはず。

「うぬ! 今回はわらわ1人で来たのじゃ! 巨人族のゴから手紙があってな! 佐藤のところに人を送るって書いてあったから、いてもたってもいられなくて様子を見に来たのじゃ!」

そういえば、私のところにも手紙が届いていた。

農業についての最低限の知識を教えたこともあり、ある程度形になったことのお礼。

それと、巨人族の若者を派遣しても良いかという連絡があった。

龍人族にダークエルフ、獣人族や魔物まで住んでいるわけだし、もちろん断るはずもなく二つ返事で了承させてもらった。

多分だけど、そのことをヤトさんにも伝えたのだと思う。

「そうだったんですね。ただ、手紙は来たばかりですし、最低でも数週間は来ないと思いますよ?」

「さすがに分かっておるのじゃ! じゃから、様子を見に行こうと思ってな! 佐藤を誘いに来たのじゃ!」

遊びに来たのかと思ったけど、まさかの巨人族の村に行くお誘いだった。

直近で行ったばかりだし、こちらからわざわざ出向く必要がないように思えてしまうけど……ヤトさん1人で向かわせるのはまずい気がプンプンする。

「……分かりました。ちょっと待っていてください。報告と準備をしてきますので」

「うぬ! マッシュと遊んでおるのじゃ!」

視線の先にいたマッシュに向かって走っていったヤトさん。

マッシュは見つかってしまったといった感じだけど、立ち止まって相手をしてあげている様子。

私はその間に、シーラさんへ報告と準備を済ませよう。

最近、畑を空けてばかりで申し訳ないし、新しい従魔を購入することも考えたほうがいいかもしれない。

シーラさんに事情説明したところ、二つ返事で了承してくれた。

どうやらシーラさんも私と同じ考えで、ヤトさんを1人で向かわせるのはまずいと思ったみたい。

ということで、準備も即行で終わらせてヤトさんの下へと戻ってきた。

何やらマッシュの他にモージも増えており、変な踊りをし合っている。

「ヤトさん、準備ができました。……何をしていたんですか?」

「マッシュから踊りを教えてもらっていたのじゃ! 気分が上がる踊りらしいのじゃが……どうじゃ?」

どうじゃ?と聞かれても、可愛らしいという感想しかない。

マッシュもモージもヤトさんも、各々変な踊りをしていて、一生見ていられるくらいには可愛い。

「いいと思いますが、早く向かいましょう。日が暮れたら大変ですからね」

「確かにそうじゃな! マッシュ、踊りを教えてくれてありがとう!」

首を縦に振ってから、小さな手をふりふりしているマッシュとモージと別れ、巨人族の村に向かうことにした。

あの空の旅を考えると少し億劫になるものの……初回よりは慣れているはず。

ということで、ヤトさんの背に乗り、超スピードの飛行で巨人族の村までやってきた。

しがみつくのも大変で、だいぶげっそりした気がするが、初回よりはマシだった……気がする。

「あっという間じゃな! さすがはわらわじゃ!」

「速いですが、凄く疲れました。まだ頭がポヤポヤします」

「ぬっはっは! 佐藤は情けないのう! ほれ、ちゃんと歩かないとゴが心配するのじゃ!」

ヤトさんに背中を押されながら、巨人族の村に近づいてきたんだけど、何となく違和感を覚えた。

物自体は大きいものの、村自体はあまり大きな村ではないことから、すぐに巨人族の皆さんの姿が確認できたはずだけど、誰一人として見えない。

「何かおかしいですね。村の皆さんがいません」

「ん? ……確かにいないのじゃ! 騒がしくないから大丈夫じゃと思っておったが、静かすぎて変なのじゃ!」

「ちょっと村の中を探してみましょう」

勝手に村を探し回るのはどうかとも思いつつ、緊急事態のため仕方がない。

私はヤトさんと一緒に、巨人族の村の中を捜索することにしたのだった。