軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第271話

今月の最終日は先日パイク=ラックさんの家でアッシュちゃんと一緒に作った料理の再現と、【蛇魚】の仲間を調理する訳で、前日に食材が揃っているか、どんな魚が届いたかを確認する為に商業ギルドに顔出しをする約束をしていた。【痺葡萄】こと青山椒があればいいけど。

サラダ用の野菜、【 王芹(セレリィ) 】、【玉チシャレッタ】、【葉チシャレッタ】、【 緋(あか) 茄子】は商業ギルドの職員さんが手配してくれていた。後、トッピングに使うチーズとクルトン用のパン、『コカコッコの 祝福(ブレス) 卵』とドレッシングに使うマヨネーズと【リモー】もだな。ポタージュ用の【茄子花芋】、調味料としての塩と【 長胡椒(ヒハー) 】はギルドの備品を使わせてもらう事にした。【茄子花芋】、塩、【 長胡椒(ヒハー) 】はどこのギルドでも備蓄されている。まぁ、芋と塩コショウがあれば最低レベルとはいえ腹は満たせるからな。

後、アッシュちゃんも参加する事になった。再現だからかな?

で、商業ギルドに行く前に任意で炭焼きの為の木材の確認をしに行く事にした。炭焼きの講師には何も言われなかったが念の為チェックしに行く。職校には材木のチェックに行ってくる旨を申請しておいた。勿論トラブル防止の為だよ。何か有った時に責任を押し付けられたくないもん。あの時の実習畑に行ったらクルラホーンのアルチュールさんに会えるだろうか? 念の為に少し多目にお酒を持って行くか…。ツマミは…ナッツとか干し肉でいいのか?

炭焼きの為に準備していた材木には何事も起きていない様だった。俺、心配して損だったとか? 辺りを見回してみたら何やら小さい人影が…。

♪ ラッラッホ〜 ル〜ラッホ〜〜 ♪

それってヨーザックが木を切る歌の掛け声!?

「おっ、ミーシャじゃねぇか」

「アルチュールさん、こんにちは。お酒飲みます?」

「朝っぱらから悪いなぁ。ゴチになりやーす」

アルチュールさんに『 生命之水(蒸留酒) 』の入ったポーション瓶を手渡すと幸せそうに飲み始めた。

「ナッツと干し肉も有るのでどうぞ」

ナッツと言ってもクルラホーン用なので、松の実に胡麻程度なんだけど。

「今日はここで何を?」

「見回りだよ、見回り」

「お疲れ様です」

「よせやい」

「アルチュールさんは『スワロー』の中には来ないんですか?」

「気が向いたら…だな。ドワーフ領は酒に寛容だけど、飲み残しがねえのがよぉ……」

それは仕方ない。ドワーフだもの。

「ボク、滅多にここには来ないんですよ。『スワロー』でアルチュールさんに会ったらお酒をご馳走しますよ」

「マジか!? お前に飲ませるアルコールはねえ!! とか言わねぇだろうな?」

「言いませんよ」

「まぁ、飲ませてくれるんなら【白濁酒】でも文句は言わねぇけどな。とは言っても【 涙目(サワー) 酒】は止めてくれよ」

「アルチュールさんって【白濁酒】を飲んだ事が有るんですか?」

「有るぞ。ありゃー、口当たりがイマイチだった。 涙目(サワー) 化したやつも飲んだけどな」

ドブロクが酸っぱくなったやつかよ…。種族の縛りで貰い酒しなきゃいけないとはいえ可愛そうではある。

「苦労されたんですね」

「仕方ねぇよ。それがクルラホーンだからな」

「アルチュールさん、【白濁酒】を透明にする方法があるんですけど」

「マジか?」

「マジです。でも【白濁酒】が透明になった時の味を知ってる人は凄く少ないと思います」

「コンチクショウ、飲んでみてぇじゃねぇか……」

「手に入ったらご馳走しますよ」

「約束だぞ」

ドブロクを手に入れたら濾してみよう。

職校に戻ってきたので炭焼き用の材木に異常がなかった事を報告しておく。これ以降の時間帯で異常が発生したら仕方ないというもの。あと、来月は学生寮を使わない事を申請しておく。オロール先生が戻ってきたらその時はその時だ。オロール先生と言えば折角渡してもらった【妄想タケ】とかの磨き実験してないんだけど……。

商業ギルドに来たので今日までに届いていた【蛇魚】の仲間を確認する事にした。

「こちらが届いた【蛇魚】類になります。ご確認下さい」

「ありがとうございます」

出された魚を順番に鑑定していく。まぁ『対物簡易鑑定』でいいかな。分からなかったら普通の鑑定にしてみよう。

(簡易)【大蛇魚】: 前世のウツボ。獲ったどー!!

(簡易)【海蛇魚】: 前世のアナゴ。

(簡易)【海蛇魚(牙種)】: 前世のハモ。

(簡易)【 川底小枝(ヤナガー) 】: 前世のドジョウ。

残念ながらチンアナゴとヤツメウナギは届いていなかった。まぁチンアナゴは水族館で愛でるものであって食べるものではないと思っているので、届いてなくても許すよ。

今回はウナギは無しなんだ。ちょっと残念。でもアナゴもいるしハモもいる。ハモって骨切りするんだっけ? よく聞くのは梅肉ソースだったか。異世界に梅干しは無いんだが…。まぁ酢醤油ならぬレモン醤油でいいだろう。もしかしたらウツボも骨切りするんだろうか? アナゴは煮アナゴもいいけど天ぷらも美味い。いや、アナゴは煮アナゴにしてウツボの方を天ぷらにしてみた方がいいかもしれない。前世の民放TVで見た無人島番組では芸能人さんがウツボを「油にポーン」ってやってたけど。面倒くさくなったら全部蒲焼きの刑だ。ドジョウは柳川鍋かな…。しまったゴボウが無い!! ゴボウの持ち主のオロール先生も居ないしなぁ…。まぁ醤油味の卵とじでいいんじゃないか? そうなったらネギを追加しておいてもらおう。

「ありがとうございます。リンド=バーグさんとガルフ=トングさんが新作包丁の試し切りを楽しまれると思います」

「何か不足の物は有りましたでしょうか?」

「【 緑白(りょくはく) 葱】を何本か追加手配して貰えますか? 後……エルフの好む木の根みたいな野菜は無いですよね?」

「エルフの木の根と言えば【 強情菊(ゴンボ) の根】でしょうか?」

「有るんですか!?」

「『ロング=フィールド』から取り寄せになりますので銀貨五枚程になりますけど、いかが致します?」

「高っっ!! 明日使うんですけど間に合いますか?」

「在庫があれば今日の夕方には届きますよ」

「クッ……、二本お願いします。ついでに【食用マンドラゴラ】も一本お願いします」

悲しくなったのでキンピラゴボウも作って食べようと思った。