軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第416話

や(・) ら(・) か(・) し(・) のせいで素人療法で【 苦行草(サドゥ) 】を煎じて飲むのも怖くなった。これは手数料を支払ってでもポーション加工しておいた方が得策かな。でも生の状態の見本も欲しいし……って、それは魔導標本を買えばいいのか。別に自分で採取した物を記念品として保管する訳でもないしな。それより先ずは鑑定しろって事だ。

(鑑定)

【 苦行草(サドゥ) 】: 服用すると苦行を快適に行える薬草。別名は【 過負荷(カフカ) 草】。

服用時は一種の状態異常なので状態異常回復薬で鎮静化出来る。生食すると幻覚を見るので注意が必要である。煎じて飲むかポーションに加工して服用する。

【 苦行草(サドゥ) 】液を飲んで苦行を行うものを “ 苦行者(サッド) ” と呼んでいる。魔力値の底上げを狙って魔力枯渇後に【 魔増(マゾ) 歪(ひずむ) ジュース】を併用する者もいるが推奨はされていない。

他者に無理矢理【 苦行草(サドゥ) 】を服用させる者、させようとする者を “ 苦行を与える者(サッディスト) ” と呼んでいる。我々はサッディストにならぬ様に気を使わねばならない。

おおぅ、これは中々 ア(・) レ(・) な情報だ。鑑定してから試食すればよかった。次からは気をつけないといけないな。

ムキュウ?

「アンディー、もう大丈夫だから安心して」

ムキュウムキュウ

(「あたち ちんぱい ちたの」)

「流石、金級従魔ですね」

「はい。ボクが不甲斐ないばっかりに心配させちゃってます」

「はい、ご褒美に野草クッキーをプレゼントしますね」

ムキュウ!! ムキュウ!!

(「ありがとなの ますたー あげるの」)

アンディーが受け取った野草クッキーを割って俺に渡してくる。いつも思うけど優しい子だよね。

そうだ、ミケヲさんとコタツとネコ車の打ち合わせをしなきゃいけなかった。こちらから日程のお伺いの手紙を出さないと駄目だろうな。直ぐ着くものなのか聞いておかないと。

「あの、ボク、 三毛皇(みけおう) 閣下にお手紙を出したいんですけど、どれくらいの日数で届くものなのでしょうか?」

「親交のある権力者や為政者に書簡や手紙を出す場合ですね。通常であれば転送陣を使用して輸送し、そこから更に先方で調査確認した後、宛先に指定された方の手元に届くことになります。何をもって届くという判断をするかにもよりますが、宛先のある領地内に着くのは最短で一日、そこから本人に届くまでは二〜三日と言ったところでしょうか。ミーシャ=ニイトラックバーグさんが 三毛皇(みけおう) 様に手紙を出すのであれば、転送陣でも直送便でも可能ですし、そこからの確認時間が短縮されますので、発送時間にもよりますが、最短で即日、遅くても翌日には届きますね」

転送陣は非生物を輸送する場合に使う輸送方法で、紙一枚から酒樽や馬車の荷台といった大型荷物まで輸送が可能。直送便は【黒猫印の配送便】のスタッフさんが荷物と一緒に転送陣移動をし、届け先に直接配達をしてくれる輸送方法だ。

まさか、従名誉猫獣人の肩書きにそんな特典があるとは思っていなかったよ。

「あ、そんなに早くお渡し出来るんですね」

「パイク=ラックさんとミーシャ=ニイトラックバーグさん、お二方限定の特権ですね」

「だったらボク、今ここでお手紙を書きます。なる早……いや、なるべく早く届く様にお願いします」

どうやら、転送陣を使って手紙を輸送後にミケヲさんの所まで配送便スタッフが走って届ける模様。当に飛脚の仕事だな。

まさか打ち合わせが場所が黄金の茶室じゃないだろうから、何をオ・モ・テ・ナ・シの料理にするか考えないと……。前に要望の有ったドジョウの柳川でも作るか? 後はきんぴらゴボウか? 下手したら手紙の遣り取りが夕方前に終わってしまいそうだ。だったら先にドジョウとゴボウの手配をしなきゃ駄目だな。

「あの、【 川底小枝(ヤナガー) 】と【 強情菊(ゴンボ) の根】の注文をしたいんですが、取り寄せに何日ぐらいかかりますか?」

「【 川底小枝(ヤナガー) 】は『ネオ=ラグーン』領内で採れる物を手配出来ますので翌日には入荷します。【 強情菊(ゴンボ) の根】はエルフ領内からの輸入ですので通常二日から三日、追加料金を支払えば注文本数にもよりますが翌日には入荷可能です」

「だったら追加料金を支払います。【 強情菊(ゴンボ) の根】を二本注文します。【 川底小枝(ヤナガー) 】は五十匹でお願いします。後、【食用マンドラゴラ】一本と【 緑白(りょくはく) 】葱を三本、【コカコッコの 祝福(ブレス) 卵】を十個も注文します」

「承りました」

「 三毛皇(みけおう) 閣下へ提供する料理の食材ですので、間違いのないものをお願いします」

食材の発注もした事だし、急いで手紙を書こう。普通の挨拶文と日本語のものと二通書く。日本語の方には念の為にコタツミカンの印章で封蝋しておこう。

「 お代官様へ

スパイメモ、拝読しました。まさか本当に数分後に消滅する手紙があるとは思ってもみませんでした。

ところでネコ車とコタツの仕様を伝えるという 演(・) 出(・) ですが、いつ此方にいらっしゃいますでしょうか?

二の週・十の日以降であれば柳川鍋ときんぴらゴボウでおもてなしが可能です。

by.越後屋 」

まぁ、こんなもんでしょう。日本語で書いた手紙を入れた封筒にはコタツミカンの印章で封蝋を施し、おまけで [ 親展 ] と入れておく。普通の手紙は封蝋無しだ。ミケヲさんの部下に見られても一向に構わない内容だしな。最後に手紙を二通入れた箱に封蝋を施せば完成。従名誉猫獣人の特典で転送陣で輸送した時と同じ送料で送ることができた。ヒャッホー、ブラボー、ワンダホー。イッツ・ハラショータイムです。