軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

144話 青少年のサガ

「ユウタっ」

連れて来られたのは、ムキムキ少年改め内向型少年。

ムキムキ治ったんだねぇ。

「タケル! 良かった。すぐに会えて」

「お前、正気に戻ってるのか?」

「うん。自分がおかしかった自覚があるよ。それで他のみんなも連れてきたかったんだけど、僕一人で逃げることしかできなかった。……ごめん」

えーと、ユウタ君の能力は、スキルを共有する能力だよな。

……大分条件が良くなったんじゃないか? これは。

「取りあえず、これ食べて?」

ユウタ君の口に、大黒丹入りわらび餅を突っ込む。

「むぐっ。……美味しい」

よし、正気に戻ったフリとかでは無さそうだな。

いや、待てよ?

「ユウタ君、ちょっとごめんね」

俺はユウタ君のほっぺたを引っ張る。

「痛っ。痛い痛い痛いっ。ひゃめへ。ふぁめぇー」

うむ、変装では無さそうだな。

「ちょっと、ヨシツグ、何やってるのよ」

「こうやって、偽物かどうかを確認するんだよ」

「おっさん、漫画の読みすぎじゃねえか?」

いや、警戒はすべきだ。

「と、とにかく、疑いは晴れたんだよね?」

赤くなったほっぺたを摩りながらユウタ君が涙目でこっちを見る。

「もちろんだ。とにかく、詳しい話を聞かせてくれ。……とその前に、急ぎで対処しないといけないような案件は無いよな?」

じっくり話を聞いたせいで、手遅れになるとか、結構ありがち。

「大丈夫だけど。でも、僕自身あんまり状況は判ってないかな……」

ふむ、こっちから質問するべきか?

「それで、あなたは今まで何処に居ましたの?」

エレメアが質問してくれた。

……俺に任せておいたら、話が進まないとか思ったのかも知れんな。

まったく、失礼な。

おっと、ユウタ君ってば、エレメアの顔をガン見して固まってるな。

さては、メンクイか。

エルフスキーかも知れないな。

「そ、その、僕はよく判んなくて。なんか石造りの部屋でした」

「そこから、ここまで来たんだろう? 案内できないのかい?」

シンディが話しかけると、一瞬その体格に怯んだユウタ君だったが、すぐにその視線は胸で固定される。

女性からは男性の視線がよく判るって言うけど、横から見ている俺にも丸判りだな。

ユウタ君は巨乳好き、と。

「は、はい。僕は自分と物とで居場所を入れ換えるスキルが使えて、それで前に入ったことのある此処の地下室にあった目印に跳んだんです」

ああ。逃げたときのやつか。

確かに、見えない場所に入れ替えで逃げたってことは、見えなくても移動に使える目印が残されていたってことになるのか。

つくづく厄介な能力だな。

「隠れ家の場所は判らないってことね。それで、あなた達の残りのお友達は、まだ言動がおかしいままなのよね?」

次にユキに目を向けるユウタ君。

当然、ネコミミと尻尾を視線が往復する。

判る。判るぞ。

でも、そいつ危険人物だから気を付けてな。触ったら死ぬから。

「おかしくなっていた間の記憶は、あるのでござるよな」

「いつから、そんな風になってたんですか?」

カエデとアイリスには……なんか反応が薄い。

ユウタ君達は高校生くらいで、アイリスとカエデは中学生くらいか。

年下には興味無し、と。

この二人も美少女ではあるんだけどな。イロモノだけど。

「えと、ここって異世界なんだよね? この世界にやって来た時から、なんか変な強迫観念っていうか、アオイさんには逆らっちゃいけなくて、スキルを指示通り使わないといけないのが当たり前に思ってて」

「おそらく、召喚時に組み込まれたのでしょうね」

あ、ヒース君には反応した。なんかモジモジしてる。

絶対、性別女性だと勘違いしてると思うけど。

ここで、少し纏めてみようか。

エレメアは顔。

シンディは胸。

ユキはネコミミと尻尾。

アイリスとカエデは無し。

ヒース君も顔。

つまり、ネコミミ巨乳正統派美少女がユウタ君の好みってことだな。

「旦那。あんたが今、すごくどうでも良い事を考えてるって言うのは判るんだけどね。そういう場合じゃないから、真面目な顔に戻しな」

はっ。また女性陣プラスヒース君からの軽蔑視線が俺に集まっている!?

ニーナのドラゴンテレパシーを習得しつつあるのだろうか?