軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第334話 増えている・・・?

宿の方が安定し、サムさんがやってくるまでの間、久しぶりののんびり期間がやってきた。

のんびり期間といっても農作業はしないといけないんだけど、農作業だけなら特に考えることもないし楽しいからね。

なんにも考えず、ボーっと作物の収穫をしていると、ライムと友達のスライムたちが楽しそうに川の方へ向かっているのが見えた。

ボーっとしていたため、見た時は楽しそうだなぁぐらいにしか思っていなかったんだけど、収穫を全て終えたタイミング辺りで、1つ気になることを思い出した。

「あの、シーラさん。1つ聞いてもいいですか?」

「もちろん大丈夫ですよ。なんでしょうか?」

「ライムの友達って3匹じゃなかったでしたっけ? ボーっとしていたので、ハッキリとは覚えていないんですけど……5匹いたように見えたんですよ」

「あー、んー……? 私も3匹だと記憶していますけど、本当に5匹いましたか?」

「おそらくですが、青いスライムが5匹、後ろをついて行っていたように見えました」

スライムだし、1匹の判定が非常に難しい。

ただ、5匹のスライムだったように見えたのだ。

「新しいお友達ができたんですかね? それかお友達が子供を作ったのか……。それともライムが子供を作ったのでしょうか?」

「スライムって子供が作れるんですか?」

「分からないですが、野生にいっぱいいるということは子供を作るんじゃないでしょうか?」

勝手に無生殖生物だと思っていただけに、ライムの子供だったら今年1番の驚きかもしれない。

もし仮に子供だったらお祝いとかしないといけないし、これは確かめに行ったほうがいいだろう。

「あの……ちょっと気になるので、確認してきます」

「私もついて行っていいですか? 気になってしまいました」

「もちろんです。2人で確認しに行きましょう」

こうして私は、シーラさんと一緒にライムの様子を見に行くことにした。

道中では、私の見間違い説をシーラさんから強く推されたため、なんだか見間違いな気がしてきてしまっている。

でも、確認すれば済む話だし、一応様子は見に行く。

2人して早足になりながら、ライムたちがよく遊んでいる川へとやってきた。

ここの川は山の上流の小川ではなく、少し汚いけど大きめの川。

田んぼの水はこの川から引いており、ライムたちが遊んでいる水を利用してお米を育てていることになる。

「あっ、ライムたちがいますよ。えーっと、1匹、2匹、3匹……4匹? 5匹、6匹、7匹!?」

「やっぱり増えていますよね? 見間違いじゃなくて安心しました」

見間違いだったら、シーラさんに余計な手間をかけさせただけになるからね。

そのことにホッとしつつ、すぐに増えたスライムの謎についてを考える。

「ライム以外は、基本的にここで生活しているので気づきませんでした。よーく見れば、20匹はいますし……子供が増えたんですかね?」

「子供にしては、変わったスライムがいませんか? ライム以外は通常種のスライムでしたよね?」

「本当ですね。グリーンスライムにロックスライム。奥にはヒールスライムもいます」

通常種スライムの数の方が多いけど、見た目が少し違うスライムが数種類混じっている。

子供だとしたら、通常種スライムだけになると思うんだよなぁ。

ライムも元は通常種のスライムだったしね。

「考えても分かりませんね。ライムに直接聞いてみましょうか」

「それがいいと思います。襲われないようにだけ気をつけましょう」

ライムと仲良くしているとはいえ、他のスライムは従魔ではない魔物。

襲われる可能性を念頭に置きながら、近づいてみることにした。

最初に近づいた私たちに気づいたのは、ロックスライムだった。

身構えたけど、襲ってくる素振りは見せてこない。

「敵意を感じませんね。ライムが言いつけているのでしょうか?」

「その可能性が高いと思います。とりあえずライムに声を掛けてみましょう」

見てくるだけで何もしてこないロックスライムの横を素通りし、ライムの元にやってきた。

私たちが来たこと対し、嬉しそうにしているライム。

見つかったーー的な反応は見せていないことからも、隠れて仲間を増やしていたわけではないことが分かる。

「ライム、いつの間にかに仲間が増えていますね。この子たちは誰かの子供なのですか?」

私の問いに対し、ふるふると体を横に振ったライム。

別種のスライムがいたし、やっぱり子供ではないみたいだ。

そこから質問をして聞いてみたんだけど、どうやら色々な場所に探索している時に仲間にしたスライム達らしい。

ライムの仕事はゴミの処理だけだし、基本的には自由行動を許している。

ライム自身が強すぎるから、一切心配もしていなかったけど、今考えると数日間別荘に姿を見せない時があった。

その時にここを離れて探検をしていたようで、その探検で色々なスライムを仲間にしたみたいなのだ。

「そういった経緯だったんですね。ちなみに仲間にした方法って戦闘ですか?」

そんな問いに元気よく飛び跳ねて肯定したライム。

昭和のヤンキーのような仲間の増やし方だけど、魔物は如何にも実力主義って感じがするもんね。

「なるほど。そういう経緯でお友達を増やしていたんですか。……もう1つ質問なのですが、まだお友達は増える予定ですか?」

一瞬考えた素振りを見せたけど、すぐに肯定の仕草を取ったライム。

まだまだ増えるようなら、スライム専用の住処を作って上げてもいいかもしれない。

この川でもいいんだけど、この川は色々な用途で使うため、できればあまり汚れてほしくはない。

スライムを汚い呼ばわりするつもりはないけど、ヘドロスライムやポイズンスライムなんかがいるからね。

この川下にスライムパークを建設して、いつか一般の方にも見学できるようにするのは面白いかもしれない。

スライムの仲間を増やすのは全てライム頼りになるけど、このペースなら1年後くらいには100匹を超えてそうな感じはある。

「とりあえず、ライムたちの現状は把握しました。近い内にスライムの住処を作りますので楽しみにしていてください」

その言葉にライムは大喜びしてくれている。

ゴミの処理以外にも、何かしてもらえることがあれば更にいいんだけど……それは追々考えるとしようか。