作品タイトル不明
逆ハーレムエンド
そんなある日、夫から早馬で手紙が届きました。いつもと違う届けかたに不安が募ります。
急いで開いた手紙には、この国の学園の卒業パーティーの内容が書かれておりました。また一つ、事が起こったようでございます。
卒業パーティーとは正式な名を「初酒の祝い」と申しまして、王立学園の卒業式が終わってから数日後に開かれる催しです。国の行事として王宮にて行われ、多くの貴族が参加いたします。とても大きな行事なのでございます。
王立学園の卒業生はそこで「初酒の儀」を行い、成人を迎えたことを出席者に寿がれるのです。
その卒業パーティーでエドワード殿下と殿下のご側近方は、クリアハート嬢と共に、皆で一つの家庭を築くと宣言されたとのことでございます。
なんと、まぁ!! 一妻多夫です!
いえ、正式な婚姻が叶わないだけで、価値観は人それぞれですから、本人たちのご自由にすればよいのかもしれませんが、皆様ご身分があります。生まれた子はどうなるのでしょう…。
いえ、そこはわたくしが気にすることではございません。
さらに重要なことも書かれておりました。
エドワード殿下が横領した件は内々の処理になりそうだ、ということです。
表向きはご病気だとか適当な理由を付けて、謹慎処分とされるのだとか。ですがその謹慎処分も問題で、ご令嬢と側近方も同じ場所なのだそうでごさいます。
まるで新婚を後押しするようでございます。
内々にではあっても、すでに進めようとされている王子殿下の処遇に口を出せる方はごく限られております。
夫でも変えるのは難しいかと存じます。
しかも、今回は厳罰化するために成人となるのを待ったのです。それなのに、処罰を軽くすることが可能な方とは…。
これをお決めになったのはいったいどなたなのでございましょう。
「セシリア、早馬が来たって聞いたけど…、どうしたの? 何が書かれていたの?」
早馬の来たとの知らせを聞いたのでしょう。お母様とアルフレッドが駆けつけてくださいました。
わたくしは手紙を差し出します。
「何これ!」
お母様の目が吊り上がります。アルフレッドは手紙を裏返したりしながら他に綴られた文字がないかなど確認しております。
「なんでこんな事になってるんです!?」
諦めて手紙を返してくれながら、わたくしに問うてきました。
「わかりません。」
わたくしも困惑しております。
お母様もアルフレッドもわたくしも続く言葉が出てきません。
三人で夫からの短い手紙をしばらくの間黙ったまま、ただただ見つめ、それぞれに思考を巡らせました。
なんだかとても恐ろしく感じられます。いったい、王都で何が起こっているのでしょうか。