作品タイトル不明
628.家族全員で休むと決めたの
久しぶりに一緒に寝ることにした。ふと思いついて、ディのベビーベッドを運ばせる。それからフランク経由で、レオンとランドルフも誘った。枕を抱えたランドルフに続き、レオンも飛び込んでくる。可愛いことに、以前買ってあげた猫の人形を抱えていた。
「俺も、いいんですか?」
不安そうなランドルフは、いつになっても慣れないのね。この家で暮らしたら、全員家族なのよ。もう一度しっかり言葉で教えた。オイゲンもそうやって家族になったの。聞きながら頷くランドルフを抱きしめたら、レオンが「ぼくも!」と主張する。
二人一緒に抱えた私を、ヘンリック様が正面から抱きしめる。
「うわっ、つぶれ、たう」
レオンがもぞもぞと抜け出し、それを見てランドルフが声を上げて笑った。もぞもぞとローズが動き出し、起きてしまった様子。でも……すぐにまた転がった。眠気に勝てないのね。伸ばしたローズの手を、レオンがぎゅっと握った。
「おにい、たん、いるよ」
にこにことローズに語り掛け、くすんだ金髪に空いた手で撫でる。お兄ちゃんという役割が本当に気に入っているのね。全員で一緒に……あっ! リリーにユリアーナの予定を確認した。明日は出かけない? だったら、一緒に眠らないか聞いてきて。
未婚の貴族令嬢だけれど、家族で寝る分には問題ないわ。それに大勢が一緒に過ごす今夜は、リリーとイルゼが交代で部屋にいる。マーサは明後日まで休みにした。ケガを治してもらわないといけないもの。申し訳なさをお金で示すのも失礼だから、別の何かで補いたいわ。
ヘンリック様が左側、ランドルフとレオン、手を繋いだローズ、私の順番で並ぶ。少し右側を空けているのは、ここにユリアーナが来てくれたら……という願いね。ディは専用のベビーベッドですやすや眠っていた。
顔立ちはヘンリック様に似ているのに、髪色は私。ひたすらよく眠る子で、乳の吸いもいいと乳母から聞いている。将来はヘンリック様に似たハンサムになりそうね。でも似ていると言ったら、レオンもそっくりよ。ローズはどことなく……私に似ているような?
子供達の顔を見比べていたら、ノックの音がして扉が半分開いた。顔を覗かせたユリアーナが体を滑り込ませるように入って来る。
「お姉様、いいの?」
「今日は全員ここで寝るの。家族だもの、あなたも一緒でしょう?」
断られるなんて思わない。当たり前よと伝えたら、笑顔で頷いた。空けておいた右端にユリアーナが滑り込み、目を閉じる。しばらくすると、レオンとランドルフがひそひそと話し始めた。可愛い内容なのよ。明日は何をしよう、猫と遊びたい、そんな些細な日常のことばかり。
ローズも一緒に誘おうと付け加えたランドルフに、レオンがどう答えたのか。声は聞こえなかったから、頷いたのかしら? うとうとしながら夢に半分埋もれて、今日が終わっていく。ヘンリック様の「おやすみ」が聞こえた。明日はもっといい一日になりますように。