軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第246話

ワギュとラパンが元気そうで良かった。今度、馬車組合の【 運魔(ウマ) 】達に差し入れを持っていってあげよう。あ、それだったら蹴爪をくれたコカコッコ夫婦にも【ホヤッキー】の欠片とか持っていけばいいのかな?

コカコッコの事を考えていたら生玉子が食べたくなった。釜玉パスタに醤油を垂らすか、半熟目玉焼き乗せトーストか。生玉子じゃないけど、おろしイクラ冷やしパスタもいいよね。シーザーサラダ温玉乗せ……そうだ、この世界には温泉玉子がないみたいだ。あれって六十度くらいのお湯に浸けて、温度キープのまま三十分くらい放置で出来るんだっけ? 保温の魔道具はあるから作れるんだな。個人的に実験するなら…土器で中空のポットを作ってお湯入れて保温かな? まぁ失敗しても固いか緩いかなだけで食べられない訳じゃないし。

まてよ、パイク=ラックさんが蝋引きの時に溶けた蝋の温度を見る為の温度計を持ってたな。それを使えば保温の魔道具が無くても温度をキープ出来そうだし、パイク=ラックさんに相談したら保温の魔道具を貸してもらえるかもしれない。そして俺が食べたいのがシーザーサラダだ。サラダ、つまり生野菜。温野菜を使ったサラダもあるけどシーザーサラダは生野菜だ。パイク=ラックさんのお孫さんのアッシュさんは俺から料理を習いたくて、パイク=ラックさんに野菜を食べてもらいたい。つまり、パイク=ラックさんの自宅で温泉玉子の実験を兼ねてシーザーサラダを作ればいいんだ!!

となったら、パイク=ラックさんに相談しなきゃ。温泉玉子は…大丈夫、鉱山の近くには温泉が湧くから温泉って単語は普通にあったよ。何で温泉玉子が無いんだろう……、もしかして温泉に浸けるけど、その温泉が源泉掛け流しというか源泉で熱過ぎて固茹で玉子になってるだけか?

シーザーサラダならドレッシング用にマヨネーズも要るかな。ベーコンとかチーズとかは普通に流通してるから問題なし。クルトンはパンがあれば賽の目に切って乾燥すれば作れる。俺、クルトンをポタージュに浮かべて食べるのが好きなんだよなぁ…。だったらジャガイモのポタージュも作るか。後はパンがあればメニュー完成。足りなきゃソーセージでも食べて下さいって事で。

今からお願いに行ってもいいけど少し遅いな。明日、三の週・一の日から午後は炭焼き実習の為の樹木学の実地が始まる。四の日まで近くの里山で実際に雑木を見ながら里山管理の方法を学び、炭にする木を選んで伐採する。五の日は休みで六の日から九の日までは乾燥のやりかたや炭焼き窯の扱い方等、火を入れる直前までを学習。問題なければ十一の月・一の週・一の日に炭焼き窯に火を入れる。…というタイムラインだ。本来なら伐採した木を乾燥させる時間を十分に取るんだけど、そこはスキルや魔法で時短するらしい。

まぁ、サクサク進まないので十一の月・一の週のうちに火入れが出来れば上出来らしいんだけどね。

温玉を作るのは早くて五の日か…。

職校の学生寮に戻ったらオロール先生の部屋のドアに あ(・) の(・) メッセージボードが掛かっていた。エールの絵を貼っておいて俺も風呂に向かう。行き違いになってもあれを見たら分かるだろう。

お風呂を済ませて俺の部屋に戻ってきたらエールの絵に花丸が付けられてドアに貼られていた。分かり易いな。オロール先生を迎えに行き食堂へ向かう。今夜のメニューはポトフと大麦パンだった。オロール先生は塩気が足りないのか岩塩と【 長胡椒(ヒハー) 】をガンガン振り掛けてるよ。俺は【 長胡椒(ヒハー) 】を少しだけ振り掛ける。どちらかと言えば練り辛子もといマスタードがあればいいんだけどなぁ…。

柔らかく煮えた根菜類としっとり柔らかく煮えた【茄子花芋】が週末の胃に優しく沁み渡る。ホロホロになるまで火の通ったお肉、これ…猪肉じゃないよ。どちらかというと前世の豚肉に近い。それも角煮でお馴染みのバラ肉の塊こと三枚肉だ。異世界に豚肉有るんだ…。

(共)「ん? 何か変なモノでも入ってたのかい?」

(共)「いえ、このお肉、猪肉っぽいけど猪肉じゃないみたいだな……って思って」

(共)「あ、それは【プラントオーク】の肉だよ」

(共)「【プラントオーク】ですか? ボク、食べるの初めてです」

(共)「猪肉は野生種を狩らないと食べられないだろ? オークはダンジョン等に行って狩らないといけないから、もっと口に入らないだろ?」

(共)「そうですね」

(共)「そこで、ヒト族ほどオーク狩りに行けない亜人種は家畜化したオーク、【プラントオーク】を生み出して、それを飼育して食肉にしてるのさ。獣人は狩りが得意な種が多いからね、そこまで普及していないね」

(共)「どんな姿なんですか?」

(共)「オークって名前が付いてるけど魔物のオークと違って四つ足だよ。オーク顔の体毛の少ない猪だね。尻尾が特徴的でね、クルンとしていて可愛いよ」

それは前世の豚なのではなかろうか?

(共)「【プラントオーク】は良いよ。猪と違って変な病気も持ってないし寄生虫も付いていない。季節で脂が臭いとか肉質が硬いとか無いからね」

(共)「それは最高です!!」

(共)「まぁ、美味しい肉ではあるんだけど、生産とか流通の関係で田舎だとなかなか口に入らないのが玉に瑕だよ」

(共)「本物のオークとどちらが美味しいんですか?」

(共)「ヒト族はオークの方が美味いとか言ってるけどね。私は【プラントオーク】の方が肉が柔らかく脂の味も濃いと思ってるからねぇ。尤も、オークは魔力やら何やらの絡みもあるし、猪ほどじゃないけど野生種故の肉質のムラもあるから、そこがバチッとハマった個体の肉なら美味いんだろうけど……」

天然か、養殖か…ってことだな。

「これはねー、畜産科の実習で育てた【プラントオーク】を解体したお肉だよー」

「教えてくれてありがとうございます」

厨房の おばちゃん(スタッフさん) がお肉の出処を教えてくれました。