軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

15-2.(ヘンリック)大人げなくて結構だ

三つある公爵家の夫妻が全員揃うお茶会など、王家主催でも滅多にない。社交は妻の仕事であるため、夫が仕事に行くからだ。六人が揃った理由は……アマーリアだろう。皇太后となられたマルレーネ様を動かし、国王カールハインツ陛下の覚えもめでたい筆頭公爵家の夫人。

この肩書きだけなら、社交界の華であるユーリア殿が黙っていない。パウリーネ殿も独自の派閥を持ち、国外に顔が利く。この国では独特の感性と称されるパウリーネ殿も、国外では人気が高い。外交交渉に長けた貴族夫人の一人だった。

最初に傾倒したのはどちらだったか。アマーリアを可愛がるマルレーネ様の真意を確かめるように接触し、あっという間に絡め取られた。二人ともアマーリアのファンを喧伝するため、自然と注目度が上がる。お陰で社交に精を出さないアマーリアは、社交界でも一目置かれていた。

滅多にお茶会に参加しないため、幸運の象徴とさえ言われる有り様だ。なんでも、参加したお茶会で姿を見かければ、よいことがある。もし言葉を交わせたら、よいことが重なると聞いた。

最初は何の話かと思ったが、どうやらアマーリアが話しかけたと聞き、マルレーネ様や陛下が積極的に話しかける。それを幸運と言い換えたのだろう。言いえて妙かもしれん。

「とぉ! らっこ」

離れた席からでも、可愛いローズの声は聴き逃さない。慌てて立ち上がり、会釈してから足早に駆け寄った。両手を伸ばして愛らしく笑う娘を、ひょいっと軽く持ち上げる。慣れたもので、ローズは高さを怖がることなく笑い声を立てた。

「どうした? もういいのか」

「お父様、ロジィは眠いの」

腕が温かいから。兄らしい視点で話すレオンは、だいぶ言葉がうまくなった。単語もいろいろ覚えて、口達者になる日も近いだろう。

「そうか、ありがとう。レオン」

お礼を言えば、嬉しそうに頬を両手で包む。こういう仕草は誰に似たのか。前妻だろうか? いや、そんな仕草をしていた記憶がないな。アマーリアではないし……もしかして、イルゼ? 想像して首を横に振った。多分違う。

「ローズ、かか様のところへ行こう」

アマーリアを「かぁ」と呼ぶ娘にわかりやすい表現で伝え、歩き出す。しっかり抱いて密着し、見つめるランドルフに口角を上げた。にやりと人の悪い笑顔を向ける。自分でも大人げないと思うが、アマーリアやローズは守る対象だからな。レオンは一緒に守る側に立つから別枠だ。

ディはまだはっきりしないが、ある程度育ったらレオンと同じ側を望むだろう。俺の息子なら、守られるだけの子供のはずがない。

「本当に大人げないんだから」

見ていたわよと注意する口調ながら、アマーリアは笑って許した。振り返った先で、ランドルフが手を振る。嬉しそうなローズが振り返した! だから、まだ早い!! いや……そうじゃないな。お前にはやらん!!