軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第227話 仮装パーティー

料理大会の翌日。

イベント続きではあるが、今日は仮装パーティーが開催される。

昨日は参加しなかった人たちも、今回は仮装パーティーに参加してくれる予定なので、きっと盛り上がるはずだ。

会場は新設されたイベントホールで、私もすでに仮装をしてスタンバイしている。

今回の私の仮装は、クオリティ高めのゾンビのコスプレ。

社畜時代はゾンビのように働いていたこともあり、ゾンビのコスプレにはちょっと自信がある。

メイクだけでなく、服装にもこだわって作成したため、我ながら完成度は高いと自負している。

暗い場所では怖がられる可能性もあるため、明るい場所で他の参加者を待っていると……最初に入ってきたのは、魔女のコスプレをしたシーラさんだった。

見た目の良さを最大限に活かしたコスプレで、たまに着ているメイド服同様、露出の少ない本格的な魔女の装い。

しかし、“THE清楚”というイメージのあるシーラさんにあまりにも似合いすぎていて、逆にセクシーさが際立っている気がする。

「おはようございます。シーラさんは魔女の仮装ですか?」

「はい。少し恥ずかしいんですが……似合っていますかね?」

「すごくお似合いです! 普段とは真逆の“悪っぽい”感じも相まって、とても新鮮な印象があります」

「それならよかったです。メイクも“悪っぽい”仕上がりにしたので少し不安でしたが、仮装パーティーのコンセプトに合っていると分かって一安心しました。基本的に全員参加のイベントなので、相談できなかったのが少しもどかしかったです」

何の仮装をするかは当日まで秘密だったため、基本的には手探りで準備してもらうことになった。

趣旨に合っているかどうかが不安だったようで、シーラさんはかなりホッとしている様子だ。

「趣旨から多少ズレていても大丈夫ですよ。仮装ってそういうものですし、それも醍醐味ですからね」

「そうなんですか? たしかに……他の方たちが変わった格好をしてきても、それはそれで面白そうですね」

コスプレには、そういう自由な楽しみ方ができるのも魅力のひとつ。

一応大会形式にはしているけど、優勝なんてあってないようなものだしね。

そんな会話を交わしながらシーラさんと待っていると、続々と参加者たちがホールに入ってきた。

パッと見では誰が誰だかわからないほど、全員が高クオリティな仮装をしてきてくれている。

参加してもらえるだけでも嬉しいが、やはり本気のコスプレはテンションが上がる。

その中でもひときわ目を引いたのは、ミニゴーレムの仮装だった。

見た目のクオリティはもちろん、材質にまで徹底的にこだわっており、外で出くわしたら確実にゴーレムと勘違いするレベル。

背丈から考えると、ロッゾさんかシッドさんのどちらかだろう。

早速ミニゴーレムに声をかけようとしたが、その奥から、同じくらいクオリティの高いマシン系の魔物の仮装をした人が現れた。

ドラクエのキラーマシンのようなデザインで、メタリックで非常にかっこいいフォルムだ。

どうやって動かしているのかわからないが、細い6本の腕が自在に動き、中央の目も赤く輝いている。

こちらもサイズ的にはロッゾさんかシッドさん。どんな仮装をしてくるのか楽しみにしていたが、完全に予想の上をいく出来栄えだった。

「ロッゾさん、シッドさん! すごい仮装ですね。魔物にしか見えませんよ」

「んあ!? なんで魔動兵が俺だって分かったんだ! 話しかけるまでは絶対バレねぇと思ってたのに!」

「俺もだ。佐藤さんを驚かせようとしたのに、あっけなくバレるとは思わなかった」

「いや、このクオリティのものを作れるのは、ロッゾさんかシッドさんしかいませんから。声をかけるまでは、どちらがどちらかまでは分かりませんでしたよ」

声をかけたことでわかったのだが、ゴーレムの仮装がシッドさんで、魔動兵の仮装がロッゾさんだった。

シーラさんのビジュアルを活かした仮装ももちろん良かったけど、男心をくすぐられる二人の仮装は、個人的に群を抜いていた。

女子ウケが良いとは言いがたいので、優勝間違いなしとは言えないが、私の持っている3票のうち、2票はロッゾさんとシッドさんで早くも決まった。

「そういうことか! なんかミスったのかと思ったぜ!」

「クオリティを高めすぎてバレたパターンだったのか。なら悔いはないな。……あっ、佐藤さんのコスプレもイケてるぜ」

「確かに! よくやってる方だ!」

「無理やりでも褒めてくださって、ありがとうございます」

2人の前では少し恥ずかしいクオリティだけど、どれだけ時間をかけても、私があのレベルの仮装を作るのは無理だからね。

私に合った仮装という意味では、最善を尽くしたつもりなので、お世辞だとしても褒められるのはやっぱり嬉しい。

その後、ロッゾさんとシッドさんと軽く雑談を交わしてから、残りの1票を誰に投じるかを決めるために、私はホール内を歩いて回ることにしたのだった。