軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

34話 増える強敵

「魔物を相手にしながら私と戦わなければいけないこの状況……果たして貴方に勝機はありますかね?」

奴との戦いに魔物が増えても状況が悪化したとは思わない。

そう思うきっかけになったのは、1年前に初めてダンジョンに挑んだときだ。

あの経験を機に複数の魔物を相手にするコツを掴んだ。

その外にも俺が気に食わない冒険者は割といるようで、似たような場面には何度も遭遇した。

「ああ、何も変わらない」

「そうですか。では再開しましょうか」

同時に大地が揺れ動いた。

何か巨大なものが接近しているのが分かる。

大きさだけではない……そいつが持つ魔力もかなりの大きさだ。

そして、微笑む悪魔の背後から2匹の魔物が現れた。

ガルーダとヒュドラか。

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〇ガルーダ

人間のような体に、鷲の頭。

背からは紅色の翼が生えており、炎を纏っている。

火山地帯に生息し、好戦的な性格をしているが、人肉を好まないらしく命を奪うことは少ない。

冒険者ギルド連盟が指定する危険性を示すランクはAだが、実力だけで見ればSランクが妥当とも言われている。

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〇ヒュドラ

七つの蛇の首を持つ巨大な竜種。

強靭な顎と鋭い牙を持ち、あらゆる物を噛み砕ける。

魔素の濃度が極めて高い沼地を住処にし、毒を吐く。

冒険者ギルド連盟が指定する危険性を示すランクはS。

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Aランクの魔物とSランクの魔物か……。

そしてガルーダの方は、危険性がAランクと示されているだけで実力はほぼSランクと同等と見るべきか。

「二匹で大丈夫か? 周りの魔物をあてにしても無駄だと思うぜ」

「ふふふ、勿論これだけではありませんよ」

悪魔の手に魔力を帯びた。

地面には魔法陣が即座に出現した。

何かを召喚するつもりのようだ。

「おや……止めに来ないのですか?」

「何を召喚するのかと思ってな」

「ふむ……この魔物二体を相手する絶好のチャンスを与えてあげたつもりだったのですが、無駄だったようですね」

魔法陣から出現したのは馬に乗った騎士だった。

しかし、ただの騎士ではない様子。

騎士、馬、共に首が無いのだ。

となると……。

「アンデッドか」

「ただのアンデッドではありませんよ。私が作成した特製のアンデッド──デュラハンです」

「……その元となった騎士はどこで手に入れた?」

「お察しの通り、道中で手に入れましたよ」

「やっぱり召喚を見ていて良かった。召喚を止めていたら、そのアンデッドを成仏させてやれなかったわけだからな」

と言っても、デュラハンもガルーダとヒュドラと同等の魔力を誇っている。

その3体と悪魔を相手にする訳か。

間違いなく、今までで一番の修羅場だろう。

難なくとリヴェルが進んで行った魔物の大群。

しかし、大多数の冒険者にとっては、その魔物達も十分な強敵であった。

「ぐああああああっ!」

「このやろォ!」

負傷する冒険者は続出するも何とか持ちこたえていた。

魔物の群れにはE~Bランクの魔物がよく見られる。

一般的な冒険者のランクはCランクとされており、十分戦える相手ではあるが、魔物側の数が圧倒的に多すぎる。

「クソッ……! リヴェルはこの中を突き進んで行ったっていうのかっ!」

アギトでさえもリヴェルの後を追うのは厳しかった。

相手にする魔物の数が多ければ多いほど、体力の消耗が激しくなる。

攻撃を躱して進んでいこうにも、その隙間を中々見つけられないのだ。

「アギトさん、リヴェルさんの後を追うつもりですね」

「……フィーアか、止めろって言っても無駄だぜ。俺はアイツに負けていられねえからな」

「誰もまだ止めろなんて言ってないのに気が早いな〜」

カリーナは戦闘中だと言うのに、アギトをからかう。

「止めろなんて言いませんよ。私もリヴェルさんのところに行くつもりです。だから協力しましょう」

「ほぉ……弱虫のフィーアにしては随分と強気な発言じゃねーか」

「リヴェルさんが向かったとされる中央付近から物凄く大きな魔力を感じるんです」

「だからリヴェルを助けに行く、と?」

「はい」

「なるほどな。お前らしい勇気の振り絞り方だ。……ったく、しゃーねえ。少し癪に障るが協力してやるよ」

「アギトさん……! ありがとうございます!」

二人のやり取りを見ていたクルトは、少しまずいのではないかと考える。

リヴェルに『みんなを守ってくれ』と頼まれているからだ。

だが、約束は破ってはいない、とクルトは思う。

(リヴェルには申し訳ないけど、僕は守ってくれとしか頼まれていないからね。どんな相手が出てきても倒せば問題ないんだよね)

クルトにリヴェルを応援したい気持ちは無い訳ではない。

しかし、それ以上に二人の気持ちを優先したいと思った訳だ。

「で、お前ら二人はどうすんだ?」

アギトはクルトとカリーナに声をかけた。

「私は遠慮しておくよ。リヴェル君ならきっと何とかするだろうし、それよりも他の冒険者達の方が心配だから」

カリーナはごめんね、と頭を下げると他の苦戦している冒険者達のもとへ向かった。

「クルト、お前は?」

「そうだね、僕も協力するよ」

一致団結した3人はリヴェルのもとへ向かうのだった。