軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第390話

お風呂の心配をしていたらフィオナお義祖母さまがお風呂に入るのか打診してきたよ。何とパイクお義祖父さまの家にはお風呂がありました。

「うちには小さいけれどお風呂がありますわ。ミーシャさんの体調が大丈夫そうなら入って下さいね」

「フィオナお義祖母さま、お気遣いありがとうございます。お風呂があるんですね」

「ええ。蔓を水に浸す時にも浴槽を使うのですわ。学園みたいな樽ではないので安心して下さいな」

「ありがとうございます。お風呂を使わせてもらいます」

「家庭のお風呂で一人用ですからね、湯浴み着は不要ですわよ。それとも湯浴み着無しでは恥ずかしかったかしら?」

「いえ、大丈夫です」

「怪我をしているところがないか確認して下さいね」

湯浴み着無しで一人のんびり入る風呂、楽しみ過ぎるよ。まぁ、己の転生姿に興味がある訳でもないし……少なくともドワーフは前世基準でいうところののセクシーボディではなかった。そして学園の樽桶風呂ではないって表現、つまりフィオナお義祖母さまは学園出身なんだな。

サイズ的には二百リットルくらい入りそうな四角い浴槽。浴槽の内側と洗い場はタイル張りで、昭和の頃のお風呂って感じね。銭湯っぽいとも言う。湯船の高さが低めなのはドワーフ向けだからなのか蔓の下処理用だからなのかは不明だ。自分の体ををザッとチェックしたけど特に打ち身の痕とかは無いな。本当にその場で気を失っただけだったんだろう。それに、お風呂で落ちかけた時はヤーデさんが { チョイナチョイナ } だの { 四一二六(ヨイフロ) } なんかのメッセージを送ってくれていたけど今回は何も無かった。なので生命の危機は無いレベルだったんだろう。

パイクお義祖父さまの家のお風呂、これは将来家を作る時の参考になるぞ。給湯方式は、魔法でお湯を沸かして給湯する方式。個人宅では一番普及しているタイプだ。公衆浴場だと薪を焚いたり、魔道具と魔法の併用方式だったり。スライムを利用して水質浄化をする循環風呂の追い焚き方式が普及している。何度か使った後の公衆浴場の風呂水は飲み水以外で利用されている。水資源、無駄にせずだ。

そう言えば着替えを持ってきてなかった。やらかした…と思っていたら着替えが用意されていた。実家ありがとうございます!!

パイクお義祖父さまの家ではお風呂の順番は特に決まりはなく、入れる人から入る方式。お湯が汚れてきたら『浄化』をかけたりスライムを泳がせたりする。と言う事で、一番最後にアンディーの順番が回ってきた。水浴びはするけどお湯のお風呂は初めてだった模様。

(「ますたー おゆなの」)

(「溺れないで入ってね」)

(「だいじょぶ なの」)

いつもより少し遅れて念話が繋がる。距離のせいかな? まぁ、それだったら心配しなくてもいいな。でも、水浴びだけだよね? 流石に石鹸は使えないだろ。

(「ますたー あわなの」)

(「泡? 石鹸?」)

(「あわなの」)

(「アンディー、泡が付いたままお湯に浸かったらダメだよ」)

(「そなの?」)

(「手桶で泡を流してから入ってね」)

(「わかったの」)

う〜ん、不安だ。でも、尻尾やお腹は洗えそうだけど背中は無理だよね?

(「ぐるぐる なの〜」)

えっ!? まさか洗い場で回転してるのか??? そんな風呂場の床を洗うやり方でいいのか? めっちゃ心配だ。

(「アンディー、大丈夫?」)

(「だいじょぶ なの おゆなの あわ きえたの」)

(「本当?」)

(「だいじょぶ なの おゆなの」)

後でフィオナお義祖母さまにごめんなさいと伝えておこう。流石にアンディー単独でお風呂は無理だよ。

水気を取ってもらったアンディーはふかふかのモフモフ。タワシでブラッシングしてあげたらキュウキュウ言いながら目を細めて極楽モードに突入してるし。普段は水浴びの他にアンディーがセルフ浄化をしてくれてるので汚れていないと思っていたけど、やはりお湯のお風呂に入れて石鹸で洗うと極上の手触りになるんだな。

(「アンディー、お風呂は楽しかった?」)

(「たのちかったの」)

リズ=タイラーさんがお風呂場をチェックしてくれていたけど、特に酷い事にはなっていなかったそうなのでホッとした。でも今度からアンディーを単独でお風呂させるのは止めておこう。

晩ご飯の話題はアンディーのお手柄武勇伝に尽きる。別名、俺のやらかし物語。アッシュちゃんに対して反面教師になるから気にしないぞ。それに殆どのドワーフは体験してるって言う話だしな。

俺の昏倒の原因は岩塩に対し、鑑定だ、前処置だと様々な魔法やスキルを使った後に『汎用魔法』として『鉄分除去』や『鉄錆除去』を試した為らしい。魔力が満タン状態で『鉄錆除去』だけを単発使用だったら大丈夫だった可能性が高いのか。

「アッシュちゃんにも関係のある話ですからね。ミーシャさんは学園で魔法学の初級講座は履修してないのですわよね?」

「はい」

「編入時期が今時期なので仕方がないですわね。魔法というものは系統で魔力の使用量がかなり違うというのはご存じでした?」

「初耳です」

「火魔法、水魔法、土魔法、風魔法は意外と消費魔力は多くないの。次いで 草樹(くさき) 魔法と光魔法ね。そして何かと便利な『汎用魔法』はイメージと違って結構と魔力食いなのですわ」

「そうなんですか?」

それってマジ!? あると日々の生活に便利な魔法のカテゴリーだから魔力消費量が少ないんじゃないんだ。

「あると便利な魔法というものはね、結構な確率で系統を捻じ曲げたり無理をさせているものなのですわ」

「婆さんや、どう見てもその話は長くなるのじゃろう? 詳しい説明は明日にでもしてみてはどうじゃ?」

「そうですわね。私としたことがつい……」

フィオナお義祖母さまの魔法学講座は明日になるとして、話題はアンディーの武勇伝に戻る。見せられたのはアンディーが説明の為に描いたイラスト。フィオナお義祖母さまが預かってきていた。棒人間にツインテールと髭が付いてる。これ…俺か。その脇に尻尾の付いた座布団が描いてある。アンディーとセットになってる絵だとコレ、 “ ミーシャ=ニイトラックバーグと従魔 ” だと分かるな。