軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第199話 ナイアガラ

大量に流したということもあって、今回は流石にシーラさんも完封ならず。

ただ、後ろに流れたのは少なかったため、ロッゾさんとシッドさんは今年も流しそうめんを食べることができなかった。

並び順的には、連さんや将司さんよりも前に並んでいたんだけど、シンプルに箸の使い方が下手ですくえず終い。

流れてくるそうめんの少なさもあって、変に緊張していたというのもあると思う。

「くっそぉ! 今年も佐藤さんと一緒に普通のそうめんを食べるのかよ!」

「でも、今年はチャンスがあったんですよね? 箸の使い方が上手くなれば、来年は取れるようになりますよ」

「いいや。来年はシーラの後ろにはいかねぇ。箸の使い方を学ぶより、そっちの方が確実だ」

ロッゾさんとシッドさんは、強い意志を固めた様子。

ベルベットさんのように、シーラさんが最後尾になってくれればいいんだけど、あの位置を譲らないため、来年もシーラさんの後ろを嫌がっての大激戦になりそう。

「ちゅるちゅるしていて美味しいのう! この酸っぱいのもたまらんのじゃ!」

「ヤトさんもしれっとこっちに参加していますが、結局食べられなかったんですか?」

「うぬ! 早くて掴めなかったのじゃ! 先頭は難しいのかもしれないのう!」

絶対に先頭が一番取りやすいはずなんだけど、ヤトさんの名誉のためにも決して口には出さない。

流しそうめんが食べれなくても、こうして普通のそうめんとして食べられるしね。

こっちはこっちで、ノーマンさんオリジナルのアレンジも試すことができ、かなり満足度が高い。

腹半分くらいまでそうめんを堪能してから、去年同様にスイカ割りを行う。

「それではスイカ割りを行います。やりたい方は前に来てください」

スイカ割りを表明したのは、ヤトさん、ジョエル君、美香さん、将司さん、ヘレナの5名。

スイカは全部で3つしかないため、じゃんけんで決めることになった。

「あー! 負けちまった!」

「僕も負けてしまいましたぁ」

じゃんけんに勝ったのは、ヤトさん、美香さん、ヘレナの3人。

負けた将司さんとジョエル君には、去年のスイカの種で育てたスイカを割ってもらおう。

育てたスイカは1代交配だったようで、購入したスイカのような綺麗なものはできなかったけど、小ぶりなスイカはちゃんとできたからね。

スイカ割りとしては、少々物足りないかもしれないけど、多少はスイカ割りを味わえるはず。

ということで、希望者の方には目隠しをしてもらい、ぐるぐると回ってから木の棒で叩き割ってもらうことにした。

方向感覚を失っている上に目隠しをしていたけど、周りがスイカの位置を必死に教えたことで全員が綺麗にスイカを割ることに成功。

ヤトさんとジョエル君は色々と怪しかったけど、結果よければ全てよし。

割ったスイカはおやつとしてみんなで食べ、夜の花火に備えた。

暗くなってきてから、去年と同じように花火の準備を行う。

今年は花火の種類を増やし、やったことのない花火も購入した。

「佐藤、その棒はどうやって使うんじゃ?」

「火をつけると、色付きの火花が出るんですよ。異世界では夏の定番だった遊びの一つですね」

「へー! 面白そうじゃな!」

「佐藤さん、花火の準備ができました」

シーラさんにお願いしていた、ナイアガラ花火の準備が終わったみたい。

まずはナイアガラ花火から行おうと思う。

「シーラさん、一斉点火してください」

「分かりました。いきますよー」

合図と共に、ナイアガラ花火を一斉点火したシーラさん。

カーテンのような火柱に、あちらこちらから歓声があがる。

「うわー、綺麗ですね!」

「凄いです! 僕、こんな綺麗なもの初めて見ました!」

「わらわも初めて見たのじゃ! 異世界の娯楽は凄いのう!」

みんなが喜んでくれているみたいでほっこりする。

初めに行うか、締めで行うかを迷っていたけど、ナイアガラ花火を初っ端に行ったのは良かったみたいだ。

「この後は手持ち花火を楽しみましょう。回転花火やねずみ、火の玉花火なんかもありますので」

「よく分からないですけど楽しみです!」

「火なのに綺麗って本当に不思議ね」

各々目についた花火を手に取り、あちらこちらで様々な花火が行われている。

火の魔法があるけど、これだけ盛り上がってくれるということは花火は凄いということ。

私は子供の時にしか触れてこなかったけど、実際にやってみるとおじさんになっても面白いし、こちらの世界の人達にとっては新鮮で楽しいものだと思う。

「まさか異世界で花火ができると思わなかった! やっぱり佐藤ってすごい!」

「本当にそうですね。そうめんもスイカ割りも楽しかったですし、佐藤さんがいてくれて本当に良かったです」

「その点、俺らは何も返せていないよな」

私が花火を楽しんでいるみんなを見てほっこりしている中、蓮さん達が手持ち花火を行いながらやってきた。

「そんなことありませんよ。この間の海での狩りもそうですし、ダンジョンの攻略や魔塊も頂いてますからね。私こそ、こういったことでしか返せていませんので、蓮さん達には感謝しかないです」

「こういうことでしか……ってなぁ? これができるのが凄すぎるのによ!」

「そうそう! 私達ももっと頑張らないといけないってなるね!」

「いえいえ、焦らなくても大丈夫ですよ。私もできる限り支えますので、楽しみながら頑張ってください」

私はたまたまスキルで異世界のものを購入できるだけだからね。

それに、1シーズンに数回しかイベントごとは行えないし、負担としては圧倒的に蓮さん達の方が大きい。

そんな蓮さんたち含むみんなを楽しませられるよう、私はもっと頑張っていきたい。

花火で楽しんでくれているみんなを見て、そう決意を強く固めたのだった。