軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第515話

【 里エルフ(ヴィラージュ・エルブン) 】、【 山エルフ(モンターニュ・エルブン) 】、【 雪エルフ(ネージュ・エルブン) 】という名前で三種類のカクテルを登録した。発案者は謎の人物ノン=ダーク=レイン。

【 里エルフ(ヴィラージュ・エルブン) 】は【コピ】をベースに、【 山エルフ(モンターニュ・エルブン) 】は【 魔増(マゾ) 歪(ひずむ) ジュース】をベースに、【 雪エルフ(ネージュ・エルブン) 】は紅茶をベースにして【 生命之水(蒸留酒) 】と 無糖練乳(エバポー) と水飴、もしくは 加糖練乳(スアダー) を混ぜたカクテルだ。薄味にするなら練乳を牛乳に変更すればいい。

「さあ、奥の部屋を貸しておくれ。そして試飲だよ」

「今からですか」

「ギルド職員に飲んで確認してもらわないと真価が分からないだろう?」

オロール先生、その方はメッチャお酒が弱いんです。それこそ前世のCMソングの

♪飲まなくていいよ

飲ませないでねどうか

飲んじゃダメ〜

飲んじゃダメ〜

締めは水〜〜♪

と言うアルコールハラスメント撲滅キャンペーンを思い出した。

「さあミーシャ、作っておくれ。【コピ】も紅茶も抽出してきてあるよ」

あ……、これは朝から酒を飲みたいだけなんだな。典型的な悪い酒飲み衆だ。

コピョッ コピッ

そしてコカちゃん、なぞのアピールをするの巻。もしかして解毒は任せろ!って事?

「あの、ホーク=エーツさん、確か二日酔いや悪酔いって確か状態異常回復ポーションで治せましたよね」

「ああ治るよ。ドワーフだったら一番弱いポーションで治せるね。俺の場合は微妙だけど」

「ボクの従魔のコカコッコの雛なんですけど、オロール先生の酔いをツンツンと突いて消してました。なのでホーク=エーツさんを突いたら悪酔いしても治せると思います」

「本当? 古代エルフの酒酔い状態を一発抜き出来るんだったら雛ちゃんの能力は状態異常回復ポーションの中級以上に相当するよ」

「どうだい、試してみたくなったろう?」

「それは興味があります」

興味があるのはお酒じゃなくてコカコッコでの治療効果の方だったみたいだけど。

時間も押すのでさっさと試作試飲する事にした。

ホーク=エーツさんの感想は活力の出て来るお酒だって。そりゃそうだ、ある意味酒入りエナドリだもんな。特に【 魔増(マゾ) 草】のがキマるらしい。アルコールと魔力回復効果で脳にガツンと来たとか。ちなみにコカちゃんはホーク=エーツさんが一種類飲む毎にツンツンしてくれてました。酔いが消える度に 「うわっ」 だの

「おおっっ」 だの歓喜の掛け声が上がるんだけど。

「これは基本の作り方はエルフに人気が出そうだよ。牛乳を使う作り方だとドワーフは 「元気が出るっ飲み物だ」 と言いながら仕事の途中に飲みそうだね」

「じゃあ、そう言う事で登録しておくれ」

コピョコピョ

酔っ払いを沢山突けて楽しかったのかコカちゃんもご機嫌だ。お腹も空いただろうから【 魔増(マゾ) 歪(ひずむ) ジュース】と初期飼料を与えたよ。

「だば、職校さ戻るべな」

(訳「それなら職校に戻ろうか」)

(共)「オロール先生、言葉が」

(共)「ありゃ、酔い覚ましされてたよ」

(共)「酔いながら言葉を…って、まさか使っていたのは【翻訳コニャック】ですか?」

(共)「そうだよ。便利だからね」

(共)「あれ、かなり高価ですよね。あれを買って使うんなら俺は共通語を覚えますよ」

(共)「それはどうなのかねぇ? 地元で買ってきたから私はそう高いとは思わなかったよ」

【翻訳コニャック】はドワーフ領内で買ったら凄く高いらしい。それこそ、一滴で銀貨一枚ぐらいするのだとか。

(共)「ホーク=エーツさん、体調はどうです?」

(共)「凄くスッキリしてるね。朝より快調かな」

(共)「それはよかったです。ボク、正直なところホーク=エーツさんが心配だったので」

(共)「この子の名前はコカちゃんでいいのかな?」

(共)「はい、登録名はコカです」

コピョ コッピョ

(共)「お酒と一緒に支部長に報告しておくから」

(共)「ありがとうございます」

騒動に巻き込まれたくなかったのか、アンディーとカトリーヌは大人しく寝ていた。気持ちよさそうなところを申し訳ないのだが移動するので起こしたけれど。

コカちゃんを預け、速攻で職校に戻った。カトリーヌの集合時間に何とか間に合わせた。ハーネスを着けた【手持ち豚】達が尻尾を振りながら待機していた。

ここはピッグカフェなのか!?

小さな【手持ち豚】達が尻尾を振ってお出迎え (注:イメージです) 。プープーと可愛い声で鳴きながらオヤツ (=野草クッキー) をお強請りしている。オヤツを渡すと良い香りの煙を吐いてくれるのだ (往々にしてソーセージの香りなのだが) 。

よくよく観察すると、やる気丸出しのアグー種の豚さんがいたり、隅の方で寝ているビッツ種の豚さんがいたりする。ちょっと身の詰まったプリマ種の豚さんもいるな。

「カトリーヌ、いってらっしゃい」

プープー

「これ、野草クッキーです。休憩時間に皆にオヤツとして与えて下さい」

プープー

プキィ

プープ プープ

プピプピ プー

俺がそう言いながら豚さん達の引率係の講師に野草クッキーの差し入れを手渡すと、全【手持ち豚】の視線が俺に集中した。

全集中、野草クッキーの呼吸かよ。

{ ―― 豚柱…… ―― }

どんな柱だよ!! でも可愛い【手持ち豚】をカフェ状態で独占出来るなら就任してもいいかもしれないな、豚柱。

【手持ち豚】達が緩やかに尻尾を左右に振り、俺の事を見送ってくれた。俺はこの後オロール先生から新しい刺し子の技法を習うのだ。

(共)「これ…、古代エルフの刺し子技法と違いますよね?」

(共)「新しい手習いだよ。次に作業する職人が困らない様に布の周囲をかがっておくれ」

これ、布の端処理なんだけど……。刺し子じゃないんだけど……。