作品タイトル不明
13-3.(レオン)へーかの温室のお茶会
何度も遊びに来た温室へ行くの! 案内の人はいつも同じなんだ。後ろにお父様とお母様が並んで、僕はラルフと手を繋ぐ。本当はロジィと繋いであげたいけれど、アナ姉様が一人になっちゃう。でも こ(・) ん(・) に(・) ゃ(・) く(・) 者(・) じゃないから、ラルフと一緒はダメなの。
貴族は難しいのよ、とお母様が教えてくれた。ちゃんと約束を守って、ラルフと手を繋いだよ。後ろのロジィが手を伸ばすから、気づいたら四人で並んでいた。僕とロジィが真ん中だ。
「これはいいの?」
「私とランドルフ様が、二人きりで手を繋がなければいいの」
首を傾げる。間に僕達がいるから、平気みたい。にっこり笑うと、アナ姉様も綺麗に笑った。最近、すごくお母様に似てきたよね。アナ姉様はお母様の妹だから、似ても当然なんだって。ロジィも僕に似るのかな? 真ん中でご機嫌のロジィは手をゆらゆらした。
前は僕も手を揺らして歩いたけれど、やっぱり似ているのかも。嬉しくて僕も手を揺らした。ラルフやアナ姉様もダメだと言わないから。一緒に歩いて、見慣れた温室に入る。頭を下げて見送る人に「ありがと」とお礼をした。ロジィも真似して「あんと」できたよ。
「あらあら、可愛いこと。こちらでお菓子をどうぞ」
ティナおばあ様だ。この国で一番偉いカール兄様のお母様のお母様? とにかくすごい人なんだ。優しくて温かくて、美味しいお菓子をくれる。
「ありがとう、ティナおばあ様」
「ちな、あんと」
ロジィは笑顔でお菓子を受け取り、いきなり食べた。お母様が慌てて手を拭こうとするけれど、遅かったね。僕が拭いてあげたら……あ、さっきロジィから渡されたハンカチがあったよ! 早く思い出せばよかった。小さく齧ってお菓子を回すの、お行儀悪いからダメなのに。ロジィは勢いよく食べ終えた。
すぐに僕がハンカチで拭く。ラルフが頭を撫でた。こういうの、子供扱いだけど嬉しい。お母様が「もっと子供でいいのよ」とよく言うから。僕はまだ子供をたくさんする。
「おほほっ、いらっしゃい。アマーリア夫人、ヘンリック殿」
お父様やお母様を名前で呼ぶのは、綺麗な「へーか」様。お名前は違うんだけど、皆が「へーか」と呼ぶから、僕も同じにした。
「マルレーネ様、お招きありがとうございます。皆様はもうお揃いかしら?」
話しながら温室の奥へ進んだ。温室は僕が初めて来た頃より、大きく広くなったの。向こうにルーがいる! ロレ兄様とカール兄様……あとは、お母様のお友達! お名前が長くて難しいから、お友達でいいの。
いつもと同じ段差の絨毯に座り、アナ姉様は手を振った。行ってくるね! 挨拶をして、ラルフと僕の間にロジィを入れて手を繋ぐ。転ばないように、ルーのほうへ急いだ。今日は何をして遊ぼうか!