軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

15話 アギトと再会

「さて、それじゃあここら辺で終いにしようかのぉ。ワシも仕事があるのでな」

ふわぁ~、と学園長はあくびをした。

このあと寝るんだろうな~、と俺は思いながら適当に返事をした。

貰うものも貰ったし、長居するのも学園長に迷惑なのは間違いない。

「……それにしても、リヴェルの頭の上に乗ってる子竜かわいいなぁ~!」

シエラがメロメロな表情でキュウを見つめている。

クロエも首をコクコクと縦に振っていた。

「あはは、キュウちゃん可愛いよね」

アンナはシエラの様子を見て笑った。

その様子を見たキュウがパタパタと羽を広げて飛んだ。

『よろしくっ!』

キュウなりの挨拶のようだ。

かわいいけど、段々とあざとくなってきているような気もする。

そしてしばらく3人はキュウのことを愛でていた。

「ふぅ~、満喫した。……あ、そうそう。これからみんなは予定ある? 良ければなんだけど、私たち協力者としてリヴェルを手伝うことになったわけだし、もう少しお互いのことを知っておいた方がいいと思うんだよね」

学園長室から出ると、シエラが俺を含めた3人の顔を見て言った。

「あ、一緒にご飯とか食べたら楽しそう!」

「いいね、二人はどう?」

「一度家に帰るけど、夕食頃には合流できると思う」

「ほんと!? クロエさんありがとう~」

シエラがクロエの両手を握ると、クロエは頬を赤く染めて照れている様子だった。

「私とシエラは最近暇してるから二人に予定合わせれると思うよ。リヴェルは何か予定とかあったりする?」

「特に何も無いが、せっかくなら他の奴らも呼びたいな」

「あ、リヴェルの冒険者時代の友達?」

「ああ、呼んでも平気かなと思って」

「良い人ばっかだからきっとクロエさんもシエラもすぐに仲良くなれると思うよ!」

そういえばアンナはあいつらと面識があったな。

魔物の大群が押し寄せてきたときに一緒に戦ったのが2年前か。

「……アンナに言わせれば結構な人が良い人認定されちゃうからなぁ」

「え~? そんなことないよ」

シエラとアンナは随分と仲がよさそうだ。

良い友達に巡り合えてよかったな。

「私も大丈夫」

「3人共大丈夫そうなら良かった。ありがとう。集まる場所は俺が泊っている宿屋でいいか? そこで夕食も食べられると思う」

「丁度いいね、じゃあそこにしよう」

「じゃあ場所を教えるぞ──」

宿屋で集まることを約束した後、俺は王都の街中にやってきた。

「フィーアを見つければみんなの居場所も分かるはずだよな」

今朝ランニング中のフィーアと会えたのはラッキーだったな。

フィーアの魔力を探せば、たぶん見つけられるだろう。

『あるじ、あれ見て!』

「ん?」

キュウが見ている先には、屋根の上を軽快に飛び移っていく男がいた。

男性は手に鞄を抱えている。

「ど、泥棒ーっ!」

道端から中年男性の叫び声が聞こえる。

どうやらあの屋根の上の男は中年男性から鞄を盗んだようだ。

助けてやりたいところだが……これから先、実力を隠さない状況が待っているため迂闊に動けない。

……んー、仕方ない。

適当にあの男を追ってみよう。

そう思って、男を注視していると、凄い速さでもう一人の人影が屋根に飛び上がってきた。

そしてすぐさま男の手足を抑えつけて無力化した。

「……あれ、アギトじゃない?」

泥棒を捕まえた男からは獣の耳と尻尾が生えており、俺の中のアギト像と一致していた。

『アギトかどうか見てくるっ!』

そう言って、キュウは飛んで近付いていく。

周りの人の視線がキュウに集まる。

……まぁこれぐらいなら目立っても何も問題ないだろう。

『あれアギト!』

アギトを確認して、パタパタ、と俺の方へ戻ってきたキュウ。

そしてキュウの存在に気付いたようで、屋根の上にいるアギトと目が合った。

アギトはフッ、と一瞬だけ口元を緩めた。

衛兵に泥棒を、鞄を中年男性に返して、アギトは俺のもとへやってきた。

「おうおう久しぶりじゃねーか」

「久しぶりだな、アギト」

「おまえ入学試験で顔見なかったけど、ちゃんと受けてんのか?」

「まあな。ちゃんと入学は出来るさ」

「ほんとかァ?」

アギトは鋭い目つきで疑う。

「それについて色々話したいことがあるんだけど、これから暇か?」

「暇じゃねーが付き合ってやるよ。ありがたく思えな」

「おう、ありがとな。てかアギト、お前なんかちょっと変わったか?」

以前よりもアギトは落ち着いているように思える。

「さァな」

「丸くなったっていうか、大人びたっていうか……」

「うっせぇな。人助けしたぐらいで、んなこと言ってんじゃねェ」

「はは、悪い悪い。他のみんなも呼びたいんだけど、どこにいるか知らないか?」

「……ったく調子狂うぜ。クルトの奴は王立図書館で魔導書を読み漁ってるだろうな。フィーアも最近はクルトと一緒に魔法の勉強を頑張ってんな。運が良ければ図書館で二人に会えるぜ」

「ウィルは?」

「ウィルは多分俺みたいに適当に暇つぶしてんだろ。……ん、そういや王都の冒険者ギルドの依頼をこなしてるところを前に見たな」

「ありがとう。助かるよ」

アギトに俺が泊っている宿屋に夕食のとき来てくれ、とお願いしてから俺はクルトとフィーアがいる可能性の高い王立図書館に向かうのだった。