軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第279話 果樹園

翌日。

まずは果樹園を作るべく、裏山へとやってきた。

なるべく平坦で、木が植わっていない場所をマークしていく。

勾配がある場所は避けつつ、果樹を植えるのに適したところを探す。

木が育っていることから、どこに植えても育つ土壌ではあると思うけど、収穫のことを考えないといけないからね。

裏山のある広い敷地を貸してくれた王様に改めて感謝しつつ、果樹園にできそうなポイントを三か所見つけることができた。

「佐藤さん、ポイントは見つけられましたね。次は何を植えるかになりますが……育てる果物は決まっているんですか?」

「はい。1つは黄金酒の材料である“黄金の実”を育てたいと思っています。残りの2種類はブルーベリーとラズベリーですね」

「どちらも聞いたことのない果物です。どんな果物なんでしょうか?」

「ブルーベリーはブドウに似た果物、ラズベリーはイチゴに似た果物ですね。さまざまな用途で使えるので、この3種類を育てていこうと思っています」

本音を言うのであれば、ブドウとイチゴを育てたかったんだけど、ブドウは特に育てる難易度が高いということで断念。

逆にラズベリーとブルーベリーは育てる難易度が低いため、最初に始めるにはうってつけの果物だと考えた。

それでも実がなるまでには、どちらも1〜2年はかかってしまうみたいなんだけど、この年数も果物としてはすごく短い方。

最初はスキルの畑で育て、ある程度育ってきたらこちらの果樹園に植え替えることも視野に入れつつ、とりあえず場所と育てる果実は決まった。

果樹園を作ることができれば、ブルーベリー狩りやラズベリー狩りといったアクティビティにも活用できるだろうし、並行して行う予定の宿の建設とも相性が良い。

私は夢を膨らませながら、早速宿についての話をするべく、裏山からシッドさんのところへ移動することにした。

裏山には何が出るか分からないため、一応護衛についてくれていたシーラさんとは別れ、私は一人でシッドさんの家にやってきた。

ノックをしてから中に入ると、シッドさんとそのお弟子さんたちの姿があった。

「佐藤さん、来たか」

「はい。お時間を取ってくださり、ありがとうございます」

「礼なんかいらねぇよ。佐藤さんの頼みなら、俺は即動くからな」

シッドさんのありがたい言葉。

決してお世辞ではなく、今回もすぐに時間を取ってくれた。

「シッドさんとロッゾさんの存在は本当に心強いです!」

「そりゃこっちのセリフだ。ここに移り住んでから、楽しいことしかねぇからな。……なぁ?」

「「「はい! ありがとうございます!」」」

声も動作も合わせて、私に深々と頭を下げてきたシッドさんのお弟子さんたち。

しっかりと働いてもらっているし、頭を下げられるようなことはしていないんだけど、楽しいと思ってくれているなら良かった。

「私なんかに頭を下げなくても大丈夫ですよ。こちらこそ助けられてばかりなので」

「そんなことねぇよ。助けられてるのは絶対に俺たちだ……いや、このまま言い合っても埒が明かねぇな。本題に入るか」

話を本題に戻してくれて助かった。

毎回のことだけど、謙遜のし合いが始まってしまうからね。

それはそれで悪くはないんだけど、早く本題に入らないと、いくら時間があっても足らなくなってしまう。

「そうですね。本題に入りましょう。前から話していた通り、宿を作りたいと思っているのですが……今から準備を始めるとして、どれくらいの期間で完成できるでしょうか?」

「やっと宿を作る気になったか。話が来る前から、俺たちはすでに準備を進めていたから、半年くらいで建てることができるぞ」

「本当ですか!? そんなに早く宿を作れるものなんですね!」

想像していたより何倍も完成が早く、つい声が大きくなってしまう。

前々から準備をしてくれていたことや、魔法の力があってこその速度だと思うけど、本当にありがたすぎる。

「いろんな人にも声をかけて造るから、期待してくれていいぜ」

「分かりました。期待します! こちらの今回の報酬にも期待していてください。お金をご希望であれば、お金での支払いも可能ですので!」

「金はいらねぇな。俺が欲しいのは未知のもの。面白いものを期待しているぜ」

「今回は本気で期待していてください」

私はシッドさんと握手を交わし、これで交渉は成立。

すぐに着手してくれるようで、このスピード感も非常にありがたい。

そして、今回私がシッドさんにプレゼントするものはすでに決めてある。

前々からどこかのタイミングでプレゼントしたいと思っていたゴルフセットだ。

以前からシッドさんたちにも遊べるものを渡したいと思っていた中で、ゴルフはかなり良い選択だと思っている。

広大な敷地もあるし、魔法を使えば簡易的なコースなら作ることも可能。

ハマってくれるかは分からないけど、気に入れば良い趣味になるはずだからね。

あとは、反応がいまいちだったときに備えて、アダルトグッズも大量にプレゼントする予定。

こっちは確実に喜んでくれるだろうし、今のうちから良さそうな最新のアダルトグッズを調べておくとしよう。