軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第182話 大成功

大当たりを引くことができた私達は、他の甲殻類に狙いを定めたんだけど、海老っぽい魔物や貝類の魔物は非常に不味かった。

なんでカニの魔物だけ美味しかったのかは分からないけど、とにかく大当たりを見つけることができたのは非常に大きい。

「ふぅー、もうお腹いっぱいで食べられない!」

「今回はこんなものでしょうか? 蓮さん、美香さん、唯さん、将司さん。手伝って頂き、本当にありがとうございました」

「これぐらいならいつでも手伝う。というか、遊んでただけって感じだったしな」

「そうそう! 海の魔物もそんな強くなかったしな! 小学生の時に花の蜜とか、変な木の実とか食ったのを思い出したぜ!」

「わかるー! 私も自然になっている美味しいものに目がなかったもん! 今思うと全然美味しくないんだけどさ!」

将司さんや美香さんが言っているのは、ツツジの花の蜜だろうか?

私も小学生の頃は吸っていた記憶があるのだが、ふた回りほど年齢が離れている美香さん達も吸っているのは少しだけ感動を覚える。

毒があるみたいな話を聞いたことがあるし、てっきりその文化自体なくなっていたものだとばかり思っていたな。

「私の時代も蜜は吸っていましたね。あと、授業で育てたミニトマトも食べた時は感動しました。トマトが苦手だったのですが、その時を境に食べられるようになりましたから」

「へー! ああいう授業ってやっぱり役に立つんだね!」

「俺も家庭科の授業好きだったな。ご飯が食べられるから」

「私も! 唯と同じ班で、唯の作った生姜焼きが凄く美味しかったの覚えてる!」

「私は逆に、美香の卵焼きは凄く苦かったの覚えています」

「私、焦がしちゃったんだっけ! 唯は焦げを海苔だと思って、一気に頬張ったんだよね!」

「あの時の苦味は忘れません」

懐かしの思い出話に花が咲く。

改めて、この4人は幼なじみなんだなというのが伝わってくる。

私にも居たはずだけど、完全に疎遠になっているから……少しだけ羨ましい。

でも、こうして混ぜてもらえているし、楽しい思い出を現在進行系で作れているからね。

世のアラフォーのおっさんの中では、とびきり幸せな部類かもしれない。

「小学生の記憶は似たようなものなんですね。家庭科の調理実習は凄く懐かしいです」

「佐藤さんもやっていたんだな。なんか想像つかない」

「そう? 料理上手いし、私は想像つくけど!」

「どちらかといえば、佐藤さんの小学生姿が想像つかないんじゃないでしょうか?」

「……確かに! 小さい佐藤ってなんか凄い違和感!」

「そうですかね? 私も小さい頃は可愛かったんですよ?」

「本当にー!? 絶対に可愛くはないでしょ!」

酷い言われようだけど、本当に可愛かったんだけどな。

……いや、両親が可愛いと甘やかしてくれていただけで、他人から可愛いとは言われた記憶がないかもしれない。

新たな事実に気がついてしまい、密かにショックを受ける。

まぁでも、両親から好かれていただけでも幸せ者か。

「その話は平行線になるので止めましょう。と言いますか、雑談の続きは馬車で行いましょうか。ここで話していても仕方がないですからね」

「確かに! 佐藤と話すの面白いから、ついつい話し込んじゃうんだよね!」

「分かる。佐藤さんは話を回すのが上手い」

「ジェネレーションギャップがあるから、話もめちゃくちゃ盛り上がるしな!」

「褒めてくれるのは嬉しいですが、撤収の準備をしましょう」

ということで、話を無理やり切り上げて撤収することにした。

本当は美味しかったカニの魔物をもう一匹狩り、持ち帰りたいところだけど、馬車に乗らないため断念。

先ほど食べたカニの足は半分残っているため、それを戦果として持ち帰る。

カニしゃぶにしてもいいし、カニ炒飯、カニクリームパスタ、カニクリームコロッケ、カニ雑炊。

思いつくだけでこれだけのカニ料理があるし、ノーマンさんに聞いて新たな料理の開発に勤しんでもいい。

後は……やはり生で食べてみたいという思いはある。

食中毒が怖いから、食べられはしないんだけどね。

そんなカニ料理のことを考えながら、私は撤収作業を行ったのだった。

帰りも話が盛り上がったお陰で、あっという間に別荘に戻って来ることができた。

道中の野宿も楽しかったし、本当に良い体験をさせてもらえたな。

「佐藤さん、おかえりなさい! お怪我はありませんか?」

「シーラさん、ただいま戻りました。大丈夫ですよ。怪我1つありません」

帰って来るなり、飛んできたシーラさんがペタペタと私の体を触りながら、怪我がないかの確認をしてきた。

少し照れくさいけど、ここまで心配してくれるのは本当に嬉しい。

冒険も凄く楽しかったけど、やはり私の居場所はこの別荘。

シーラさんの反応を見て、私はそう強く思った。

「はぁー……それなら良かったです。珍味ハンターとしての活動はどうでしたか?」

「成果もちゃんと挙げられましたし、何より楽しかったです。今度はシーラさんも一緒に行きましょうね」

「是非! 是非連れて行ってください!」

シーラさんの目はマジであり、本当についてきたかったことがこの目だけで分かる。

私はシーラさんの反応に笑いつつ、持ち帰ったカニの魔物をみんなに振る舞うため、帰って来て早々だけど、ノーマンさんと料理を行うことにしたのだった。