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作品タイトル不明

王妃とのお茶会11

王位不信任請案とは、簡単に言えば貴族が王を降ろすことができる可能性を持ったものです。

王が信用に値しない場合、成人した貴族であれば誰でも、王に交代を迫る事が出来るのでございます。

迫る事が出来る、という曖昧な表現になるのは確実に王を退位させられる確証が無いからです。

と言いますのも、この請案を提出したことによって行われるのは王を選び直すということだからでございます。

つまり現王を含む王位継承権を持った方の中から次王を選挙によって決めるのです。

この請案は二百年ほど前に制定されました。

制定された背景は、過去の暴君への大反乱でございます。

この大反乱は多くの民の命を奪い、農地を焼き、飢餓を呼びました。

これにより、国が存亡の危機となったのです。

そしてこの請案が前回提出されたのは70年ほど前のこと。

「王位不信任請案!? そんなことしたら、ギルシュの資産では…ギルシュ家が潰れるわよ!」

流石は王妃様。過去に三回しか使われていないこの請案が何かをご存じです。

王妃様の驚きはごもっともで、この請案を提出するには莫大な金銭が必要でございます。

この国でも上位の財力を持つ我が家でも潰れる可能性があるのです。

「まだ、もう少し様子を見てからでも良いのではないかしら?」

「何も、今すぐというわけではございません。準備が必要でございますから。」

「それでも…」

「わかっております。統治後見にはハルクタルム伯爵家をつけます。」

わたくしの言葉に王妃様はギルシュ家の覚悟を悟っていただけたようでございます。

ハルクタルム家がギルシュ領の統治後見となる、ということはギルシュ家が破産し領地を取り上げられた場合、次の領主が決まるまでの間、ハルクタルム家がギルシュ領を統治するということになります。

領主がいなくなっても、情勢によっては次の領主が決まるまで数年かかる場合があります。何年も領民を放っておくことになってしまうため、統治後見をつけることで領を守るのです。

ですがこの制度を利用し、領地の乗っ取りが出来てしまうため統治後見をつける領主はほとんどおりません。

しかし我が家がこの制度を使用するにあたって大きな不安はございません。ハルクタルム伯爵夫妻は信用に値しますし、もともとアルフレッドはハルクタルム家から我が家へ入る予定でした。万が一我が家がなくなることがありましても少し手続きの形が変わるだけで大きな混乱が起きることもございません。

違った意図ではございましたが、アルフレッドを我が家の養子に入れていなくてようございました。