作品タイトル不明
桜の国チェリンと七聖剣【七十九】
「本来ならば、もっと基礎を積んでから取り組むべきなのじゃが……。明日が最終日ともなればやむを得ん、か……」
バッカスさんは悩まし気にそう呟いた後、
「どれ、儂からの餞別じゃ。明日は桜華一刀流が奥義―― 鏡桜斬(きょうおうざん) を教えてやろう!」
パンと膝を叩き、その 厳(いか) めしい顔でニッと笑みを作った。
「ほ、本当ですか……!」
桜華一刀流奥義、鏡桜斬。
鏡合わせのように左右から四撃ずつ放つ、ローズの得意技だ。
そのキレと速度はまさに『圧巻』の一言。
並一通りの剣士では、斬られたことにさえ気付かないだろう。
( あの(・・) バッカスさんが放つ鏡桜斬……っ。きっととんでもない斬撃だぞ……!)
そうして俺が期待に胸を膨らませていると、
「お、お爺さま……っ。 あなたの(・・・・) 鏡桜斬は(・・・・) 、体への負担が大き過ぎる……本当に大丈夫なんですか!?」
ローズは心配そうな表情で、そう問い掛けた。
(……『あなたの鏡桜斬は』?)
その発言から察するに……どうやらバッカスさんの鏡桜斬は、特別なものらしい。
「ばららら! そんなものどうということはない! 不治の病に侵されようが、儂は『二千年』以上生きると決めておるんじゃ!」