作品タイトル不明
桜の国チェリンと七聖剣【百四十六】
「うーん、今の手順でも 殺(や) れませんか……。こいつぁちょいと想定外ですねぇ……」
ディールは大袈裟に肩を竦め、大きなため息をついた。
「あっしの能力もかなり応用の利く方なんですが、旦那の それ(・・) はまさに規格外だ。攻撃・防御に身体能力強化、挙句の果てには回復までできちまう。まったく、やりにくいったらありゃしやせんよ……」
奴はそう言って、やれやれと首を横へ振った。
この様子を見る限り、どうやら 大きな(・・・) 勘違い(・・・) をしているようだ。
「……なぁ、ディール」
「はい、なんでしょう?」
「随分と余裕そうだが……。俺の攻撃は――まだ終わってないぞ?」
先ほどの一幕。
闇の影(ダーク・シャドウ) と 毒龍の呪尾(ヴェノム・テイル) は、 相殺(そうさい) になったわけじゃない。
俺の闇が、奴の毒を食い破ったのだ。
「ッ!?」
状況を瞬時に理解したディールは、すぐさま防御体勢に移行した。
「―― 毒の防(ヴェノム・コー) 」
「――遅い」
刹那、研ぎ澄まされた十本の闇が奴の全身に食らい付く。