軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

418.久しぶりに揃った三つの公爵家

馬車の中は賑やかだった。二人が負けじと、私を褒め続けるの。髪が素敵だとか、すごく綺麗だとか。褒められ慣れないから、照れてしまうわ。二人とも言葉が真っ直ぐなんだもの。本心だとわかるから、恥ずかしいより嬉しいが 勝(まさ) った。

王宮に着いたら、すぐに温室へ案内される。バルシュミューデ公爵夫人ユーリア様が、穏やかに微笑んでいた。いつもと同じ長椅子が複数並び、子供が楽しめるよう絨毯を敷いた段差もある。

「お久しぶりです、ユーリア様。お待たせしましたか?」

「いいえ。まだ我が家だけよ」

ランドルフ様は椅子から飛び降り、レオンに駆け寄った。小さな騎士様はお役目を終えたのか、嬉しそうに走っていく。二人の後ろをユリアンが追いかけた。悪ガキだけど、あの子なら大丈夫でしょう。

「ヘンリック様、こちらに座りましょうか」

並んで座り、リリーからスカーフを受け取る。昼間のお茶会なので、肩の出るドレスは着ない。そのためショールも持参しなかった。なぜか、マルレーネ様の招待状に、持参して欲しいと記載があったの。

かなり大きめのスカーフが指定されていた。小さめのテーブルクロスに近いわね。

「その柄、綺麗ね。私はこれにしましたの」

ユーリア様が広げたのは、ペルシャ絨毯の模様に似ている。やはり招待状に「スカーフ持参」と記載されていたそうよ。さらにサイズ指定まで。何か予定があるのかも。マルレーネ様に献上する可能性も踏まえて、絹の上質なスカーフを用意してよかった。

社交を奥様に任せっぱなしのバルシュミューデ公爵は、今日も同行しなかった。尋ねると、ユーリア様はからりと明るく笑い飛ばした。

「いいのよ、あの人は。仕事が恋人だもの。あれでいて、記念日はきちんと祝ってくれるの」

惚気? いい夫婦関係なのね。微笑ましく聞いたところへ、パウリーネ様が到着した。今日はご令嬢も一緒だった。ヴェンデルガルト嬢、で合っているわよね。今日は大人っぽい衣装を選び、髪も結い上げていた。背伸びした感じが、逆に初々しく見えてしまう。

「パウリーネ様、ヴェンデルガルト嬢、お久しぶりです」

「アマーリア様は、今日もご夫婦で参加ですのね。羨ましいわ。うちの夫は領地から戻ってこなくて」

困ったわと笑う。そこで違和感を覚えた。何か違うわ、私の知るパウリーネ様ではない。でもどこが違うのか、はっきりしなかった。モヤモヤしながらも、笑顔で応じる。彼女は空いていた椅子に腰掛けた。

「あっ……」

思わず声が出てしまい、怪訝そうなヘンリック様と視線が合う。こそこそと伝えたのは、パウリーネ様の距離感だった。以前は強引に距離を詰めて、夫であるリースフェルト公爵に叱られていた。それがないの。

もしかして、私に飽きたのかしら。