作品タイトル不明
勇者たちは、マグナルへ
◇【十河綾香】◇
アライオンを発った2−Cの勇者たち。
十河綾香は、アライオンの軍と共に西へ向かっていた。
目的地はマグナルの王都シナド。
綾香は馬に乗って移動していた。
が、乗馬の不得手な勇者たちもいる。
練習はしたが、さほど上達しなかった勇者たちである。
彼らは今、馬車で移動していた。
そもそも現代日本で乗馬経験を持つ高校生などそう多くはない。
乗れない生徒が多いのも、無理はない。
騎乗している勇者は数人のみ。
十河綾香。
桐原拓斗。
安智弘。
桐原グループから男女一名ずつ。
周防カヤ子。
小山田翔吾は乗りこなせなかった。
彼は今、馬車で独り悪態をついていた。
「馬車はまあいいけどよー……なんで拓斗のグループも他の低ランクくんたちと同じ馬車なのかって話ッスわー……萎え冷えだわー。ぶっちゃけ、平等精神とかマジ反対なんスよ……平等はザコキャラの論理っすわー……勝ち組的には、邪魔なだけの概念ッスわー」
ちなみに何人かの勇者はこの行軍に加わっていない。
高雄姉妹は 対東侵(たいとうしん) 軍に編入された。
二人にはニャンタン及びアライオン騎兵隊が同行している。
現在、対東侵軍――東軍は主にアライオンとマグナルの軍で形成されている。
東軍には、マグナルの白狼騎士団も編入された。
戦場浅葱とそのグループは 対西侵(たいせいしん) 軍――西軍に編入となった。
彼女たちには剣虎団も同行している。
浅葱たちは先日、西軍と合流するために早馬で発った。
だから今ここにはいない。
過日、マグナルの西にある都市が大魔帝軍の侵攻を受けた。
都市は完膚なきまでに蹂躙されたという。
犠牲者の中にはかつての元白狼騎士団長もいたそうだ。
が、
『聖女率いる 殲滅聖勢(せんめつせいせい) が駆けつけたことで、今は押し返しているそうです』
浅葱たちが出発した数日後、 軍魔鳩(ぐんまきゅう) が女神にその情報をもたらした。
ちなみに軍魔鳩とはいわゆる伝書鳩のようなものである。
主に魔術師ギルドから供給される特別な鳩だそうだ。
というわけで、 対南侵(たいなんしん) 軍――南軍には残った勇者たちが編入された。
馬上から綾香は背後を振り返る。
(これが、戦争をする軍……やっぱりいつ見てもすごい……)
列をなす兵士たち。
なだらかな勾配に黒山の列が広がっている……。
鎧や装具が触れ合い奏でる不揃いな音。
緊張と退屈のない交ぜになった独特の空気感。
「…………」
まだこの光景に慣れない。
感覚はもうこっちの世界に馴染んだと思っていた。
が、今回はあの非現実感がまた戻ってきている。
映画の中に入り込んだみたいなあの感覚だ。
行軍の中、指揮をとる女神は豪奢な神輿に乗っていた。
高価そうな天蓋つきの神輿。
が、あの神輿にいるのはいわゆる影武者である。
本物の女神はフードを被って馬に乗っていた。
一応、不意の襲撃に備えているそうだ。
(戦争、か……)
魔物との戦いには慣れてきた――と思う。
ただ、慣れてきたこと自体を少し怖いと感じる。
が、戦うのは仲間を守るためだ。
当然、魔物を殺す行為を好んでいるわけではない。
綾香は、険しい顔で平原の彼方を睨み据えた。
(そう、守るために……殺――)
「大丈夫?」
声をかけてきたのは、周防カヤ子だった。
彼女は騎乗して綾香の隣に馬をつけていた。
乗馬経験はないと言っていた。
が、カヤ子は器用な子だった。
短い期間で見事に乗りこなしている。
正直、彼女なら桐原や浅葱のグループでやっていけそうな気もするのだが。
「あ、周防さん。うん、大丈夫よ……ありがとう」
「最近、様子が変」
「え? 私が?」
コクッ
控えめに首肯するカヤ子。
「最近、根を詰めすぎてる感じ」
「……そう、かもね。そうだと思う。でも、強くならないといけないから……みんなのために」
カヤ子の表情にかすかな影が差した。
「悔しい」
「え?」
「私たちがいるから大丈夫、とは言えないから。十河さんと私を含めた他の子だと、ステータス差がありすぎる」
「大丈夫、みんなよくやってくれてるわ。ただ、やっぱりこの前クラスメイトが死んだのがショックだったみたいだから……そこはちょっと、心配だけど」
先日、金棲魔群帯で男子生徒が二人死亡した。
綾香グループの生徒はショックが大きかったようだ。
当然だろう。
ついこの前まで同じ教室で机を並べていたクラスメイト。
それが、死んでしまったのだから。
カヤ子が言った。
「三森君の時とは、違う」
「……うん」
三森灯河の時は死体すら残らなかった。
だから現実感がなかった。
しかし今回は、明確な死の形を突きつけられた。
(でもこれが普通の反応だと思う……桐原君や浅葱さんたちの薄すぎる反応の方が、おかしかったのよね……けど……)
自分は、どうだろうか?
ショックは受けた。
が、意識はもうほぼ今回の戦いへと切り替わっている。
自分は……案外、薄情な人間なのかもしれない。
「十河さん」
「何?」
「聖さんや桐原さんに比べると、十河さんはS級勇者として成長が遅れてるって話を聞いた。やっぱり、私たちが足を引っ張――」
「周防さん」
諌める調子で、綾香は遮った。
「…………」
「そんな顔しないで? 大丈夫……みんなは――2−Cの仲間は、必ず私が守る」
「でしたら、そろそろ固有スキルを覚えていただけると嬉しいのですが……あの、まだ無理そうですか……?」
カヤ子とは逆側――綾香の右横に、女神の馬が 轡(くつわ) を並べていた。
「女神、さま……」
カヤ子の目に薄らと怯えが走った。
綾香グループの勇者は特に女神への苦手意識が強い。
今となっては、綾香も例外ではない。
「……すみません。努力は、しているつもりなんですが」
「あの……”しているつもり”ではなくて、してほしいんです。世の中、間違った努力をしても意味がないのは子どもでも知っていますし……」
苦笑し、懇願ポーズを取る女神。
「本当に、お願いできませんか? このままではS級認定したアライオンの面目が立ちません。これは感情の動きだけでがんばった気になっているソゴウさん一人の問題ではなく、国の沽券にかかわるのです……困ります……」
謝る、しかない。
「すみま、せ――」
と、
「正しい努力かどうかは置いておいて、最善の努力はできてると思うがね」
男の声が、割り込んできた。
「あら? ベインさん?」
首を捻る女神。
「どうしたのでしょうか? なんでしょう? あの……会話に割り込むなんてとても礼儀を失していると思うのですが、どういう判断なのですか? 睡眠不足ですか?」
声の主は、ベインウルフだった。
彼はいつの間にか綾香の横に馬をつけていた。
その位置にいたカヤ子は少し後ろに下がっている。
多分、黙って隣を譲ったのだろう。
「そこにいるスオウちゃんも含めて、ソゴウちゃんの隊は着実に成長してるよ。ソゴウちゃん自身も、今あるスキルを使って強くなる方法を模索してきた。特にここ最近は、見てる方が心配になるくらい死にもの狂いで努力をしてたよ。ウルザ最強と呼ばれる竜殺しの私見としては、今の彼女でも十分戦力になると思うがね……」
「ん〜、ベインさんはちょっとソゴウさんに甘い気がするんです。ちょっと怪しんでしまいますよね?」
「そりゃあ、気にはかけるさ。教え子だしな」
「あ、あの……平然と嘘をつくの本当にやめてください……ソゴウさん美人ですし……着痩せしてますけど、お胸も下品なくらいに豊満ですし……日頃の態度もちょっと男に媚びすぎですし……その、男性が下心を抱かないはずがないので……」
(そんな……)
身体的特徴はともかく……。
媚びているなど、心外だった。
いわれなき中傷である。
が、
(もしかしてそれが、安君が言っていたみたいな……私の無自覚さなの……?)
「あの、ベインさん? ソゴウさんに性的な見返りを期待していますね? あるように見えるんです」
「やれやれ、まいったね……けど、ゲスの勘繰りってやつだぜそいつは。なんというか、女神さまらしくない」
「ひどい……とてもひどい中傷を受けました……本当に、ひどい……あまりにも、ひどすぎて……」
「で――何を、苛立ってる?」
ベインウルフの声の調子が、変わった。
「はい……? 急になんですか? おかしいですねー」
女神の笑顔は、固まっている。
「大魔帝が現れてからというもの、ずいぶん余裕がないじゃないか……アライオンの女神さま」
剣呑な言動のようだが、敵対的な言い方ではない。
彼の人柄のせいだろうか?
女神も、敵意の有無を測りかねている感じだった。
「印象だと、どうもソゴウちゃんだけが原因ってわけでもなさそうだがね……心配事があるなら、おれでよければ相談に乗るぜ?」
「……あら。ベインさん、お優しいのですねー」
「あんたはこの大陸の将来を背負った総大将だ。どっしり構えていてくれなきゃ、大勢の人間が困っちまう」
「…………ん〜、余裕がない風に見えました?」
ベインウルフが小指ほどの細い棒を口端に咥えた。
ドト棒というのだったか。
綾香たちの世界でいうタバコのようなものだという。
「少なくとも、おれにはそう見えたがね」
「ん〜……」
指先で手綱を小刻みに叩く女神。
「ん〜」
何か考えているのか。
あるいは、何かを鎮めようとしているのか。
「……わかりました。私としては親切心から激励したつもりだったのですが、誤解して受け取られてしまったようです。そこは反省すべきですね。すみません、ソゴウさん。あなたのためを思っての発言だったのですが……許してくださいますか? 許してくださいますよね? 優しさだけは、S級ですし……」
綾香は言い淀む。
「いえ、あの……許すも何も……」
頭を掻きながら、苦笑いするベインウルフ。
「どうしていつもこうひと言多いかね、この女神さまは……」
「い、生き方まで指図するんですか……本当に、すごいです……、――あ、用事を思い出しました」
女神の馬が、綾香から離れた。
気づくと周囲の兵士が綾香たちから距離を取っていた。
綾香たちを中心に円状の空きスペースができている。
「それでは」
女神はそう言って馬首を巡らせると、綾香たちを取り囲む兵士の列の間を縫って、姿を消した。
「……ま、あの女神さまのお小言は気にしないこったな」
「あの、ベインさんは……どうして稽古をつける師として誰も名乗りをあげなかった中で、私たちに手を差し伸べてくれたんですか?」
「今後の怠惰な生活を守るために、仕方なく」
「……あの」
言い方からして、冗談なのはすぐわかった。
ニヤけて鼻を鳴らすベインウルフ。
「冗談が伝わる相手だと助かるね……うちの魔戦王も、もう少し冗談が伝わるといいんだが」
ベインウルフが、少しだけ軽薄な表情を改めた。
「とはいえ……実際のところ手を差し伸べたのにそう大した理由はないんだよ。ただ……強くなれば生存率は上がる。ソゴウちゃんにしろ、ヤスにしろ……」
普段は飄々としているベインウルフ。
が、今の彼には奇妙な頼もしさを覚えた。
「強くなることで生き残る可能性が上がるなら……それに越したこたぁねぇだろ」
ドト棒を指で摘まみ、ベインウルフがカヤ子を振り返る。
「そうだな、じゃあ……ソゴウちゃんたちがこの戦いで生き残ったら、お酒の酌でもしてもらおうかな」
ピンッ
前を向いたベインウルフが、ドト棒を指で弾き飛ばす。
「あと、これは余計なおせっかいを承知で言うがね……ソゴウちゃんは、もっと誰かに頼ることを覚えた方がいい。自分だけで抱え込まずに、な」
「……はい。ありがとうございます、ベインさん」
皮肉っぽく笑ったあと、げっそりするベインウルフ。
「にしても、10歳以上も離れた若者に偉ぶって説教垂れるたぁ……おれも年取ったもんだぜ……昔は絶対そんなことする大人にはならねぇと息巻いてたもんだが……あー……ほんと、年は取りたくねぇな……」
「…………」
久しぶりに、心が和らいだ感覚があった。
少し余裕も戻ってきた気がする。
だから、
「ベインさん」
「ん?」
綾香は、心を鬼にした。
「励ましてくれたことには、お礼を言いますけど――」
表情を引き締め、ビシッと言う。
「さっきドト棒をポイ捨てしたのは、どうかと思います」
さっきのはタバコのポイ捨てに似た印象があった。
咎めずには、いられなかった。
「お、おぉ……怒るとこんな感じなのか、ソゴウちゃん……」
自慢げに胸を反らす綾香。
「これでも、中学でクラス委員をやっていた頃は” 鬼十河(おにそごう) ”と呼ばれていましたから」
綾香の口もとには、久方ぶりの笑みが浮かんでいた。
そしてその視界の端には、少しホッとした様子のカヤ子の顔が映り込んでいた。
▽
「そういえばベインさん……女神さまが苛立っているって、本当ですか?」
綾香は、ふと気になって尋ねてみた。
さっき拾ってきたドト棒を胸ポケットにしまいながら、ベインウルフが答える。
「そこそこつき合いの長い四恭聖のアギトも”このところはやけに嫌な絡み方をしてくる”とかぼやいてたからなぁ……だからまあ、おれの印象だけの話じゃなさそうだがね」
「やっぱり、大魔帝が本格的に動き出したからなんでしょうか?」
「……おれの考えじゃ、少し違う」
言って、二本目のドト棒を咥えるベインウルフ。
綾香が厳しい視線を向ける。
彼は苦い笑みを浮かべ、
「こ、今度は捨てないから……」
言い訳っぽくそう呟いてから、続けた。
「ヴィシスが苛立っている理由は……おれは、黒竜騎士団の壊滅が発端じゃないかと思ってるんだがね」
「例の最強と呼ばれていた騎士団ですね?」
「うん。対大魔帝の戦力として、内心、ヴィシスが黒竜騎士団に寄せていた期待は大きかったと思うんだよ。特にシビト・ガートランドは、あの女神をもってして”理外の存在”と言わしめたほどの男だったからね」
この大陸の強者たちが”強者”と呼ばれる 所以(ゆえん) 。
大抵の者にはその説明をつけられるという。
異界の勇者ですら、女神の加護という理由をつけられる。
が、シビト・ガートランドは違ったらしい。
「”人類最強”の強さは過去の歴史を含めても異質すぎた。そりゃあ女神も期待を寄せざるをえない。だが……」
「この前、殺されてしまったんですよね?」
「うん。だから、女神さまも色々と算段が狂ったんじゃないかな……というか、シビトが生きていたら――」
ベインウルフは、そこで声量を落とした。
「ヴィシスは適当なところで、もう少し勇者の数を削るつもりだったのかもしれないな」
「――、……え?」
「根源なる邪悪の次に女神が恐れるものは、なんだと思う?」
「め、女神さまに他に恐れるものなんてあるんですか?」
「強くなりすぎた異界の勇者による――反逆だよ」
「あ――」
「根源なる邪悪を打ち倒したあと、ヴィシスに弓を引いた勇者の記録も残ってる。女神さまとしてはその経験を踏まえて、適当なところで勇者の”選別”をしておきたいんじゃないかな」
(選別……)
「が、大魔帝を倒す前に勇者の数を減らすのは危険だ。下手に勇者の数を減らしたら、あとあと致命傷になりかねない。大魔帝の強さが、まだ未知数だからね……」
綾香はピンときた。
「だけどもし、その”人類最強”が生きていたら――」
「女神に不要と判断された勇者が、すでに何人か処分されていたかもしれない」
綾香の背筋に悪寒が走った。
他人事ではない。
女神の自分への心証がよくないのは十分知っている。
そしてS級でありながら、いまだに固有スキルを使えない。
小山田翔吾には”S級詐欺イインチョ”などと言われる始末である。
(その処分対象は、私だったかもしれない……)
女神の当たりがきつい理由――
(私が、本来ならすでに切り捨てているはずの勇者だから……? だから……私を見ていると苛立ってしまう、ということなの……?)
もしかしたら……。
綾香もなんらかの犠牲になっていたのかもしれない。
そう、他の勇者の供物のような役割に。
たとえば、
(あの時の、三森君のような……)
そんなのはだめだ、と綾香は強く思った。
誰かを切り捨てて得られるものに価値などない。
ベインウルフが、続ける。
「けど、シビトが死んじまったから、意に沿わない勇者の力にも頼らざるを得なくなった。ま……シビトが生きてれば、強くなりすぎた勇者の処分を任せられた可能性も高い。対勇者なら、邪王素の負荷もないしわけだし」
大魔帝を倒したあとのこと。
そんなこと、考えてもいなかった。
そのまま普通に元の世界に戻れるのだと思っていた。
いや……約束通りなら、そうなるはずなのだ。
なってもらわなければ、困る。
と、ベインウルフがそこで不可解そうな表情を浮かべた。
「で……そのシビトと黒竜騎士団の主戦力を壊滅させたと言われてるアシントとかいう呪術師集団なんだが……依然、行方知れずって話だ。ヴィシスとしては不安の芽を背後に残している感覚だろう。自らが”理外の存在”と呼んだシビトを、呪術とかいうわけのわからん力であっさり殺されちまったんだからな……気になっていないわけがない」
ふん、と鼻を鳴らして綾香を見るベインウルフ。
「だから、まあ……一部の勇者は、間接的にシビトたちを殺したアシントに救われたのかもしれないね」
自分に染み渡らせるように、綾香は呟く。
「呪術師集団……アシント……」
シビトという人のことは知らない。
面識もない。
(でも、ベインさんや女神さまがそこまで特別視するほど強い人だった……)
その”人類最強”を倒した呪術師集団……。
そして、
(呪術……)
一体、どんな恐ろしい力なのだろうか?
「にしても、そのアシントって連中は本当に謎だよ。聞けば、最後に目撃されたモンロイ周辺から綺麗さっぱり痕跡が消えているらしい。仮に、もし魔群帯に入っているにしても……そこに至るまでの目撃情報が、不気味なくらいなさすぎるって話だ。……異常といえば、異常な集団だよ」
ドト棒を咥え直すベインウルフ。
「一段高いところからすべてを掌握しておきたい女神さまにとっちゃ、そのアシントは嫌な懸念材料だろうさ。事実、勇者の扱いや今後の計画に影響が出てるんだろう。言ってしまえば、ぽっと出の不気味な集団に計画をかきまわされてるわけだからね……ま、そう考えれば――」
フッ、と。
どこか納得したように、ベインウルフは口の端を歪めた。
「苛立つ気持ちも、わからなくはないか」