軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第198話

今日は午前中に作業も講義も無い日なので早めに作業してしまおう。午後からはスライム学と野菜刻みが待っている。工具の購買部で拡大鏡を手に入れたので改めて琥珀をチェックすることにした。ちなみに購買部は午前七時〜夕方五時まで。早朝から開いているので有り難いです。宝飾用というか、魔石確認用の拡大鏡を購入した。コの字型をしていて上部にレンズが嵌められているので両手が塞がらないのが気に入った。魔石確認用には無理だけど、宝飾用なら魔力を通して倍率を上げることの出来る魔導拡大鏡も有るからそっちも発注してみようかなぁ。

面白がって【 魔海鞘(まボヤ) 】を観察してみた。拡大すると不思議な感じに見える。前世だったら「赤い色をしたゴツゴツした岩肌が広がる。これが火星の風景です」なーんて言ったら通用しそうだよね。これを 木賊(とくさ) で研磨するのか…。

そうだ、【 魔海鞘(まボヤ) 】もスケッチ対象じゃないか…。

琥珀の内部を確認する。一号を濡らして表面近くの脱水由来のクラックを見えなくしてから拡大鏡をのぞき込む。琥珀に特有の貝殻状のクラックが入っているのは仕方ないけど、中心部分に何だろう、白っぽいゴミ?が見える。古代のゴミが取り込まれたのかな?

んん〜〜??? これ、虫なのか??? まさかの虫入り琥珀!? これ、細くて白いのって脚だよね? そう思ったら小さな羽虫に見えてくる。 これ、脱水してひび割れた部分を極力削り落として内部の虫入り部分を残すように研磨したらどうだろう? もし、中心部分に近付いても脱水由来のクラックが消えなかったらその時は諦めるか樹脂を塗ろう。 魔(ま) 膠(ニカワ) を塗ったら見た目だけは整いそう。まぁ…邪道だけどな。前世だったら紫外線硬化樹脂つまりレジン処理で表面を誤魔化してるみたいな作業だもんな。

かりん糖みたいな二号は特に内包物は確認できなかった。これは形をどう作るか決めかねてるので表面をしっかりと整えておこう。最初の処理が後々まで響くのは実践済みだからね。最初に粗く傷を入れてしまったら消すのが大変で仕方ない。

切り餅っぽい三号、あれっ? 昨日と色が変わって見える? 昨日より何とな〜く青味がかったような気がする。気がするだけ? まさかのブルーアンバーとか? でも異世界には紫外線ランプとかは無いから明確な確認のしようがない。うーん、これは 陰刻(インタリオ) 加工の材料にするつもりだったけど、本当にブルーアンバーだとしたら他に利用価値があるのか否か。いっそのこと、職人さんに渡して太陽神の姿でも掘ってもらう? 俺は琥珀を研磨するだけ。そこから彫刻職人さんに渡して 陰刻(インタリオ) を掘ってもらい、宝飾職人さんに加工してもらって販売に回してもらうとかは可能なのかな?

太陽神は女神様。コヴァ=サティ神。月の神様も女神様でセイラ=ビット神。星の神様は男性神でヨーン=ジュン神。このあたりはセットで登場してくる神様だ。

とりあえず方向性が固まったところで研磨開始。一号と三号だけでも仕上げておこうと思う。八の日の夕方にリンド=バーグさんと学園でコカコッコの蹴爪を始めとした魔獣素材の扱い方の課外授業を聞くし、その前後にラルフロ=レーンさんの工房にも行くだろうからこの琥珀の使い道を相談してみようかと思う。琥珀が魔道具にならなくてもあの 人(ドワーフ) は販売網を持ってそうだしな。【 魔海鞘(まボヤ) 】のランプも両方に相談してみてもいいな。

一号はかなりサイズダウンさせてしまった。唐揚げからウズラの卵になりました。それでもかなり脱水由来のクラックは減らせたからいいかな。一号はかなり削らなきゃいけなかったので全部 木賊(とくさ) で研磨するのは諦めて中砥石を出して整形した。琥珀特有の引っかかる感じの感触と砥石が目詰まりする感じが何とも言えない。それでもオパールよりは柔らかくて気を抜くと削れ過ぎるから注意しないとね。琥珀を研磨した 木賊(とくさ) って火に焚べたら良く燃えそうなイメージがあるんだけど…。これは研磨の神様と竃の神様に感謝しながら火に焚べる(=お焚き上げ)したほうがいいのかねぇ?

研磨の神様はポリシュラ様。マニアックな神様の一柱だけど俺は信仰していますよ。何と言うか…こう、♪ポリシュラ、ポリシュラ♪…と歌いながら研磨したくなるのは(苦笑) きっと讃美歌だ、それは讃美歌に違いない!! …って違うか。

琥珀を磨いていたら乾燥 木賊(とくさ) が鬼のように減っていく。後で買い足さないと。種類は少ないけど最安値は学園の購買部なんだよなぁ…。

土魔法『土器』で作った研磨台 ( と言っても十五センチ四方の角材みたいな形なのだが ) に木賊を置きながら、これ…研磨台にピタッと貼り付いてくれないかなぁ…と念じながら作業を続ける。水で濡らして研磨台に置くんだけど動くとウザッてなるのが何とも。何となくスキルな生えかけの感覚…なのかな? 木賊(とくさ) 、ピタッと付いて!! って、これ何て言うスキル名になるんだ!?

仕上げ砥扱いの 砥石(とくさ) に変えて、濡らしながら丹念に磨く。乾かしては光に翳し傷を確認し、また濡らして研磨して……の繰り返し。気付いたらお昼ご飯の時間になってるし。取りあえず一旦終了してお昼ご飯を食べてこよう。休憩したら研磨の粗も見えてくるだろうし。